同じチームで投げる双子のリリーフ投手の年俸差は5倍以上。防御率の高いほうが高額。違いの理由は…
来シーズン、サンフランシスコ・ジャイアンツのブルペンには、双子のリリーフ投手、タイラー・ロジャースとテイラー・ロジャースが揃う。右腕のタイラーは、2013年のドラフトでジャイアンツに指名され、今も在籍している。左腕のテイラーは、今オフ、ジャイアンツに入団した。
2人とも、今シーズンは60試合以上に登板し、右腕のタイラーは防御率3.57、左腕のテイラーは防御率4.76を記録した。ここ2シーズンのトータルも、右腕のタイラーのほうが優れている。それぞれ、防御率2.87(148登板)と防御率4.21(106登板)だ。
だが、高額を手にしているのは、左腕のテイラーだ。今シーズンの年俸は、右腕のタイラーが73万ドル、左腕のテイラーは730万ドルだった。来シーズン、右腕のタイラーの年俸は、200万ドル前後だろう。左腕のテイラーがジャイアンツと交わした契約は、ジ・アスレティックのケン・ローゼンタールらによると、3年3300万ドルなので、年平均額は1100万ドルだ。今シーズンの年俸差は10倍。来シーズンも、左腕のテイラーの年俸が年平均額と同じであれば、5倍以上の差となる。
この差は、キャリアの長さから生じている。左腕のテイラーがメジャーデビューしたのは、2016年の開幕直後だ。今シーズン、サービス・タイムは6年に達し、オフにFAとなった。一方、右腕のタイラーは、2019年の夏にメジャーデビューした。サービス・タイムは、3年を超えたところ。今オフ、初めて年俸調停の申請権を得た。FAになるのは、早くても3年後、2025年のオフだ。
ちなみに、プロ入りは、左腕のテイラーが2012年、右腕のタイラーは2013年だ。ドラフトの指名順位はそう違わず、11巡目・全体340位と10巡目・全体312位だった。
左腕のテイラーは、スライダーとシンカーを操る。奪三振率もゴロ率も高めだ。右腕のタイラーは、4シームとスライダーを投げる。ゴロ率は左腕のテイラーより高いものの、奪三振は少ない。