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試合11日前に逮捕されたWBAチャンプ

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
(写真:ロイター/アフロ)

 1月7日に防衛戦を控えたWBAライト級レギュラー王者、ジャーボンテイ・デービス(28)が、2022年12月27日、14時50分に逮捕された。

 キャンプ地であるフロリダ州パークランドで暴行罪に問われたとのこと。女性の右側頭部を平手打ちしたという。

写真:ロイター/アフロ

 CBSは今回のデービス逮捕を受け、メリーランド州ボルチモア出身の3階級制覇王者が、過去に引き起こしたトラブルを紹介した。

 デービスは2020年11月に起きた轢き逃げ事件への関与が疑われ、すでに2月16日に故郷の連邦巡回裁判所に出廷することが決まっている。彼は妊婦を含む4人が巻き込まれた事故現場から逃走した罪に問われ、14の罪状と民事訴訟の被告となっている。

 CBSは述べる。

「有罪判決を受けた場合、デービスは収監される可能性がある。彼の弁護団は、9月に司法取引を提示しようとしたが、ボルチモア巡回裁判所の判事によって拒否された。

 デービスは、2020年にチャリティー・バスケットボールの試合中にも娘を無理やり連れ去った件で、暴行DVとして有罪判決を受けている。2018年にはワシントンDCのバーで喧嘩をして逮捕、2017年には故郷で友人を殴ったとして暴行罪で起訴されている(これは不起訴となった)。」

写真:REX/アフロ

 27日にデービスは一晩拘留されたが、翌日、釈放された。設定された保釈金は1000ドルとのことである。デービスのプロモート会社、PBCやファイトを放送するSHOWTIMEは静観の構えだ。

 逮捕から3日後、tmz.comは、デービスを暴行で訴えた女性が「実は彼は、私や娘を傷つけていないと主張した」なる続報を出した。

 「デービスの娘を産んだヴァネッサ・ポッソは、金曜日にソーシャルメディアに投稿し、180度変わったように書いている……。『この数日間、周囲にいるすべての人を傷付け、非常に疲弊させてしまった。私はプライベートを公にしたくなかった。私たちの関係の状態は壊れやすい状況にあり、ジャーボンテイと私は口論となった。双方に非があった。警察を呼ぶ必要は無かった』と。

 デービスはポッソが警察に通報した理由は、彼が自分のトラックを使わせてくれないことに腹を立てたからだと語っている。」

 何かと問題の多いデービスだが、2023年初の注目試合は行われるだろうか。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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