学振応募書類で、最後にもう一度チェックすべき3つのポイント
院生、PDのみなさんのなかには、今日明日にひと山迎える人が少なくないかもしれません。学振特別研究員の応募締切が迫っているからです。筆者の勤務先の場合、金曜日までに所属機関で修正申請を申請していれば、日曜日から月曜日に日付が変わる瞬間まで修正できる仕組みです。その、最後の「ひと押し」をどのように修正するか、頭を捻っている人もいるのではないでしょうか。先日、下記のようなエントリを書きました。結構多くの人に読んでいただいたみたいですが、少なくとも人社系で分野をあまり問わない、ごく基礎的な、しかし陥りがちなトラップを列挙してみたというわけです。
学振と戦う院生、PDのみなさんへの基本的Tips(主に人社系)(西田亮介)- Y!ニュース
http://bylines.news.yahoo.co.jp/ryosukenishida/20150512-00045656/
まさに、現時点では、残り12時間ほどになり、修正の方向性のアドヴァイスも順調に揃っているかもしれません。筆者は、この数年、勤務先の人社系の書類N十枚すべてに、業務でおもに形式的なセカンドオピニオンをコメントしています。そこで最後にもう一度、チェックすべき、そして、さっと直せる形式的なセカンドオピニオンを以下3つだけ並べてみることにしたいと思います。
・ナンバリングの統一
・字下げ、箇条書きの統一
・否定形が並ぶ表現になっていないかどうか。
まず「ナンバリングの統一」から説明します。書類のなかで用いている見出しの番号ですが、途中から切れたり、ルールが変わっていませんか。また具体例や、下位の項目を表現するとき、突如、別のルールになっていませんか。よく見かけるのが、それまでアルファベットで表現していたのに、突如として数字になったりするパターンです。その逆もしかりです。突如表記形式が変わると、読み手(審査する人)は意味を見出そうとしてしまいます。少なくとも混乱のもとであまり印象はよくありません。またナンバリングの際に、「1、2、3・・・」(Yahoo!の仕様上、フォントの関係で使えないようですが、マル1、マル2・・・とみなして下さい)の形式を用いている人は、この表記形式は、「現在までの研究状況」や「これからの研究」のリクエストで用いられているので、対応しているかよく考えてみましょう。もし意識せず用いている場合は、読み手からすると、対応しているように見えてしまうので、別の表記ルールを考えてみてもよいのではないでしょうか。これは、「現在までの研究状況」と「これからの研究」でのナンバリングの対応関係にも同じことがいえます。
・次に、「字下げ、箇条書きの形式」ですが、これも先ほどと同じような指摘です。段落冒頭に字下げがあったりなかったり、箇条書きの形式がある部分では、「・」だったものが、別の箇所では「◆」になっていたり・・・散見します。箇条書きのインデントのレベルがまちまちだったりすると、これもやはりあまりよい印象を与えません。
・最後に、「否定形が並ぶ表現になっていないかどうか」という点です。すでに冒頭の別エントリでも書いたのですが、「本研究の目的は、Aではなく、Bではなく、Cではなく、・・・◯である」という表記を大変よく見ます。亜種として「本研究の課題は、Aではなく、Bではなく、Cではなく、・・・◯である」といったものなどがありました。こういう表記をすると、少なからず文の途中で論理的に破綻したり、主語と述語の対応関係がわかりにくくなったりします。「本研究の目的は◯である。◯とは・・・」といった形式などに書き換えてあげると、ちょっとした修正で、ぐっと正確な意図が伝わりやすくなると思います。
むろん内容や最終的な判断は自分と指導の先生方とのコミュニケーションのなかで決めるわけですが、これらの点は実に低コストで、大変計画書が読みやすく修正できる点でもあります。最終提出前に、もう一度チェックしてみてはいかがでしょうか。院生、PDの皆さんの、最後の追い込みが功を奏することを願っています。