スマホメーカーを襲う「コスト増」シャオミの打開策は?
Xiaomi(シャオミ)が日本向けにスマホ新製品「Redmi Note 11 Pro 5G」を発表しました。コスト増などの課題に対し、シャオミは「ユーザー中心」の製品開発を続けているといいます。楽天モバイルによる初めての取り扱いにも注目です。
コスト増でも「ユーザー中心」
最近のスマホ業界で大きな問題となっている半導体不足や物流コストは、シャオミにも大きな影響を及ぼしているようです。
東アジア担当ゼネラルマネージャーのスティーブン・ワン氏によれば、プロセッサー(SoC)は10〜15%、物流コストは30%、昨年と比べて高騰しているとのこと。全体では10%のコストアップとなり、さらに20%の円安が拍車をかけているといいます。
コスト中心のやり方では、最初に「400ドル」などの価格を決めて開発を進めることになりますが、昨年と同じ価格で作ろうとすると、コスト削減かスペックダウンを迫られることになります。実際に、そういう選択をしているメーカーもあるといいます。
一方、シャオミは一貫して「ユーザー中心」のやり方で、ユーザー体験を重視しているとのこと。その結果、毎年少しずつ価格帯が違っているとのことですが、これはユーザー体験に妥協しなかった結果としています。
さらに、ユーザーに製品開発に参加してもらう取り組みを始めるとのこと。オフラインでの少人数の集まりとして、これまでの製品へのフィードバックや、日本向けに投入するモデルの選定、発売前のベータテストといった活動に参加できるようです。
また、製品のアフターサービスは「年中無休」になり、オンラインでのカスタマーサービスも開始するとのこと。消費者向けにも「コストは削っていない」ことをアピールしています。
楽天モバイルで初の取り扱いが実現
SIMフリー(オープン市場向け)スマホでは、4万円前後は手を出しやすく、一括で気軽に買える価格帯であることから多くのモデルがひしめく激戦区になっています。
その中で、シャオミのRedmi Note 11 Pro 5Gは、1億800万画素のカメラ、120Hz表示の有機EL画面など、ハイエンド機並みのスペックが税込4万4800円で手に入る高コスパをうたっています。
ライバルとしては、同じQualcomm製の最新チップ「Snapdragon 695 5G」を搭載したシャープの「AQUOS sense6s」や、モトローラのFeliCa搭載モデル「moto g52j 5G」が4万円前後に並んでいます。
注目ポイントの1つは、今回初めて楽天モバイルの取り扱いが実現したことです。販売価格は税込4万2980円と、オープン市場向けの希望小売価格(4万4800円)より安い設定になっており、攻めている印象です。
0円廃止で話題の楽天モバイルですが、使い放題で3278円などの割安さを特徴としています。高コスパで知られるシャオミとの相性は良いと考えられるだけに、注目の組み合わせといえるでしょう。