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「大阪パフォーマンスドール」30周年。節目で武内由紀子が向き合う家族のカタチ

中西正男芸能記者
リーダーを務める「大阪パフォーマンスドール」が結成30周年を迎えた武内由紀子さん

 1990年代、アイドルグループ「大阪パフォーマンスドール」(OPD)のリーダーを務めたタレントの武内由紀子さん(50)。11月11日にはOPDの30周年記念公演「OPD30th ×TOWER RECORDS Premium Live~30年目の夜だから~」(東京・TOWER RECORDS渋谷B1ライブハウス CUT UP STUDIO)を開催します。プライベートでは2013年に結婚。その後、特別養子縁組制度で長男、長女を迎えました。久々に立つステージへの思い。それを子供たちに見せることへの思い。今の胸の内をストレートに語りました。

やるなら今

 「東京パフォーマンスドール」の姉妹グループとしてOPDが生まれたんですけど、それが30年前になるんですもんね。そら、私も50歳になるはずです(笑)。

 グループの活動としては3年半くらいでストップしたんですけど、これがね、本当にメンバーの仲が良くて。今でも連絡を取り合っていて、アレコレ話してます。

 今でこそ、アイドルはグループで活動するのが主流になってますけど、30年前はそれこそキョンキョンみたいに個人で活動するのが基本でした。

 なので、グループでアイドルをやることに対していろいろな見られ方もあったし、やっている本人たちも葛藤がありました。ただ、それだけいろいろ考えたからなのか、結果的にメンバーが家族みたいに仲良くなったんです。

 それがあるから、今回も30周年で何かやろうと。25周年の時はトークイベントをやったんですけど、今回は歌って、踊っての本格的なライブをやろうと最終的になりました。

 もちろん、歌やダンスを練習するなんてすごく大変ですし、みんな子育てや仕事がある中での練習ですしね。より大変ではあるんですけど、やるなら今しかない。次の大きな節目は40周年。その時にはもう私も60歳です。そうなったら、さすがにもう歌やダンスも難しいだろうし、今のうちにやろうと思って子育ての合間に必死に練習しています(笑)。

自慢できる母親

 うちには特別養子縁組制度で迎えた5歳の長男と3歳の長女がいるんですけど、ステージに立つ私の姿を二人が見るのは初めてのことです。

 どう思うのか、それは私にも分かりませんけど、見せる機会はこの先ないだろうから、今回やっておこう。その作用が30周年記念ライブにつながっているところもあると思います。

 アイドル時代の映像を見せることもなかったので、なんとなく二人は私はおしゃべりする仕事と思っているみたいで、歌って踊っての姿を見たらビックリするかもしれませんけど(笑)。

 よく、こういう取材ではお話をするんですけど、確かにウチは特別養子縁組という、数で言うと少ないカタチの家族です。ただ、日々やっていることは普通の親子と同じこと。それしかないんです。

 養子縁組だから、血のつながりがないから。その事実はあります。でも、今だったら、下の子がやっと“イヤイヤ期”を抜けたあたりで少し落ち着いてきたとか、二人を幼稚園に送り迎えして、「お母さん、好き」と言われたり「嫌い」と言われたり。本当にその繰り返し。ただただ二人と向き合っているのみなんです。

 上の子で5歳ですから、まだ始まったばかりです。お母さんの仕事のことが分からないように、自分の生い立ちも分からない。それがあと5年、10年経った時に、どう思うのか。

 いずれ、養子縁組の事実を伝えないといけないんですけど、その時に子どもたちが何を考えるのか。

 日々暮らす中では、本当に普通の親子なんです。ただ、普通と違うところもある。これも事実です。なので、その覚悟は持っておかないといけない。でも、やっぱり毎日は普通なんですよね。どっちやねんというところですけど(笑)、どっちもなんですよね。

 ただ、今回のコンサートもそうですけど、一人の母親として、自慢できる母親でありたいとは思っています。

 いつか子どもたちが自分の生い立ちを知った時に、いろいろな思いを抱くかもしれない。そこで「ウチの母ちゃん、みんなのところの母ちゃんとは違って、こんなにカッコいいんだよ」と思ってもらえる自分でいたい。それはね、すごく考えています。

 今、仲良くしてもらっているママ友が29歳なんです。こっちは50歳でしょ。そのままと比べるとおばあちゃんに近い年齢でもあるんです(笑)。そんなこんなで、あれこれの意味でなんとか他のお母さんよりも元気で動き回っておきたい。そして、年齢や家族の成り立ちは変わらないので、何か一個でも自慢できるものがあったらいいなと思っているんです。

 そのためにも、今回のライブをしっかりやり遂げないといけませんしね。やる以上は「スゴイ!」となるものをお見せしないといけませんから。

 何があっても胸を張れる母親でいる。そのために、まずは動かない体にムチを打って、ひーひー言いながらダンスの練習を頑張ります(笑)。

(撮影・中西正男)

■武内由紀子(たけうち・ゆきこ)

1973年3月19日生まれ。大阪府出身。93年、吉本興業が「東京パフォーマンスドール」の姉妹ユニットとして結成した「大阪パフォーマンスドール」(OPD)のリーダーとしてデビュー。95年に今田耕司、東野幸治と結成した「WEST END×YUKI」として、本家「EAST END×YURI」の「DA.YO.NE」の大阪弁カバー「SO.YA.NA」を歌って話題になる。OPD解散後は女優業やタレント活動をスタート。13年、7歳年下のパン職人の男性と結婚。特別養子縁組制度により男児、女児を迎えた。11月11日には「OPD」30周年記念ライブ「OPD30th ×TOWER RECORDS Premium Live~30年目の夜だから~」を東京・TOWER RECORDS渋谷B1ライブハウス CUT UP STUDIOで開催する。11月1日には「OPD」としての新曲「ナツカ セツナ」がリリースされる。

芸能記者

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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1999年にデイリースポーツ入社以来、芸能取材一筋。2019年にはYahoo!などの連載で約120組にインタビューし“直接話を聞くこと”にこだわってきた筆者が「この目で見た」「この耳で聞いた」話だけを綴るコラムです。最新ニュースの裏側から、どこを探しても絶対に読むことができない芸人さん直送の“楽屋ニュース”まで。友達に耳打ちするように「ここだけの話やで…」とお伝えします。粉骨砕身、300円以上の値打ちをお届けします。

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