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地震後の生活を支える:今すぐ避難袋にこの3点は付け足して!プロが教える本当に使える防災品とは

おりえ総合危機管理アドバイザー三沢おりえ/防犯・防災・護身術
本当に必要な防災品とは

地震発生後、私たちが直面する最大の課題はその後の生活です。求められるのはまず、発震前とは違う環境下で出来るだけ快適に過ごせるか?そして日常生活をいかに早く正常に戻すことができるか?になります。
今回の令和6年能登半島地震を受け、まだまだ日常生活を取り戻せない方が大勢おられます。そしてニュースなどで見て改めて防災に対する向き合い方を考えなければと思った方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は基本の防災グッズリストを知る事。そして、ニュースなどでは伝えられない、リスト以外のもので事前に準備して避難袋に付け足すと便利なものをプロの目線から3点紹介したいと思います。

防災グッズの基本リスト

まず最初に基本のリストを見て下さい。これは内閣府のリストになります。防災グッズはリュック等セットで販売されているものも多くありますが、自己流で準備する場合や何から選んでよいかわからない場合には、まず公的機関の情報や資料をベースに準備して、自分なりにアレンジすることが望ましいです。
災害など普段起こらない事態に備えるには思い込みよりも災害の経験に基づいて考えられた情報を知り取り入れることが自分を守るためにも大切です。

内閣府 災害の備えチェックリスト
内閣府 災害の備えチェックリスト

避難袋に付け足してほしいもの3点

では次に実はあまり知られていない避難袋に足して欲しいものを3点紹介します。

1 抗菌目薬、胃腸薬、解熱剤(常備薬)

2. 経口補水液の粉、またはスポーツドリンクの粉

3. 携帯トイレ(自分用おむつ)

まずは1常備薬でも特に見落としがちなのが目薬です。被災地で実は多く見られるのが結膜炎。災害後の砂埃などで目を傷める人が多いですが抗菌目薬があれば悪化を防げる可能性がありますので使い捨ての抗菌目薬は特におすすめです。また避難所でお腹を下したり発熱した場合、医療機関をすぐに受診できるとは限りません。自分の身は自分で守る。持病がなくても、体調があまり良くない時に常備薬がある、ないでは安心感もかなり違うのではないでしょうか?その観点からも自分や家族が飲用可能な基本の薬も忘れずに追加しておいてください。

続いて2,のドリンクの粉ですが、先ほども書いたように、避難所や避難先での体調管理は大切です。水は基本的には最優先で準備されるものですが、好きなだけ水分補給ができるとは限りません。体調悪化や脱水症状を防ぐためにもこのようなドリンクの粉があれば混ぜて飲むこともできますし、食欲がない場合や食料が足りない場合も、塩分と糖分を舐めて補給することも可能です。粉の袋はあまりかさばらないのでぜひ避難袋に追加して欲しいですね。

そして3、の携帯トイレ、これは被災後すぐに起こる問題の一つです。まずはトイレ整備が整うまで、生理現象にもかかわらず自分で何とかしなければならない場合があり、過去の災害でも多くが恥ずかしい思いをしたり不便を強いられたとの声があります。高齢者用の荷物におむつとありますが、自分用におむつもおすすめ、おむつなんてと思うかもしれませんが背に腹は代えられません、正直なところかなり便利かと思いますので大人用、自分用として携帯トイレだけではなくおむつを準備するのもおすすめです。

お役立ちポイント1

ガムテープの追加、これはラップやゴミ袋同様、多種多様な使い方ができます。止める、マークにする、メモを書いて貼る、止血などにも使えますね。先の3点ほど重要ではありませんは被災後に快適に過ごすために案外役立ちますので、スペースがある人は避難袋に追加してください。トイレットペーパーやガムテープはそのまま入れずに、つぶして入れるとかさばりませんよ。

お役立ちポイント2

チェックリストにある軍手は厚手の作業用ゴム手袋と交換したほうが望ましいです。災害現場で布生地の軍手は刺さりやすい、濡れると使いづらいなど案外役に立たないことがあります。

避難袋の種類と置き場所

防災バッグの置き場は玄関など基本出入口物置車の中などが推奨されます。

(居間から逃げれる場合は居間でも可)押入れの中などは防災グッズを取りに行っている間に逃げ遅れることになる可能性もあるので基本は「逃げる経路の出入口」または被災後でも取りやすい場所と覚えて下さい。

避難袋のサイズと重さ

そして避難袋の重さやサイズに特に決まりはないのですが、避難袋は基本的に両手がつかえるリュックが便利です。(防災リュック)
キャリー式なども便利ですが、階段など避難の場所によってはかえって手間がかかることは覚えておいてください。

一般的な避難袋の容量の基準としては
男性40リットル15キロ
女性30リットル10キロ
子供15リットル5キロ
ぐらいが大体の目安とされています。(子供は年齢によって特に大きく異なります)

ただし身長154センチの私が女性の10kを背負った感覚では長時間の避難は厳しく、まして子供や高齢者などがいた場合などを考えるとかなり大変かと感じますので個人差があるとは思いますが、MAXの容量としてぐらいで考えた方が無難かな?と思います。

地震など災害の避難には両手が使えるリュックがお勧めです。
地震など災害の避難には両手が使えるリュックがお勧めです。


実際の環境や体力で異なりますので必ず準備したら自分で背負い重さの確認、肩紐のサイズを合わせる、家族と中身の内容を共有をしてもらいたいですね。


いかがでしたでしょうか?自分では完璧だと思っていても案外気が付かないものはありませんでしたか?
避難袋はあくまでも自分や家族のためです。この記事の内容だけでなく、自分自身の生活スタイルや必需品なども併せて、避難した時に、少しでも快適に過ごせる準備ができているか見直していただければと思います。



総合危機管理アドバイザー三沢おりえ/防犯・防災・護身術

防犯・防災グッズ記事ランキング監修も手がける専門家。常識にとらわれない怖くない危機管理の考え方で講演会やメディア、セミナー、イベントなど幅広く活動。生活の中ですぐに取り入れられる対策や動き方、便利なグッズを提案。大学や企業向けに行う座学と実技のダイバーシティ系セミナーは防災、防犯だけでなくハラスメント対策など、身を守るために役立つと高いリピート率。 防犯整備士、危機管理士(自然災害・社会リスク)非常食研究家。 逃げるための護身術指導者、元硬式空手世界チャンピオン。 日本災害危機管理士機構、日本防犯設備士機構所属。

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