逆転したソウルと東京の感染状況 アラート解除の東京に対してソウルは「厳戒態勢下」に!
韓国の中央防疫対策本部が13日午前10時に発表した統計によれば、昨日の韓国の新型コロナウイルスの新規感染者は49人。辛うじて50人を切っていた。
韓国では6月に入って50人台は5日(51人)、6日(57人)、9日(50人)、11日(56人)とすでに4度も記録している。ちなみに50人以下が韓国防疫当局の規制や自粛要請の解除基準となっている。
連日のことだが、昨日(12日)の新規感染者49人のうち44人までがソウルをはじめ京畿道、仁川など首都圏に集中していた。過去2週間だけをみると、全国の感染者533人のうち513人までが首都圏から出ていた。
首都圏の中でも首都・ソウルが最も多く、首都圏の44人のうち、29人までがソウルの感染者だった。
ソウル市はこの2週間で228人も増え、1千人を突破し、累計で1101人となった。およそ1か月前の5月12時点ではソウルの感染者数は全国感染者(1万2051人)の約16分の1程度だったが、今では約10分の1まで占めるようになってしまった。
(参考資料:感染者も死亡者も日本より少ないのに四苦八苦の韓国の感染状況)
ソウル市の6月に入ってからの20人台は2日(22人)、5日(23人)、6日(27人)、8日(22人)11日(24人)、12日(29人)と5回もあった。規制が解除された5月6日までの1週間は4人、9人、6人、13人、8人、3人、2人で推移していたことを考えると感染者が著しく急増していることがわかる。
丁世均首相は昨日、ソウル市冠岳区の健康用品の訪問販売会社と陽川区の卓球場などで散発的な集団感染が発生していることや感染経路が分からないケースが相次いでいることから「状況が尋常ではない」との認識を示し、引き締めを図っていたが、ソウルと何かと比較される東京都は逆に11日にアラートを解除し、昨日(12日)から休業要請の緩和措置を「ステップ2」から「ステップ3」に移行し、制限付きながらもほぼ「通常生活」に戻りつつある。
(参考資料:東京とソウルはなぜ感染者数で4.5倍も差が開いたのだろうか?)
東京は感染者数では5473人とソウルの1101人に比べて約5倍も多いが、この1か月間(5月13日―6月12日)だけを比較すると、ソウルの393人に対して440人と、47人多いだけだ。さらに、直近の2週間(5月30日―6月12日)だけに絞ると、東京の累計が256人なのに対してソウルは228人と、東京が28人多いだけだ。
また、東京の6月に入ってからの20人台の感染者も2日(34人)、4日(28人)、5日(20人)、6日(26人)、11日(22人)、12日(25人)とソウルよりも1日だけ多いだけだ。
人口が約1千万人のソウルに対して東京が約1千395万人と4百万人ほど多いことを勘案すると、東京のほうがソウルよりも事態が好転していることがわかる。今後は、トンネルを抜け出す直前で後戻りしてしまったソウルの二の舞にならないように「ソウルの教訓」を生かすことが大事だ。
また、死亡者を出ないようにすることが何よりも望まれる。
死亡者はソウルの4人に対して東京は313人と比較にならないほど多い。約1か月前の5月11日の時点での死亡者は東京が180人、ソウルは2人だった。ソウルはこの間、2人しか死亡者が出なかったのに東京は133人も増えてしまった。昨日も80代の女性2人が死亡している。
感染者が重症化しないよう早期発見、隔離、治療に全力を挙げてもらいたい。