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シャングリラホテルチェンマイ宿泊記・3万円台で泊まれるクラブフロアをタイホテルマニアが解説

タイ旅行ライター吉田彩緒莉タイ大好きトラベルライター
チェンマイ中心部にありながらリゾート感が凄い!シャングリラホテルチェンマイ

個性的でコストパフォーマンスの高いホテルが揃うタイにはまり「タイは若い頃に行け!」という大昔のCMキャッチコピー通り、若い頃からタイに通い続ける私。日本でホテル巡りをするより、タイのホテル巡りの方が趣味的にも個人財政的にもありがたく、ラグジュアリーホテルから面白い中流ホテル、おしゃれなホステルなど様々なホテルを泊まり歩いきた。
いつの間にかすっかりタイのホテルマニアというオタクのいばら道を歩いている。今回紹介したいのは、東京のシャングリラホテルと比較すると3分の1でクラブレベルに宿泊できるコスパ最高のシャングリラホテルチェンマイだ。

シャングリ・ラ ホテルズ&リゾーツとは?

シャングリ・ラ ホテルズ&リゾーツは香港に本拠地を置く世界的ラグジュアリーホテルチェーン。日本にも東京駅の近く、丸の内にあり、日本のラグジュアリーホテルの中の一つに数えられている。そして2025年には京都にも開業予定だ。
シャングリ・ラ ホテルズ&リゾーツのクラブレベルはホライゾンクラブ。専用フロアがあり、クラブラウンジで様々なサービスが受けられるが、サービス内容も、宿泊料金も国や都市により異なる。

つつましい暮らしをせねばならないのに優雅なホテルに憧れる上に、ワインを水のように飲んでしまう私は、クラブラウンジのサービス内容を徹底比較。東京都のラグジュアリーホテルの場合は「ああ、いつか泊まりたいなあ」などと、空想宿泊で満足して終わることの方が多い。なんて哀れなんだ!
なぜって、シャングリラホテル東京のホラズンクラブフロアの宿泊料金がいくらかご存知?

シャングリラホテル東京ホライゾンクラブの宿泊料金はいくら?

シャングリラホテル東京のホライゾンクラブは、予約サイトによるものの一室週末で15万円台超、平日は13万円台。ピークシーズンは数十万円台。庶民の私には無理ぃ~。
※2024年9月現在※定員2名の客室の1室料金で2名分の合計

タイのシャングリラホテルは日本より遥かに安い!

タイのインバウンド対策は日本より遥か昔から進み、すでに大成功している観光立国だ。シャングリ・ラ ホテルズ&リゾーツは首都バンコクに1986年創業。そしてタイ第二の都市、古都チェンマイには2008年グランドオープンと、シャングリラ一つをとっても、外資ホテルの誘致は日本よりもかなり早かった。
さて、そんなタイのシャングリラホテルの宿泊料金はと言うと?

シャングリラホテルバンコクは日本の半額!

シャングリラホテルバンコクの場合はシーズンオフでホライゾンクラブは7万円台※2024年9月現在※定員2名の客室の1室料金で2名分の合計

シャングリラホテルバンコク。チャオプラヤー川周辺の観光に便利なBTSサパーンタクシン駅が最寄り駅
シャングリラホテルバンコク。チャオプラヤー川周辺の観光に便利なBTSサパーンタクシン駅が最寄り駅

かつて泊まれていたコロナ禍前より随分値上がりしたな、と思うものの、それでも日本のシャングリラホテル東京の半額。
だがしかーし!まだクラブレベルにお得に泊まれることができるシャングリラホテルがタイにはある!

シャングリラホテルチェンマイは日本の3分の1!

それはずばり、シャングリラホテルチェンマイだ!
1986年創業と年季が入っているため、昭和のビルディング的外見をしているシャングリラバンコクと比較すると(失礼だな)、シャングリラホテルチェンマイは、凄い!

建物を見かけただけで「何あの宮殿?」と誰もが立ち止まってしまう派手な造り。

これ見たらもう、うっとりしちゃう
これ見たらもう、うっとりしちゃう

シーズンオフなら3万円台!ホライゾンクラブは日本の3分の1

シャングリラホテルチェンマイのホライゾンクラブはいくらかというと2024年9月14日現在、平日も週末も3万円台から4万円台(予約サイトによる)。平均、日本の3分の1から4分の1。これだけでも宿泊する価値がある。
※2024年9月現在※定員2名の客室の1室料金で2名分の合計
ピークシーズンの年末年始やコムローイ祭りの2日間は宿泊費が跳ね上がるが、数か月前から予約するなどしておくと、意外とお得に泊まれたりする。

ちなみに日本では2名1室ひとりいくら、が標準の考え方だがタイは違う。一室いくらなので1人でも2人でも同じ料金だ。プランによっては1人だと割引になることや、3人以上は追加料金がかかる場合もあるので、予約サイトのプラン内容をしっかりと確認すること。

シャングリラホテルチェンマイはチェンマイ観光にも便利

シャングリラホテルチェンマイは、チェンマイの中心部で外せない寺院が多いお堀に囲まれた旧市街に近く、最も暑い3月~5月以外なら徒歩でもアクセスできる。ただし暑い時期はチェンマイ名物赤バス(乗り合いバス)を無理せず拾って!30バーツ(約120円ほど)で旧市街に到着する。
ナイトマーケットやワロロット市場、ピン川も徒歩圏と、観光に便利な立地だ。

一番近いのはナイトマーケット。その一部、広い敷地に広がるアヌサーンマーケットは人気のタイパンツも豊富
一番近いのはナイトマーケット。その一部、広い敷地に広がるアヌサーンマーケットは人気のタイパンツも豊富

ホライゾンクラブラウンジでチェックイン

ラウンジの窓の向こうは一面の緑。
ラウンジの窓の向こうは一面の緑。

シャングリラホテルチェンマイは空港からタクシーで渋滞がなければ10分もかからない。1階のチェックインカンターで「ホライゾンクラブ」と声をかけると、11階のラウンジに案内してもらえる。丁度アフタヌンティーの時間なので、飲み物をいただきつつ、優雅なチェックイン。

残念ながら私の滞在中はスイーツしかなかった
残念ながら私の滞在中はスイーツしかなかった

ホライゾンプレミアルームにステイ

予約サイトのセールにぶつかり、ホライゾンデラックスルームより広いホライゾンプレミアルームが1,000円程度しか差がなかったため、ちょっと贅沢に予約。

ベットとデスクスペースの間にリビングエリア
ベットとデスクスペースの間にリビングエリア

58平米ってこんなに広い?という驚きの空間。キングサイズのベッドは大人3人でも十分寝られそうな大きさ。ベッドの前には重厚なソファとテーブルが置かれたリビングエリア。
チーク材の家具は最近できたばかりのホテルではなかなかお見受けできない。特に木造建築の家や寺院に慣れている我々日本人にとっては心落ち着く空間だ。

テレビが部屋の仕切りになっている
テレビが部屋の仕切りになっている

テレビが部屋の仕切りとなっており、ジュニアスイートルームのような仕様。こんなに贅沢して良かったのだろうか。いや、たまには良いだろう。
テレビの向こうにはデスクエリア。

窓辺にはカウチ。3人で泊まる場合、ベッドになるのだろう。
窓辺にはカウチ。3人で泊まる場合、ベッドになるのだろう。

私の場合、大抵の旅行がワーケーションになるため、デスクエリアは一番重要。
仕事をするための椅子、気の利いた文具、テーブルの上の明るいライトなど助かること尽くしだった。左奥の玉虫厨子か?と間違ってしまいそうな家具には冷蔵庫とミニバーが収納されている。外観からして宮殿のようだったが内装もやんごとなき方の宮廷のよう。
家具やラグがオリエンタル調にまとめられているのは、やはりシャングリラの本拠地である香港を意識しているのだろうか。

雨で濡れても気にならない素材のクッションや人口ラタンを使用
雨で濡れても気にならない素材のクッションや人口ラタンを使用

大きくはないがこの客室にはバルコニーも。朝日が見える東向きのバルコニーで、早起きしてコーヒーをいただきつつ眺めるチェンマイのサンライズは最高だった。

荷物が多い人必見!クローゼット&スーツケース置き場

タイは割とデザイン重視のホテルが多く、最近は扉の付いていない服を掛けるだけの簡易的でモダンなハンガーエリアを採用しているホテルも多い。私は服を掛けると、どうしても生活感が出てしまうと思うタイプ。昔ながらの重厚なクローゼットを設置しているホテルの方が好きだ。そんな同趣味をお持ちの方にぜひ見ていただきたい!

ドーン!

大きな大きなクローゼット
大きな大きなクローゼット

チーク材のクローゼットにしっかりと閉まる扉、巨大サイズのスーツケースを二つ置けるスーツケース置き場。これが古き良き居住性のあるラグジュアリーホテルのホスピタリティってものだ!
荷物の多い人が複数人滞在しても快適なホテルライフを送ることができる。

バスアメニティはロクシタン

バスルームはシャワールームとバスタブがセパレート。広々としている。

ダブルシンク、タオルも2人で使いやすいように工夫されている
ダブルシンク、タオルも2人で使いやすいように工夫されている

ダブルシンクもゆとりがある造り。二人で思い切り歯磨きをしていても肘が当たることなく、嫌な思いはしなさそうだ(笑)。

そうそう!シャングリラと言えば、バスアメニティはロクシタン。これが何気なく嬉しい上に、滞在中はちょっとでもボトルが空いていたら、これでもかと持ってきてくれる。せめてこのホテルにいる間はボタニカルな香りを体中から漂わせていようではないか!

ありがとう!ロクシタン
ありがとう!ロクシタン

トイレは温水洗浄便座(ウォシュレットなど)ではない

2008年グランドオープンという歴史もあり、トイレは温水洗浄便座ではない。
気にならない人は全く気にならないが、気になる人がとっても気になるポイントなので、念のため記しておく。

北タイなのにリゾート感マックスのプールが快適すぎる!

さて、実はシャングリラホテルチェンマイはクラブフロア以外にも評判の良いものがある。プールだ。

天蓋付きのカップルシートもあるよ!
天蓋付きのカップルシートもあるよ!

一瞬、ここはプーケットなのか?と見間違うほどのリゾート感だが、ここは北タイ、チェンマイだ。広さはチェンマイ中心部では恐らく最大級だろう。

広すぎて人が混み合わない
広すぎて人が混み合わない

どのデッキチェアも人がいなくても美しく整えられており、プールスタッフは常に笑顔だ。また、たっぷりと氷水が入ったボトルとコップをそれぞれの席に持ってきてくれるから安心。
筆者の気に入っているポイントは、もう一つ。水温!チェンマイは12月から1月、昼は28度~30度なのに、夜は12、3度という、訳の分からない気温差になる。昼は半袖で過ごしたいし、できればプールにも入りたいのだが、タイのホテルはプールの水が真夏でも氷水のような冷たさに設定されていることがあるし、逆にお湯のようなぬるさにしている場合も珍しくない。

シャングリラホテルチェンマイのプールは、ぬるすぎず、冷たすぎず。当たり前のことに思うがタイでは非常に貴重な存在なのだ!これなら12月から1月に昼間泳いでも、快適。

ホライゾンクラブラウンジでのイブニングカクテルタイムが最高!

たっぷりプールを楽しんだり、観光を楽しんだら、ホライゾンクラブラウンジを満喫せねば!
こちらのラウンジ、17時30分から19時30分のイブニングカクテルタイムのフードプレゼンテーションが素晴らしい。

何たるボリューム
何たるボリューム

どこのホテルも「軽食」「カナッペ」とともにアルコールを含むお飲み物を... なんて控えめに案内をしているし、その通りのホテルが多い。シャングリラホテルチェンマイも「イブニングカクテル」と、恐ろしく遠慮がちに案内しているのだが、どう見てもディナービュッフェだ。この日はミニハンバーガー(ミニとは書いてあったがミニではない気がする)。前菜やコールドカット以外に、フライドポテトにオニオンリング、マカロニチーズ、そして中華料理とタイ料理とホットミールとメインの主食が7,8種類。数日滞在したのだが、いずれの日もがっつり夕食で大満足。

肉と野菜ががっつりデーもあった!
肉と野菜ががっつりデーもあった!

牛、豚、鳥のオールスター感謝祭みたいな日もあったのだが、野菜を惜しみなく使ったタイ料理の前菜やサラダもあり、健康志向派も大満足。あまりにも素晴らしいシャングリラホテルチェンマイホライゾンクラブラウンジのサービスについては、以下の記事に詳しく書かせていただいたので合わせてお読みいただきたい。

シャングリラホテルチェンマイの朝食

シャングリラホテルチェンマイホライゾンクラブに泊まっているゲストは、朝食は2つの場所から選べる

Kad Kafé(カドカフェ)の朝食

シャングリラホテルチェンマイの朝食はKad Kafé(カドカフェ)のビュッフェだ。

木をふんだんに使った重厚感あるダイニング。最近できたタイのホテルでこの感動はない
木をふんだんに使った重厚感あるダイニング。最近できたタイのホテルでこの感動はない

シャングリラホテルチェンマイのメインダイニングの一つであり、木材を惜しげもなく使った空間は、タイのホテルの美しさに惚れたタイ初訪問の時を思い出させてくれた。ランタンをイメージした照明が各テーブルを優しく照らしている。

ボリューム満点のアメリカンブレックファーストがご希望なら、エッグメニューをスタンドでオーダー。サイドメニューはソーセージにベーコン、ポテトなどがずらりと並ぶ。ソーセージは特にタイあるあるの安いものではなく、お手頃ホテルでは絶対にお目にかかれない、クオリティの高いタイプで、ポークは皮はパリッと内部はぷりっぷりで、チキンはしっとりやわらかだったのが印象的。

野菜たっぷりのクイティアオ、ありがたい!
野菜たっぷりのクイティアオ、ありがたい!

毎晩ラウンジでごちそうをいただいており、朝は控えめ。私はメインを優しいお味のクイティアオに。野菜たっぷりで、身体に染みた。

ホライズンクラブラウンジでの朝食

クラブラウンジの話になるとよく「ビュッフェレストランの方が良いのか、ラウンジの方が良いのか?」論争になる。これはあくまで好みだと思うし、旅のスタイルにもよる。活気あふれるオープンキッチンや世界各国のゲストの様子を眺めながらいただきたい場合や、ファミリーはKad Kafé(カドカフェ)がおすすめ。
ただ、味のレベルはホライゾンクラブラウンジの方が高かった。

胃袋のヒーリングタイム、タイのお粥「ジョーク」
胃袋のヒーリングタイム、タイのお粥「ジョーク」

料理はアラカルトと、ハーフビュッフェに分かれており、どちらもいれると、朝食レストランと同等の種類はあると思う。

米を砕いて炊いたトロトロのお粥「ジョーク」やチェンマイ名物カレー麺のような「カオソーイ」に、豚の煮込み「ゲーンハングレー」など、タイのオーソドックスな朝食と北タイの名物がたっぷり。

カオソーイ
カオソーイ

いずれの料理も食材を一つひとつ丁寧に調理して、仕上げに合わせたような、雑味や臭みのない上品な味だった。

ゲーンハングレー
ゲーンハングレー

もちろん、ホテルのブレックファーストと言えば、やはりヨーロピアンやアメリカンな料理を期待する人も多いだろう。その期待にもきちんと応えてくれる。

サーモンのエッグベネディクト
サーモンのエッグベネディクト

というわけで、自分比ではクラブラウンジの朝食に軍配が上がった。

日本の3分の1の宿泊費で最高のホテルライフ!

朝食を終え、しばらくゆっくりしてから、ラウンジでお茶を飲みつつチェックアウト。日本のシャングリラホテルのホライゾンクラブに泊まる場合の3分の1の宿泊費で、至れり尽くせりの最高の滞在が楽しめた。
こんなにも素敵な滞在が、今も3万円台から4万円台でできる国タイ。コロナ禍前は確かにもっと安かったが、それでも2024年9月現在もなお、このコストパフォーマンスはありがたい。だから私はタイに通い続けるのだ。

シャングリラホテルチェンマイのスタッフのホスピタリティが凄い

最後にお伝えしたいことがもう一つ。ホライゾンクラブラウンジのスタッフは、素晴らしいホスピタリティを持っている。
宿泊が決まった時点で、何度かホテルからメールをくれ、泊まる前から積極的にコミュニケーションを取り、こちらのリクエストを聞いてくれる。だからこそ実際に会えた時の喜びはひとしおだ。もちろん同じスタッフが担当できない場合もあるが、申し送りは完璧。実はこの滞在中、ひとつ困りごとがあったのだが、それも完ぺきに対応してくれた。
タイのホテルは、例えラグジュアリーホテルでも、こちらからコンタクトを取らない限りはメールの返信はないし、返信が必要なメールをしても全く返信のないホテルが圧倒的に多い(これは本当に信じられないことがこれまでの経験値で約85%は返信がなかった)。それをホテル側から働きかけられるわけでから、タイの中でも屈指のホスピタリティと言えるだろう。
ああ、また頑張って働いてこのホテルを訪れたい。今もそんな気持ちでいっぱいなのは、このホテルのスタッフの皆さんとの再会が待ち遠しいからかもしれない。

シャングリラホテル チェンマイ(Shangri-La Hotel, Chiang Mai)
所在地:89/8 Changklan Rd, Tambon Chang Khlan, Mueang Chiang Mai District, Chiang Mai
公式サイト:Shangri-La Hotel, Chiang Mai

タイ大好きトラベルライター

タイ旅行・タイエンタメ関連ライター。25年前タイにはまり「住んだら飽きるかも?」と1年住んで、ますますハマってしまいタイ大好き病が悪化。タイ関連記事は旅行、映画、ホテル、タイ芸能人・文化人インタビューなど多媒体&多岐に渡る。個性あるタイのホテルが大好きで泊まり歩く日々。特に好きな都市はチェンマイ、チェンライ、カオラック、バンコク、ホアヒン。ライター・編集者歴30年。大手音楽事務所宣伝部を経て某バンドの会報ディレクション、映画情報誌・旅行誌・インバウンドサイト・旅行サイトなど多くの編集部で執筆・編集を行ってきたライター・編集ひと筋のヒト。

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