羽田エアポートガーデンとは?行き方・ショップ・レストラン・ホテルを羽田空港大好きライターがチェック
突然だが、筆者は羽田空港の国際線ターミナルである第三ターミナルが大好きだ。愛するタイに旅立つ日には無意味に5時間前にやってきて、デッキで多くの飛行機を見送りながらコンビニで買ったハイボールを飲み、探検し、出国手続きしてからフードコート「ALL DAY AIR DINING TOKYO SKY KITCHEN」でラスト日本食&をワインを一杯がルーティーンだ。
海外旅行にしばらくいけない時は意味もなく、第三ターミナルにやってきて、搭乗もしないのに愛するタイ航空ちゃん(ちゃん付け)のカウンターをニヤニヤしながら見つめた後(完全に変質者)...
華やかな江戸小路を散策してから、しょんぼりと帰宅する。
海外旅行ができない時にも、訪れるだけでワクワクしてしまう羽田空港第三ターミナルだが、2023年1月にはレストラン・ショップ・ホテル・温泉施設などで構成された複合商業施設「羽田エアポートガーデン」が登場したことで更に拡張された。ここを入れると隅から隅まで散策するには出発前の数時間ではまず無理。そして到着時に疲れ果てた時も、よほどの体力がないと散策が難しいほど充実したターミナルになってしまった。
これはいかん。今後羽田から海外に飛び立つ人は、時間を割いて行くべきなのでは?いや、待てよ。そこまでするべき価値があるのか?
今回は羽田空港空港第三ターミナル大好きライターの筆者が、まだ比較的新しい施設である羽田空港エアポートガーデンを探検。出発前、帰国時に我ら日本人旅行者が立ち寄るべき価値があるのか、しっかりと見極めたいと思う。もちろんあくまでも個人の感想なので参考程度にしてほしい(笑)。あしからず。
羽田エアポートガーデンへのアクセス
羽田エアポートガーデンは、羽田空港第三ターミナル2階の到着ロビーに直結している。国内線利用者が、羽田エアポートガーデンに行きたい、という場合は黄色い無料ターミナル間連絡バスが運行しているので利用しよう。
リムジンバスターミナルの奥に「HANEDA AIRPORTT GARDEN」と光り輝くオレンジ色のゲートが!
オレンジ色のゲートをくぐり、通路なりに進んでいけば羽田エアポートガーデンだ。
ジャパンプロムナードはテンション高めの日本土産の展示も
「ジャパンプロムナード」と呼ばれる通路には、ショップエリア到着前から「ウェルカムジャパン!こんな凄いメイドインジャパン商品がココで買えるよ!」というディスプレイが、多くの外国人観光客を誘惑している。なかなかイッちゃっているテンション高めのラインナップだ。
最もシュールな佇まいを見せてくれたのは、甲冑さん48万円。空港で、甲冑を買う人ってどんな人なんだろうか。富裕層の訪日外国人観光客を想像するものの、衝動的に買ってしまい、飛行機に詰め込むためのラッピングで汗だくになり、帰国して家で身に着けて走り回った後「なんだか帰国する時、日本への思いがこみ上げて買ってしまった」とハッと気付きそうだ。
えっ?富裕層は母国に送る?なるほど、身に着けて走り回らずに、飾るんですと?大変失礼した。拙者土下座して謝罪する。
他にもピカチュウや孫 悟空の顔面がお尻全面に貼りついている大人用おパンツも、堂々と飾られており、お土産に渡した相手の引きつった表情が頭に浮かばなくもない。そんなことを想像しながらスキップでつき進んで行こう!
和の小物や、和食、和スイーツなど、とにかくとことんメイドインジャパンのショップが連なっている。
何なんだ!この人だかりは!と驚いて駆け寄ると...
飴の実演販売だ。金太郎飴かと思ったらスペイン発祥のアートキャンディショップ「パブブレ」だった。この辺りは日本人がスペイン気分を味わえるので、日本人におすすめのショップと割り切ろう(笑)。
飴そのものよりも作る工程の方が訪日外国人観光客には珍しいようで、浅草の仲見世が、空港内にできたような賑やかさ。徐々に楽しくなってくる。
天然温泉併設のホテルヴィラフォンテーヌは2つのブランドが入る
開業当時大きな話題となった、天然温泉「泉天空の湯」 を併設するホテル ヴィラフォンテーヌ 。ヴィラフォンテーヌグランド羽田空港とヴィラフォンテーヌ プレミア羽田空港の2つのブランドに分かれており、グランドがカジュアルライン、プレミアは高級ラインだ。
「飛行機が遅延して終電を逃したのでちょっと泊まろうかな」と言うにはカジュアルラインのグランドでも、一部屋2万円以上、プレミアなら一部屋5万円以上の宿泊費がかかってしまう(当日なら更に高額)。しかし温泉に入ってお休処で仮眠する分には深夜料金を入れても8,800円。タクシー代を考えれば長旅の疲れも取れるし一石二鳥だ。
まあ一番良いのは飛行機が遅延しない事なのだが。
ただ、こちらのホテル、前泊後泊では確かにもったいないが、宿泊して東京・神奈川の旅行を楽しむというのなら大いに利用価値あり。都心のホテルは値上がりが著しいので、むしろコスパが良く感じるだろう。行きも帰りも羽田空港にあり、京浜急行や東京モノレール、リムジンバスで様々な場所に行けるし、新幹線に乗るのであれば、品川駅も近い。このアクセスを訪日外国人観光客だけに堪能させるのはもったいない!地方から観光に来た旅行者の拠点ホテルとしては最高だと思うので多い利用していただきたい。
2階は圧倒的にショップ多し!
2階エリアは飲食店は少なめ、とにかくショップが目白押しだ。
現在地からすぐ横にある「羽田参道」は、通路左右にショップがひたすら並ぶ壮絶なショッピングエリア。正直に言うとコンセプトはジャパンプロムナードと変わらないようにも思うのだが、小さい間口のショップから、広いエリアを取るキャラクターグッズショップ迄、宝探しのようにメイドインジャパンのアイテム、グッズを探せる。訪日外国人観光客にとっては最後のショッピングエリアとして最適だろう。
海外の空港のショップには外国人向けにその国の名物のスーベニアショップが並んでいる。これがワールドスタンダードなのかもしれない。しかし確か大部分の空港が、出国手続き後にある印象。到着してすぐのエリアにここまでお土産屋が並んでいると、外国人観光客は「えっ?いきなりここで買うのか?」と、衝撃を受けそうだ。
1階のグランドホワイエは日本グルメを扱うチェーン店が集結
ここまで見ていると、もう少し日本人も楽しめるエリアかな?と思っていたのだが、2階エリアに関しては数店を除きショップは訪日外国人観光客向け。ただしジャパンプロムナード内に「行きたいなー」と思っていた和食屋「金粂」がある。
明治四年創業の老舗水産仲卸が手掛ける魚の定食や丼物がいただける店なのだが、カウンター席のみで既に行列ができていたため諦めた。ここは評判の店なので、海外に飛び立つ旅行者の最後の和食や、帰国直後のお久しぶり和食に最高だと思う。しかし通路から食べている様子が丸見え。行列ができている時はゆっくり落ち着いてお酒を飲みながらお食事したいという方には不向き。背中から感じる「はよ出ろや!」の視線に勝つことは難しい。
お目当ての店に行列ができており、筆者は途方に暮れ腹が鳴った。そして無性にお酒が飲みたくなった。ふと目をやるとエスカレーターが下に伸びている。
もしやここは...食のワンダーランドではないか?
天ぷら・うどん・うなぎ・みそかつ・お好み焼き他日本グルメが集結
空港のターミナルの楽しみ方は人それぞれだと思うのだが筆者の場合はやっぱりグルメ。日本人が日本らしいお土産を買うのは限度があるが、各地の名物や、たまに食べたい贅沢な和食はある程度欲するもの。日本を代表するグルメが集まる様は、見ているだけで血沸き肉躍るものである。
天麩羅えぬろく
以前神戸にあった人気の和食屋が、天ぷら専門店としてオープンしたという「天麩羅えぬろく」。羽田空港国際線ターミナルに直結と言う場所柄、外国人観光客に多いビーガンメニューも用意されている。
うなぎ四代目菊川
よく聞く名前だなと思ったら、こちら最近、タイの首都バンコクの最新スポットとして話題の「ワンバンコク」やおしゃれ商業施設「エムクオーティエ」など海外進出も果たしているうなぎ屋さん。日本全国に店舗展開しており、運営は90年続くうなぎ卸問屋なのだそう。
「大江戸フードホール」と言う名のフードコートは、十割蕎麦や溶岩ステーキと、券売機を使うにしては、なかなかハイクオリティな料理が集まっている。
しかし出費しても納得。料理がどれも魅力的!次はトライしたいかも。
肉でもラーメンでも好きな物を、自分で店先に行って注文し、自分の財布から支払えば良いわけで、旅の相棒と食事の意見が分かれても店先で悩む必要がないのが良い!
一番人気「五代目 花山うどん」
一番驚いたのが、こちらのうどん屋「五代目 花山うどん」の行列。明治二十七年創業の老舗で、うどん天下一決定戦三連覇した「鬼ひも川」という幅の広いうどんが名物。
開店時間から、店外に長い行列ができていた。
急に食べたくなる地方メニューや全国丼グランプリ金賞常連店も
他にも都内のランドマーク的な場所に出店しているお好み焼き「88(パチパチ)」、知名度の高いしゃぶしゃぶチェーン店「但馬屋」、全国展開しているみそかつチェーン店「矢場とん」、全国丼グランプリ親子丼部門金賞常連の「鳥開総本家」、ゴリラのマーク「ゴーゴーカレー」グループが手掛ける「カレーは日本の国民食」など質の高い飲食チェーン店が出店。
昼から酒が飲みたい我らはおしゃれ居酒屋へ
これだけ日本代表グルメのチェーン店が集う中で筆者が選んだのは「魚がうまい」と2回も繰り返す、筆者以上にテンションが高そうな店名「魚馳走居酒屋 うまいよ魚旨いよ魚」。
「金粂」に入れず、すっかり頭が魚になっていたことと、この日は空港で午前中から夜まで飲みたい気分だったもので、飲める雰囲気を一番大事にしてみたわけだ。
あらぁ、素敵じゃない!寿司カウンターもあり、板さんが握ってくれるのもうれしい。
日本酒の種類が非常に豊富でこれも驚き。日本を飛び立とうとする訪日外国人観光客の皆さんの最後の一杯を盛り上げること間違いナシ。
日本酒がメインの店なので、ワインの品ぞろえはほぼないものの、スパークリングワインがない代わりにシャンパンが!グラス1杯くらいなら、たまには贅沢してもいいだろう!
この後出てきたお通しも非常に丁寧に作られた上品な煮物で、オーダーしたお刺身にも無理にサーモンを入れるようなミーハー感はなく、本日仕入れたお魚をきちんと入れてくれる。カキフライもサックサクで〆に頼んだ巻き寿司のポーションも丁度良し。
お酒を飲みながらまったりと過ごすには丁度良い空間だった。
実はここもチェーン店であの居酒屋で知られる大庄グループの別業態なんだとか!
この所、羽田空港第三ターミナルの出発ロビー真上にある江戸小路は、場所が便利すぎてランチやディナー時には大混雑してしまう。特にインバウンドの爆発的な増加で、お気に入りの店に入りづらくなってきていた。そんなこともあり、国際線直結でゆっくり飲めるという店を発見できただけでも、来て良かったと思わせられた。
羽田エアポートガーデンの利用価値
今回も食事も自腹で、どこの忖度も一切受けていないため、正直に書きたいと思う。
羽田エアポートガーデンのここが素敵!
・和の趣きの空間が広がり、グランドホワイエ周辺は吹き抜けを使った美し空間美があり、散策するだけでも楽しい
・注目すべきはスイーツ類。話題のショップが多く、国内旅行で羽田に来ている人も、買って帰ればお土産として喜ばれそう。自分用として購入しても美味しいに決まっている
・温泉があるのは大きい。深夜着は深夜料金が4,000円も発生するが、ホテルに泊まることを考えるとお得だ。
早朝着便や昼着便ならのんびりと温泉に浸かって帰宅するのもありだし、深夜発なら早めに空港に入って温泉三昧してから飛び立つのもあり
・飲食店はチェーンが多いが、卒がないチョイスでさりげなく日本のグルメの代表を楽しめる
羽田エアポートガーデンのここは日本人が楽しめない
・小物やキャラクターグッズは、よほど好きな物に出会わなければ日本人はこちらで購入する必要はないように思う。もっと安く購入できる機会が多々あるからだ。商品選びも訪日外国人観光客向けだという印象だが、国際線ターミナルなので当然と言えば当然。
羽田エアポートガーデンのここはちょっと残念
・主に日本人が楽しめそうな飲食エリアは到着エリアからかなり奥まっているので、体力を使い果たして帰国した方はそのまま自宅に帰って眠った方が良さそうだ。合わせて出発ロビーから遠い作りのため、出発前に利用する場合、あまりのんびりしていると乗り遅れるかも?
・お隣の天空橋駅にできた商業施設、羽田イノベーションシティへの無料循環バスがあるのだが、全く案内されていなかった
出発・帰国のためだけではない羽田エリアのレジャースポット
更に正直に書けば、海外旅行に旅立つ日本人が、出発時に絶対に立ち寄るべきスポットかと言えば、そうでもない。帰国時もしかり。
しかし前述通り、出発前や帰国後に温泉を利用したいのであれば、絶対に立ち寄るべきだ。
ただ、今回、それ以外にも羽田エアポートガーデンには大変な魅力があることに気付いてしまった。
実は食事で利用させていただいた「魚馳走居酒屋 うまいよ魚旨いよ魚」(店名、長っ!)には入り口近くに個室があり、奥様集団がお酒込みのランチ会食中だった。他の店舗も、旅行に出かける人ではないグループを何組も見かけた。当然自分もそういう人種なのだが(笑)、京浜急行空港線沿線に住んでいる人には、普段使いのランチや夕食の場所に頻繁に使われているようだ。
もちろん日帰り温泉に空港に来ることもできるわけで、飛行機が大好きな子どもを連れて、展望デッキを楽しんだ後、温泉に浸かってエアポートガーデンでのんびり1日中過ごすなんて言うオツな過ごし方も可能。そう思うと沿線の住民の方々がちょっとだけ羨ましくなってしまった。
羽田エアポートガーデンは、空港利用者だけのものではなく、地域の人にとって重要な場所。そういった印象を強く感じだ。
今度は温泉込みで、愛する羽田空港第三ターミナルに遊びに行こうと固く誓った筆者なのだった。
羽田エアポートガーデン
所在地:東京都大田区羽田空港2丁目7−1羽田空港第三ターミナル直結
アクセス
京浜急行「羽田空港第3ターミナル駅」2F改札を出て斜め右方向へ
東京モノレール「羽田空港第3ターミナル駅」2F改札を出て直進し斜め左方向へ
公式サイト:羽田エアポートガーデン