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なんてこった!馴染みの「パンナコッタ」は日本オリジナルだった!大阪の隠れた名店で本場イタリアの味

旅人間はらぺこライター

はらぺこライターの旅人間です。大阪府守口市にイタリアンの隠れた名店に出会った。ここは京阪本線の西三荘駅から歩いて約5分の「Binario(ビナリオ)」だ。前回、お得な「ランチセット」を紹介したが、今回はデザートをについて紹介しよう。

<前回の記事>
穴場すぎるイタリアンの隠れた名店!伝説のシェフのランチが1,000円ほどで食べられる

イタリアンレストランBinario(ビナリオ)

同店は「TOMO~NI(トモーニ)」というSDGsへの貢献や地域共生などの取り組む施設の1階にある。ランチは1,000円ほど、ディナーのコースも3,000円代~と料理の質から考えれば、信じられないような料金でご馳走が楽しめる。

なぜ、Binarioが「隠れた名店」なのか?

シェフはイタリア人のサルヴァトーレさん。2024年、すぐれたおイタリアのお菓子やドルチェを提供する店として「マッシモ・アルベリーニ賞」を受賞している。

これはイタリア料理の”伝統的な価値観”を世界に広めた店と高い評価を得ている証で、日本で受賞している店が他にほとんどない。名誉ある賞だ。

驚きはもう一つある。

それは「KIMBO」バリスタの認証だ。KIMBO(キンボ)とは、イタリアのナポリで愛されるコーヒーブランドのこと。ちなみに、エスプレッソはイタリア発祥である。

そんなイタリアでは、美味しいエスプレッソを楽しむために、正しい技術を持つ「バリスタ」の存在が欠かせない。それは長年培われてきたナポリの焙煎技術だけでなく、生豆の品質の見極め、気温や湿度の管理など多岐にわたる。

要するに、「KIMBO」バリスタの認証は、高度な知識、そして指導も認められた証と言えば分かりやすいだろうか。

さて、中身をよく見て欲しい。

ここにはナンバーは「0001」とある。つまり日本で最初に認証されたという証なのだ。ちなみに、この認証を受けているのは現在日本で約4,600店舗あるという。同店はその認証第1号店というわけだ。知れば知るほどスゴイ店なのだ。

私がBinarioを「隠れた名店」と呼ぶ理由は他にもあるが、言い出すとキリがない。シェフと話していると驚きの事実がドンドン湧いてくるからだ。

私からすれば、「こんなスゴイ店が、こんな気軽に入れるなんて!」と驚きでしかない。隠れた名店という言葉では足りないくらいだ。

さて、お目当てのデザートだが…。

イタリアの伝統菓子「パスティッチョット」

同店でデザートを食べる時、特におすすめしたいのは「パスティッチョット」というイタリアの伝統菓子だ。これはシェフが生まれ育った南イタリアのプーリアでは朝食によく食べるのだとか。”お婆ちゃんの味”だと、シェフは優し笑顔を見せてくれた。

KIMBOのエスプレッソと一緒に食べたい一品です。

タルト生地で中にカスタードが入った卵型のミニタルト。ただ一般的なタルトのイメージより柔らかい。見た目はシンプルで味も素朴、ジワッとくる美味しさがあり、余韻がいつまでも残る。

例えて言うなら”記憶の中に住みつく”味わいと表現したい。シェフが毎朝のように食べていたと話してくれたが、口にすると、その意味がよく分かる。

こちらは季節限定「洋梨のタルト」です。

同店のデザートは、甘さがスッと口の中で消化する。世にあるスイーツ専門店の味わいと何だか少し異なる印象だ。シェフに聞くと「砂糖の甘さは残る。自然の甘さは残らない。だからもう一口食べたくなる」という。

なるほど、ソースなどは別として、基本的に料理全般に砂糖や塩は使わないそうだ。このデザートに関しても、調理方法で素材が本来もつ甘みを引き出しているワケだ。

ちなみに、同店のでは「グルテンフリーケーキ」が大半を占める。店内の案内には、1920年カプリ島でアメリカの代表的マフィア「アル・カポネ」からケーキの注文が入ったエピソードが書かれている。

それは「うっかり小麦粉を入れ忘れて焼き上げてしまった」という有名な話、美味しくて体にも優しい”グルテンフリーケーキ”の誕生秘話だ。失敗作から生まれた「幸運のケーキ」の物語、同店では”健康的なスローフード”に重点がおかれている。

なんてこった!と叫びたくなる「パンナコッタ」

さて、同店でこれは絶対に食べた方が良い一品にパンナコッタがある。

その時、シェフに「パンナコッタ食べた事ある?」って聞かれた。「もちろん、ありますよ」と自信をもって答えたが…。私はその質問の意味を全く理解していなかった。

イタリア語で「パンナ」は生クリーム、「コッタ」は焼きを意味するそうだ。要するにパンナコッタとは「焼きクリーム」のこと。日本で食べられる店は少ないという。

<日本のパンナコッタ>

日本で見かけるパンナコッタと言えば、牛乳を使うのが一般的で、ゼラチンでとろみをつけたツルン!とした口当たりの良いデザートだ。

しかし、これは本場のものとは全く異なる。本場イタリアからすると別の食べ物だそう。いわゆる日本でアレンジされた「日本オリジナル」のデザート。私たち日本人が海外で寿司を見て「おいおい!」という感覚に似ているのかもしれない。

<本場イタリアのパンナコッタ>

同店では国内では珍しい本場のパンナコッタが味わえる。シェフに話を聞くと、パンナコッタはゆっくり時間をかけて焼くそうだ。生クリームは48%、マダガスカルのバニラビーンズ、その下にキャラメルが入っている。

ガラス瓶での販売は昨年から始まったという。理由は今までオーブンに入れる際の230度の熱に耐えられる瓶がなかったから。それまでは日本では陶器の器で焼いていたそうだ。瓶のまま食べると、これが最高なのだ。

その味わいは、ハッキリ言って衝撃の一言。砂糖はキャラメルに入っているだけ。しかし、ちゃんと甘いのだ。この甘さは生クリームを焼くと出る甘みだという。なんと優しく、深みのある甘さなのか…。感動する味わいだ。

最後に、同店では食器も全てイタリアから輸入したモノを使っている。少しキズがあっても、その器が持つ物語や 個性を大切にしているのだ。それも含めてイタリアの文化だとシェフは話してくれた。まさに「サステナブル」、持続可能なというSDGsの理念があらゆる場面で見えてくる。

食を通じて真摯に実践する同店だから「マッシモ・アルベリーニ賞」を受賞したのだろう。イタリア料理の”伝統的な価値観”を世界に広めた名店ここにあり。

カフェレストラン ビナリオ

住所:大阪府守口市橋波東之町3-2-38 京阪西三荘スクエア North 1階
電話番号:06-6993-0847
営業時間:11:00~22:00
(土日祝は11:00~21:00)
参考サイト(外部リンク)
地図(外部リンク)

取材協力:カフェレストラン ビナリオ
今回は取材のため料理を提供いただきました。本記事制作にあたってはガイドラインに基づき公平中立に制作しています。

はらぺこライター

旅行好きのライター。各地に伝わる伝説や民話、古くから地元で大切にされているモノを親しみやすく紹介|地元で人気の食堂やレトロな喫茶店巡り|人を笑顔にする珍スポット探し|個性的な旅本を出版するかも…|フォローして頂けたら嬉しいです。毎週金曜にLINEニュースで記事配信もしています。

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