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21日(木)に2冠戦を控えたOPBF東洋太平洋ライト級王者

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
撮影:筆者

 11月21日に、WBOアジアパシフィック王者、保田克也との2冠戦を控えるOPBF東洋太平洋ライト級チャンピオンの宇津木秀。両者はアマチュア時代に東京国体の準決勝で対戦し、保田が勝利を収めている。

 宇津木は言う。

 「僕が平成国際大学1年の時でした。“ザ・サウスポー”といった感じのやりにくい選手です。懐が深いし、パンチもありますね。それを踏まえた上で対策を練り、練習を重ねてきました」

撮影:筆者
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 この夏、宇津木は米国ネバダ州ラスベガスで、WBCスーパーライト級チャンピオンのアルベルト・プエジョとのスパーリングを経験した。同行したワタナベジムのマネージャーによれば、宇津木のいい左フックがヒットするシーンもあったとのことだ。その後、保田戦に向け、日本で103ラウンドのスパーリングを消化した。

写真:ワタナベジム提供
写真:ワタナベジム提供

 23戦全勝10KOのドミニカン、プエジョは、2022年8月20日にWBA同級タイトル空位決定戦で、バティル・アフメドフを2-1の判定で下し、ドミニカ人初のスーパーライト級世界チャンプとなった。が、防衛戦前に禁止薬物の使用が明らかになり、半年間の試合出場停止処分を食らう。無論、タイトルも剥奪された。それでも、今年6月の復帰第2戦でWBC同級のベルトを獲得した。それだけの実力者である。

撮影:筆者
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 宇津木は振り返る。

 「かなり打たれて、まだまだ自分は世界に届かないレベルだな、と感じましたが、そんな彼に左フックをヒット出来たことは収穫です。プエジョという、とてつもなく強いチャンピオンを皮切りに、サウスポー対策を万全にやってきました。1階級上のWBC王者にヒットしたんですから、保田さんにも僕の左フックは当たると思いますね。アメリカ合宿の成果を見せたいです。

撮影:筆者
撮影:筆者

 とにかく自分の距離で戦いますよ。前足を絶対に外側に出し、時計回りの流れは渡しません。それプラス、打ち方、間合い、角度と成長した自分を見せなければ。見る人たちに『宇津木は次に行ける。上を目指せる!』と感じて頂ける内容で勝ちます!」

 2本のベルトを手に再びラスベガスでイスマエル・サラスの指導を受けたい、と結んだ宇津木。21日の後楽園ホールでは、どんな戦いを見せるだろうか。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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