台風11号は、なぜ南下してから北上するブーメランのような進路をとるのか?
沖縄の南へ南下しつつ猛烈な台風となり、今度は北上へ
台風11号は、きょう30日(火)午後3時現在、日本の南海上を西寄りに進んでいて、中心気圧935hPa、最大風速50メートル、最大瞬間風速70メートルの非常に強い勢力となっています。
今後はさらに勢力を強め、あす31日(水)午後3時には中心気圧920hPa、最大風速55メートル、最大瞬間風速75メートルの猛烈な勢力となる予想で、直撃を受ける形の大東島地方では、住家の倒壊も起こり得るような猛烈な風に最大級の警戒が必要です。
そして台風11号は、猛烈な勢力のまま、沖縄の南へ南下し、しばらく動きが遅くなった後、今度は9月2日(金)以降、一転して沖縄方面を北上する予想となっています。
なぜこのようなブーメランのような進路をとるのでしょうか。
なぜ南下し、北上するのか?
タイトル画像をみると、明瞭な眼を持つ台風11号の南側にもう一つ丸みを帯びた雲があり、この雲がきょう30日(火)午前9時、新たな熱帯低気圧となりました。
この新たに発生した熱帯低気圧がポイントで、熱帯低気圧と台風11号が今後近づくために、ともに相互干渉を起こし、台風11号は南西方向へ、新たな熱帯低気圧は北寄りに進む予想です。
この現象は藤原の効果と呼ばれており、2つの台風や熱帯低気圧が近づくと、ともに相互干渉を起こし、複雑な進路をとることで知られています。
なお気象庁の発表によると、新たな熱帯低気圧は、あす31日(水)には台風(12号)へと一時的に発達しますが、その後は勢力の強い台風11号に吸収されるような感じで、あさって9月1日(木)には再び熱帯低気圧に変わる予想です。
そして台風11号が台風(12号)を吸収し、相互干渉がなくなるとともに、台風11号は北上を始める予想です。
週末は沖縄を北上し、週明けには九州を指向か
台風11号は、台風(12号)との相互干渉がなくなるとともに、日本の南海上で勢力を強める太平洋高気圧の西端に沿って、今度はゆっくりと北上を始める予想で、4日(日)には非常に強い勢力で、沖縄付近を北上するでしょう。
その後、週明けの5日(月)から6日(火)にかけて、東シナ海から九州方面を指向する計算が次第に増えてきています。まだ一部の計算には大陸へ進む予想もありますが、こちらはごく一部となっています。
週明けは九州を中心に、西日本でもかなり大きな影響を受けるおそれが強まっていますので、今後も最新情報に十分ご注意ください。