Yahoo!ニュース

GW終盤に雪の降る所も?全国的に高温傾向なのになぜ?

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
天望デッキから見た雪の滑走路(写真:イメージマート)

全国的に高温傾向の中、オホーツク海側は低温傾向に

1か月予報の第1週目の予想気温(気象庁発表をウェザーマップが作成)
1か月予報の第1週目の予想気温(気象庁発表をウェザーマップが作成)

きょう2日(木)、気象庁から発表された1か月予報における第1週目(5月4日~10日)に注目すると、全国的に高温傾向の中、北海道のオホーツク海側だけが低温傾向の予想となっています。GWの終盤にきて、このオホーツク海側では冬に戻ったような寒さとなり、雪の降る所が出てくるかもしれません。

暑い空気と寒気の予想

上空1500メートル付近の暑い空気と寒気の予想(ウェザーマップ)
上空1500メートル付近の暑い空気と寒気の予想(ウェザーマップ)

上図は上空1500メートル付近の暑い空気(晴れれば軽く25度以上まで上がる暖気)と雪が降る可能性のある寒気の予想です。あさって4日(土)から5日(日)は暑い空気が本州付近をスッポリと覆うため、広く25度以上の夏日となるのはもちろん、30度以上の真夏日となる所もあるでしょう。

その一方で、オホーツク海方面には雪を降らせる可能性のある寒気が居座っていて、週末から週明けにかけて、断続的にオホーツク海側に流れ込んでくるでしょう。オホーツク海の海面水温はまだ5度以下で、さらに寒気も流れ込んでくるということで、オホーツク海側だけは来週にかけて低温傾向となり、雪のちらつく日があるかもしれません。

オホーツク海側では雪の降る日も?

天気と予想気温(ウェザーマップ)
天気と予想気温(ウェザーマップ)

上図は稚内から網走にかけてのオホーツク海側の予報です。あす3日(金)はまだ暖気が優勢で15度から20度近くまで上がりますが、寒気の流れ込むあさって4日(土)は、10度に届かない所が多くなり、一気に寒くなるでしょう。

GW最終日の6日(月)頃からは一段と寒くなり、冷たい雨が降ったり止んだりで、雄武や紋別などを中心に、雪の交じるような日もある予想です。本州付近の暑さとは打って変わって真冬のような寒さとなりますので、もし本州付近からお出かけの方は、服装などにご注意ください。

ちなみにオホーツク海側の5月に入ってからGW頃の雪は特に珍しくはなく、網走に関していえば、みぞれを観測することは毎年のようにあり、近年では2013年5月3日に2センチの雪が積もり、1977年5月3日には20センチの積雪を記録したこともあります。

本州付近は真夏日も

天気と予想最高気温(ウェザーマップ)
天気と予想最高気温(ウェザーマップ)

本州付近は暖気優勢で、GW終盤は再び暑くなるでしょう。

4日(土)から5日(日)にかけて暑さがピークとなり、海風の届きづらい内陸では30度以上の真夏日が続出する可能性があります。この時期に真夏日となれば、最小湿度は30%前後まで下がるため、カラッとした暑さではありますが、日差しの強さはすでに真夏並みです。特に炎天下での行動は、熱中症にご注意ください。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

杉江勇次の最近の記事