【なぜ日本のアニメ・特撮ヒーローは我が道を突き進んだのか】仮面ライダーとプリキュアの強さの源とは?
みなさま、こんにちは!
文学博士の二重作昌満(ふたえさく まさみつ)です。
特撮を活用した観光「特撮ツーリズム」の博士論文を執筆し、「博士号(文学)」を授与された後、国内の学術学会や国際会議にて、日々活動をさせて頂いております。
2024年。新年を迎えました。
皆さま、あけましておめでとうございます。
今年が皆さまにとって、満天の星のような輝ける1年となりますよう、心よりお祈りしております。
さて、今回のテーマは「道」です。
新年を迎えるにあたって、2024年の目標を立てたという方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
ひとくちに「道」といっても、その表現は実に様々。
寄り道、脇道、回り道、しかしそれらも全て道。
実はこの「道」という言葉、我が国が誇るアニメや特撮ヒーロー番組といったサブカルチャーにおいても非常に重要な要素として機能してきました。
5色の色とりどりのヒーローが活躍する、東映制作の特撮ヒーロー番組「スーパー戦隊シリーズ」では、「道(タオ)」を主題歌に、激しい戦いを通じて修行の道を歩み続けた者達がいたほか・・・
「女の子だって暴れたい!」というキャッチコピーのもとで誕生した東映アニメーション制作の「プリキュアシリーズ」においても、自らが志す「道」を模索しながら、悪の組織との戦いに身を投じた者がいました。
そこで本記事では、東映制作の仮面ライダーシリーズ、東映アニメーション制作のプリキュアシリーズに焦点を当て、戦いの「道」へと身を投じた2人のヒーローをご紹介します。
※本記事は「私、ヒーローものにくわしくないわ」という皆様にも気軽に読んで頂けますよう、概要的にお話をして参ります。お好きなものを片手に、ゆっくり本記事をお楽しみ頂けますと幸いです。
また本記事における各原作者の表記ですが、敬意を表し「先生」という呼称で統一をしております。本記事を通じてはじめてアニメ・特撮ヒーロー番組に触れる方もいらっしゃいますので、ご配慮を頂けますと幸いです。
【電撃!稲妻!熱風!!】命をかけて誇りを守る!ドラゴン・ロードを突き進む真紅の10号ライダー!仮面ライダーゼクロスとは?
さて、当章では仮面ライダーシリーズにおいて、「竜の道(ドラゴン・ロード)」を突き進んだヒーローである、仮面ライダーZX(ゼクロス)をご紹介します。
・・・とその前に、少しだけ仮面ライダーシリーズについてご紹介をさせてください。
仮面ライダーは、漫画家・石ノ森章太郎先生の原作で生み出された特撮ヒーローのことです。1971年にシリーズ第1作『仮面ライダー(1971)』の放送が開始され、主人公が悪の秘密結社ショッカーによって改造手術を施されて、バッタの能力を持った大自然の使者・仮面ライダーとなり、毎週ショッカーが送り込む恐ろしい怪人と戦う物語が展開されました。
その結果、『仮面ライダー(1971)』は国内で社会現象的な大ヒットを巻き起こすことになりました。その後、次回作『仮面ライダーV3(1973)』や『仮面ライダーBLACK RX(1988)』等の昭和の仮面ライダーシリーズを経て、『仮面ライダークウガ(2000)』から『仮面ライダージオウ(2019)』までの平成仮面ライダーシリーズ等、世代を跨ぎながらテレビシリーズは継続され、現在は『仮面ライダーガッチャード(2023)』が放送されています。
このように、仮面ライダーシリーズは約53年の歴史を有している国民的ヒーロー番組と呼んでも過言でなく、「毎週日曜日の朝は、仮面ライダーが放送されている」という放送状況も実に約24年に至ります。
しかしながら、今でこそ毎年新作が放送されている仮面ライダーも、決して順風満帆にシリーズを続けてきたわけではありません。長くテレビ放送を休止していた時期もあったのです。
ことの発端は1975年。1971年から放送を続けてきた仮面ライダーシリーズ(『仮面ライダー(1971)』から『仮面ライダーストロンガー(1975)』までの5作品)は一旦の終わりを迎えることになりました。
実はこの年、ライバル番組であるウルトラマンシリーズをはじめ、次々に我が国の特撮ヒーロー番組が放送を終了する事態へと陥った年でした。この背景には、巨大ロボットアニメの台頭や、後に発生するスーパーカー・ブーム等、子どもたちの興味の対象が次々に変化していったことや、オイルショックによる番組の制作費の高騰など、特撮ヒーロー番組の放送が困難となる国内情勢だったのです。
しかし一度はシリーズを休止した仮面ライダーも、徐々に復活の兆しが見られるようになります。それは、1970年代後半より我が国で発生した「リバイバルブーム」と呼ばれる、過去に放映された漫画やアニメ作品等に着目したムーブメントの発生でした。
手塚治虫先生原作の『鉄腕アトム(1952)』や、横山光輝先生原作の『鉄人28号(1956)』などの漫画・アニメ作品のほか、円谷プロ制作のウルトラマンシリーズや宣弘社制作の『月光仮面(1958)』等の特撮ヒーロー番組・・・
大人(青年層)になった当時の子ども達が、自分達が幼少期に大好きだった作品を見つめ直す当ブーム。なぜ今更発生したか(こういうと語弊がありますが・・・)というと、その一因には、家庭用ビデオデッキの普及が挙げられます。
過去に放映されたアニメや特撮ヒーロー番組がビデオ化されたことで、家庭内で好きな時間帯に好きな作品を視聴できる環境が整ったことも「リバイバルブーム」を発生させる一因となりました。
このリバイバルブーム発生を機に、仮面ライダーシリーズは再開します。その口火を切ったのは、1979年放送の『仮面ライダー(スカイライダー)』でした。
仮面ライダーと悪の組織(ネオショッカー)の戦いの物語として展開された本作、前作『仮面ライダー(1971)』の作風は踏襲しつつも、仮面ライダーが飛行能力を有していたり、かつて仮面ライダー1号、2号が壊滅させた悪の秘密結社ショッカーの残党から結成されたネオショッカーの登場等、新たな試みも行なわれました。
その後、東映は次回作『仮面ライダースーパー1』を1980年に放送します。惑星開発用改造人間として誕生した仮面ライダースーパー1が、秘拳・赤心少林拳の修行を積みながら暗黒国家ドグマ(ドグマ王国)と戦う物語でした。
しかし、先述した『仮面ライダー(1979)』、『仮面ライダースーパー1(1980)』で仮面ライダーシリーズは、約2年で再びテレビ放送をお休みすることになります。かつての『仮面ライダー(1971)』シリーズは約5年間放送を継続できたのと比較して、少し短期間ではありますが、これも移り行く時代の定めなのか・・・。
ところが、このリバイバルブームがかつての子ども達(青年層)によって支えられたように、仮面ライダーシリーズが大好きなファンの情熱が届き、東映と本シリーズの原作者である石ノ森章太郎先生は、『仮面ライダー(1971)』から『仮面ライダースーパー1(1980)』に登場した9人の仮面ライダーに続く、10番目の仮面ライダーの創作に着手します。
その仮面ライダー第10号こそ、仮面ライダーゼクロスでした。
彼が誕生する契機となったのは、1981年11月に青年層のファンを中心に開催されたイベント「仮面ライダー復活祭」。催事内容は過去の仮面ライダーシリーズの上映会と、出演者・スタッフとの交流会という、仮面ライダーシリーズを放映当時に観て育った大人達のための、いわば「ファンの集い」でした。
当イベントにおいて「仮面ライダーを終わらせないでくれ!!」という熱烈なファンの声を受けた石ノ森章太郎先生が、「10号ライダーの立ち上げ」を宣言したことにより、仮面ライダーゼクロスの誕生に繋がります。
「じゃあさ、作っちゃおうか。10号ライダー!!たとえテレビにならなくったっていいじゃない。ライダーは君たちの中にあるんだから。」(石ノ森章太郎先生)
その結果、仮面ライダーゼクロスはデビューする運びとなりますが、その初登場はなんと雑誌(テレビマガジン)でした。1982年に仮面ライダーゼクロスのデザインが発表された後、誌面展開としてゼクロスと悪の組織『バダン』との戦いが毎月掲載されることとなります。
やがてそんなゼクロスにも、先輩の仮面ライダー達と同様にテレビ放送の機運が巡ることになり、彼を主役としたテレビ番組『10号誕生!仮面ライダー全員集合!!』が1984年1月3日にお正月特番として放映されました。
なんと、仮面ライダーゼクロスの主演作はこの1作品のみ。約1年間(もしくは半年)のテレビ放送で主役を務めてきた先輩仮面ライダーに比べて、極めて短い活躍だったのですが、彼は決して不遇なのでなく、その後雑誌デビューという異色の経歴を生かした新境地へと足を踏み入れることになります。
そのひとつは、漫画展開でした。2001年から本年にかけて掲載されている、村枝賢一先生の仮面ライダーシリーズの漫画『仮面ライダーSPIRITS』にて、ゼクロスは主人公を約20年に渡り務めています。本作は1号からゼクロスまでの10人の仮面ライダーが、悪の秘密結社「バダン」との激しい戦いの道(ドラゴン・ロード)へと身を投じていく物語ー。まさにかつてのゼクロスの物語の漫画化だったのです。
さらにその後の仮面ライダーシリーズにおいても、後輩の仮面ライダーの危機に駆けつける頼もしい大先輩としての一面も発揮することになります。
ある時は11番目の仮面ライダーの戦いをサポートし、他にもシリーズ共通の敵である悪の組織「ショッカー」が再編成される度、ゼクロスは駆けつけました。さらに、ゼクロスの宿敵である悪の秘密結社「バダン」が復活した際も、彼は敵を欺く作戦を立案し、歴代仮面ライダーを巻き込んだ戦いを率先する立場として活動する等、大きな存在感を発揮し続けてきました。
近年の活躍でも、新たな仮面ライダー達を指揮するリーダーとして大活躍したゼクロス。
2024年1月3日でテレビ放送40周年を迎えた彼は、これからも険しい戦いの道(ドラゴン・ロード)を突き進んでいくことでしょう。
【寄り道!脇道!回り道!しかしそれらも全て道!】しんしんと降り積もる清き心。キュアビューティーが選んだ「道」とは?
ここからの章は、東映アニメーション制作のプリキュアシリーズに焦点を当て、「道」に縁のある青きプリキュア、キュアビューティを特集します。お話に入る前に、少しだけプリキュアシリーズについてご紹介させてください。
プリキュアシリーズは、東堂いづみ先生の原作で2004年に放送が開始された東映アニメーション制作の『ふたりはプリキュア』を起点とするアニメシリーズ。
『ふたりはプリキュア』は、ベローネ学院(中学校)のラクロス部のキャプテンでスポーツ万能な女の子、美墨なぎさ(キュアブラック)と、成績トップで科学部部長の優等生、「うんちく女王」の雪城ほのか(キュアホワイト)がタッグを組み、伝説の戦士・プリキュアとなってドツクゾーン(敵組織)と戦う物語。
「女の子だって暴れたい!」というキャッチコピーのもとで誕生した『ふたりはプリキュア』は大ヒットを記録し、『ふたりはプリキュア Max Heart (2005)』や『ふたりはプリキュア Splash Star(2006)』と派生作品が次々に放送され、以降も『Yes!プリキュア5 (2007)』、『スマイル!プリキュア(2012)』、『ヒーリングっどプリキュア(2020)』と世代を跨ぎながらシリーズ化されるようになりました。現在はシリーズ第20作『ひろがるスカイ!プリキュア(2023)』が放送中であるほか、第21作『わんだふるぷりきゅあ(2024)』の放送も予定されています。
そんな約20年にも渡る長い歴史を有したプリキュアシリーズにおいて、今回ご紹介するのは、プリキュアシリーズ第9作目『スマイルプリキュア!(2012)』。
本作は、「七色ヶ丘中学校」に通う5人の中学2年生の少女達が「伝説の戦士プリキュア」となって、世界をバッドエンドに染め上げようとする「バッドエンド王国」から地球を守る物語。
『スマイルプリキュア!』が放送されたのは、2012年から約1年間。ご存知のとおり、東日本大震災が発生した翌年であり、日本が辛く悲しい出来事に向き合い、前を向いて戦い続けていた時代でした。
そんな時代背景の中で誕生した本作は、ひとことで言えば「希望に溢れたウルトラハッピーな物語」だと思います。毎週放送が楽しみになるような明るく楽しい作風、個性豊かな5人のプリキュア達と、彼女達を支える妖精達、悪役だけれども憎めない「おとぎ話」をモチーフにした「バッドエンド王国」の幹部達(赤鬼、オオカミ、魔女)、そしてプリキュアと悪役達が織りなすバラエティ溢れた多種多様な内容・・・。
敵の発明品によって、プリキュアが小さくなったり、子どもになったり、透明人間になったり、ロボットにされたり、敵味方一緒にゲームをしたり・・・
私達大人も童心に還って、肩の力を抜いて安心して観られるような自由な作風であり、大好きな絵本のように何度も読み返し(観返したく)たくなるような作品でした。
そんな楽しさいっぱいの『スマイルプリキュア!』ですが、先述したとおり5人のプリキュアが登場します。
絵本が大好きで、元気な明るい女の子であるキュアハッピー(星空みゆき)、バレー部に所属し、熱いハートをもつ大阪出身の少女キュアサニー(日野あかね)、泣き虫だけども芯が強く絵を書くことが得意なキュアピース(黄瀬やよい)、家族思いで姉御肌、まがったことが大嫌いなキュアマーチ(緑川なお)、生徒会の副会長で弓道部所属、知的美人のキュアビューティ(青木れいか)・・・
個性豊かな5人の中で、今回焦点を当てるのは、知的美人のキュアビューティ(青木れいか)。
キュアビューティこと「れいかちゃん(劇中での呼称)」ですが、漢字で書くと「麗華」。名付け親は彼女の祖父で、「花のように麗しく美しい心を持った子になるように」との思いを込めてつけた名前とのこと。
その名のごとく、れいかは知的美人の大和撫子。七色ヶ丘中学校の2年生で、学級委員長及び生徒会副会長(第37話からは会長)も務めています。
祖父は書道家、父は画家、母は合気道の達人という一家に育ち、責任感の強さは人一倍。学年トップの成績を収め、弓道部に所属。友人に対して基本「さん」付けで、語尾に「です」「ます」といった敬語で喋るれいかの性格は、冷静沈着。しかし、育った環境故か世間知らずかつ天然なところがあります。
そんな彼女が好きな言葉は「道」。お部屋に掛け軸を飾るほどお気に入りな言葉のようで、「人の一生は重荷を負うて遠き道を往くがごとし」とプリキュアの仲間達の前で力説するほどでした(「プリキュアの秘密基地をどこにするか?」と仲間達と議論した際、れいかは富士山頂を推して「道」の掛け軸を広げますが、山頂は「寒い」という理由で却下)。
そんなれいかですが、本作に登場する5人のプリキュアの中で、一番最後に覚醒したプリキュアでした。子ども達の前で生徒会による人形劇を披露していた際、敵の襲撃を機に、水や氷の技を得意とする5番目のプリキュア、キュアビューティとなりました。
このキュアビューティ、5人の中でもなかなかの猛者。敵の罠で4人が戦闘不能になった際も、その知性と戦闘力で幾度も不利な戦況をひっくり返した強い戦士でした。
彼女が所属している「スマイルプリキュア」は、実はひとりひとりが幹部クラスの敵を退治できるほどの潜在能力を秘めていますが、中でもキュアビューティの力は凄まじく、他のプリキュア達も「ビューティ・・・凄い」と呆然させる程だったのです。
そんなキュアビューティが激しく火花を散らした敵は、「ジョーカー」と呼ばれるバッドエンド王国の四幹部のひとりでした。ピエロのような風貌、表向きは常識人を気取るも腹の底は見えず、舌をなめ回して不気味に笑うなど、正に「ジョーカー」という名にふさわしい悪役でした。
さらにこのジョーカー、四幹部の中でも別格な存在。首領である皇帝ピエーロに忠実であり、他の三幹部に指示を出す中間管理職的な役割を担っていました。さらにこの三幹部はもともと悪党ではなく、メルヘンランドと呼ばれるおとぎ話の世界からやってきた住人であり、彼らが他者に虐げられてきた存在であることを利用し、ジョーカーがこの3人を言葉巧みに誘導して「バッドエンド王国」の幹部にしてしまったのです(前記事にて三幹部のひとり、アカオーニを特集していますので、宜しければご覧ください)。
そんな悪知恵の働く不気味な強者であったジョーカーと、キュアビューティは何度もぶつかりました。
「キミ、面白いなぁ・・・」(ジョーカー)
他の三幹部と比較して、とりわけジョーカーが長けていたのは、心理戦でした。敵の心の隙を突き、敵の悩み苦しむ姿を嘲笑するという、極めて陰湿な戦略を得意としていました。
そこでジョーカー、れいかが英国への留学に悩んでいることを利用します。れいかが留学の選抜メンバーに選ばれたことで、かけがえのないプリキュアの仲間達と離ればなれになることに苦悩している、という彼女の心の隙をついてきたのです。
ジョーカーはキュアビューティを自分がつくり出した空間の中へ閉じ込め、他の4人から引き離すことで精神的に揺さぶりをかけ、変身を強制的に解除させることに成功します。
しかし、どん底にいたれいかを救ったのはプリキュアの仲間達でした。れいかを追ってジョーカーの空間に飛び込んだプリキュアの仲間達が、れいかと別れたくないという気持ちを告白したことで、れいか自身も本音を泣きじゃくりながらさらけ出します。
「私も・・・行きたくない・・・。私も・・・行きたくないです。私も、行きたくないっ!!もっとみんなと一緒にいたい!!みんなと別れて離ればなれなんて、そんな・・・そんなのやだぁ!!」(れいか)
普段は冷静沈着かつ敬語を使う彼女がここまで感情をかき乱したのはこれがはじめてで、皆で泣きじゃくる5人を嘲笑するジョーカーにれいかは怒りを爆発させます。れいかはキュアビューティに変身し、自身が得意とする剣術と弓術でジョーカーと対峙します。
「私の名前は青木れいか・・・またの名を、キュアビューティ!・・・参ります。」(れいか/キュアビューティ)
「なぜ再び戦うのです?まわりの期待に応えて、大人しく留学すべきでしょう!」(ジョーカー)
「それはあなたの考え!私の答えじゃない!」(れいか/キュアビューティ)
「夢を捨て、人を裏切るというのですか?あなたらしくもない!道を見失いましたか?」(ジョーカー)
「いいえ!見つけたのです!寄り道!脇道!まわり道!しかしそれらも全て道!」(れいか/キュアビューティ)
激しい戦闘の末、単身ジョーカーを徹底的に追い詰めていくキュアビューティ。上空で制止するジョーカーに弓を構えます。
「私の歩く私の道。私が決める私だけの道。たとえそれが・・・遠回りだとしても。これは・・・嘘偽りのない、私の思い。私のわがまま。私の道です!」(れいか/キュアビューティ)
強い一撃を食らいひるむジョーカー。最後は5人全員で力を合わせてジョーカーを浄化寸前まで追い込みますが、ジョーカーは逃げ出してしまうのでした。
プリキュア5人の絆を再認識したれいかは、その後留学を断念し、みんなと一緒にいることを決意します。
「私は、ここにいたいんです。皆さんと一緒にいられる今を、大切にしたいんです。」(れいか)
ーそれが、れいかの選んだ「道」でした。
「私の名前は青木れいか。目指す未来へ向かって、大切な友達と歩み続ける。それが私の・・・道です。」(れいか)
その後、スマイルプリキュアは悪の皇帝ピエーロに最終決戦を挑み、彼を浄化することでバッドエンド王国を壊滅させることに成功します。皇帝ピエーロが浄化されたことに伴い、彼に心酔し、ピエーロと一体化していたジョーカーも姿を消したのでした。
いかがでしたか?
今回は、東映制作の仮面ライダーシリーズ、東映アニメーション制作のプリキュアシリーズに焦点を当て、「道」に縁がある2人のヒーローをご紹介しました。
「僕の前に道はない、僕の後ろに道は出来る」(高村光太郎『道程』より)
新たな時代を迎えた2024年。
日本であまりにも悲しい出来事が起きてしまいました。
「時代が望む時、仮面ライダーは必ず甦るー」(石ノ森章太郎先生)
暗いニュースに意気消沈する日々が続いても、それでも必ず新しい明日がきます。
私達が暮らす日本という国で誕生した数多のヒーロー達は、いつの時代も、その瞬間を懸命に生きる人々の心にずっと寄り添い続けてきました。
目の前に拡がる新たな道を、少しずつ、少しずつ一緒に駆け抜けられるようにー。
私も自分にできることはなにか、己と向き合い、前へ進んで参りたいと思います。
最後までご覧頂き、誠にありがとうございました。
(参考文献)
・小田克己、『仮面ライダーをつくった男たち1971・2011』、講談社、
・菅谷洋也、『講談社シリーズMOOK 仮面ライダーOfficial Mook 仮面ライダー昭和 Vol.9 仮面ライダーZX』、講談社
・二之宮隆(双葉社)、『メタルヒーロー最強戦士列伝』、双葉社
・二之宮隆(双葉社)、『仮面ライダー昭和最強伝説』、双葉社
・宮昌太朗・津久田重吾、『プリキュア20周年キャラクターブック』、株式会社一迅社