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難しい冬ゴルフを攻略!おすすめ防寒グッズとスコアを崩さないための注意点

野洲明ゴルフ活動家

一年で最も気温が下がり寒くなるのが、1月下旬から2月上旬にかけて。総務省統計局が発表している都道府県別のデータを参考に、平成3年から令和2年の1月と2月の日本全国47都道府県の、平均気温の平均を算出すると、1月が4.5度、2月が5.2度となった。

これは、日中の温かい時間帯の気温も入れての値。氷点下になっている地域や時間帯が多いことがうかがえる。

これだけ気温が下がる冬は、「寒さが辛い」「コースコンディションが難しくなり良いスコアが期待できないから面白くない」などという理由で、ゴルフをお休みするゴルファーは少なくないが、くふう次第で寒さをしのぎ、難しくなるコースコンディションに対応できる。

冬ゴルフを楽しむためにおすすめの防寒グッズとテクニックを紹介する。

防寒グッズ

防寒はマスト

極寒の中でのプレーを強いられる場合があるのが、真冬のゴルフ。寒くなるほど、体を動かしにくくなるだけでなく、手がかじかんでフィーリングが出しにくくなってしまう。

寒さによるマイナスの影響を抑えるためには、防寒グッズの使用がマストだ。今回はカイロと防寒グローブの使用をおすすめしたい。

貼るカイロ

貼るカイロ
貼るカイロ

以下の、首、腹、腰、上腕、大腿それぞれを局所的に温めた研究結果の発表にもあるように、カイロのようなものでも、首や腰に貼ることで全身を温める効果があるようだ。

特に首,腰加温時に温度上昇が大きくなることが認められた.従って,カイロのようなごく小さな面積の局所加温においても,適切な加温部位を選択し,適切な着装条件であれば,全身への効果が得られることが示唆された.
引用:佐藤有希、藤村明子、大野静枝 カイロ型試作加温装置による体幹・四肢部加温の効果と着装条件の影響

さらに、カイロ「どんと」を製造しているKINCHOの公式サイトには、カイロを貼る部位についてこうある。

全身を温めるには、太い血管がある足首のくるぶし周辺を温めるとよいようです。内くるぶしの後ろ、アキレス腱との間のくぼみには「太谿(たいけい)」という冷えによいと言われるツボもあります。
引用:使い捨てカイロ 温まる仕組み/効果的な使い方

厚着するとスイングをしにくくなる場合がある。首、腰、足首にカイロを貼ってもスイングの邪魔にはあまりならないはず。カイロを使ってウェアを一枚でも少なくし、スムーズなスイングを目指そう。

防寒グローブ

防寒グローブ
防寒グローブ

体とゴルフクラブが唯一接している手がかじかむと、思うようなフィーリングを出すことができない。その対策として、防寒グローブの使用が有効だ。

さらに、手を温めることはリラックスしやすくなるという研究結果も報告されている。技術的にもメンタル的にも有効であれば、使わない手はないかもしれない。

心理的測定については“弛緩状態”“緊張関連”“積極志向性”“不安関連”“無力感・倦怠感”などの指標が優位に改善した。このことから,温水で手を温めることによる身心へのリラクセーション効果がもたらされたと言える。
引用:馮晶 手を温めることによるリラクセーション効果の研究

防寒グローブは、ショットする時だけ外して、それ以外の時間はつけておくもの。ショットごとの着脱が面倒な人は、グローブをしていない方の手(右手)だけでも良い。効果が期待できるので、試してみて欲しい。

薄い芝の対策

冬のグリーン周り

冬の時期は芝の生育が停止するため、芝が薄いライが増える。芝が薄ければボールの下のスペースが小さく“土の上にボールが乗っている状態”に近くなってしまうため、ミスヒットしやすくなる。芝が濃いライに比べて、よりクリーンヒットが求められるのだ。

広大なゴルフ場の中でも、グリーン周りは特に芝が薄くなりやすい。グリーンから離れている地点では様々な地点に散らばっているプレーヤーが、グリーンが近づくにつれて同じ地点に集まる。同じエリアの芝を踏み、同じエリアからショットをすることが増える。踏まれ、削られた箇所は暖かい時季のように再生しない。よって、寒い時季は、薄い芝からのアプローチショットを強いられやすくなる。

芝が濃ければ、多少ボールの手前にクラブヘッドが落ちても、ソールがすべり、ある程度はボールに力が伝わる。だが、芝が薄ければ、少しでもダフると、ソールがすべらずに土にクラブヘッドが刺さりボールに力が伝わらず、ボテッとあまりボールが飛ばないショットになってしまう。かといって、ダフりを回避しようとしすぎると今度はトップになり、グリーンの反対側まで飛んでしまったりする。

薄い芝からのアプローチショットの仕方

クリーンに打つための対策としては、一般的には、ボール位置を右足寄りにする、アドレスからフィニッシュまで左足に体重をかける割合を増やす、などの策が提唱されている。ただ、これらは有効な部分がある一方で、スムーズに体を回しにくくなるなどのデメリットがある。

薄い芝からは、ランニングアプローチをおすすめしたい。最もオーソドックスなアプローチショットはウェッジである程度ボールを上げるものだが、8番アイアンを使い、ボールをあまり上げずに、転がす距離を大きくするのだ。

打ち方は変えずにクラブと振り幅だけを変える。グリーンコンディションによって異なるが、ピンまで20ヤードであれば、5ヤードキャリーで15ヤードラン、といった感じのイメージになる。

おすすめする理由は2つある。

1つ目は、スイングの振り幅が小さくて済む、という点。8番アイアンで5ヤードしか飛ばさないのだから、とても小さい振り幅になる。振り幅は小さいほど、ミスヒットのリスクを抑えることができる。

例えば、ウェッジでボールを適度に上げて寄せていく場合、ピンまで20ヤードであれば10ヤード以上のキャリーが必要になる。ウェッジで10ヤード飛ばすのと、8番アイアンで5ヤード飛ばすのとでは、どちらの方がミスヒットする確率を下げられるだろうか。多くのゴルファーが練習しているのは前者なので、一概には言えない部分があるが、理論的には“より小さい振り幅で軽くと打つだけ”の後者だろう。

2つ目は、トップしても飛ぶ距離があまり変わらない、という点。振り幅が大きめになるウェッジでトップすると、大きくオーバーするが、振り幅が小さいランニングアプローチでは、トップしてもオーバーしない。

グリーン上を転がる距離が長くなる分、グリーンの傾斜をより正確に読む必要が出てくるが、“大きなミスを減らしてソコソコの結果を出す”ことを目的にした場合、ランニングアプローチの活用は有効だ。

ランニングアプローチのイメージ
ランニングアプローチのイメージ

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グリーンが凍る

真冬のグリーンは凍る場合がある。その場合、グリーンにキャリーするショットを打つと、大きくはねて大オーバーしてしまい「良いショットを打ったのにトラブルになり大たたき」などとなりかねない。

グリーンが凍っている(かもしれない)場合は、シンプルに、勇気をもって手前から攻めたい。例えば7番アイアンで140ヤード飛ぶ場合、グリーンが凍っていれば、9番アイアンを選択する。バンカー越えなどの場合は、バンカーがない方向を狙う。

仮にショートしてしまっても、次はグリーン手前からのアプローチになり、比較的易しいアプローチショットになりやすい。

冬ならではの楽しさがある

薄い芝からのショットや、どの程度手前から攻めるべきかといったコースマネージメントなど、冬ゴルフには冬ならでは学びがある。

また、厳しい寒さが好きな人はあまりいないだろうが、冬のゴルフ場ではプレーヤーたちは「さむ~い」と言いながら皆笑顔。なんだか楽しそうだ。

防寒対策や、冬のコースの特徴の整理など、準備を万端にして冬ゴルフに挑んでいきたい。そして、その準備も楽しみたい。ゴルフは大人の遠足なのだから。

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ゴルフ活動家

スポーツメディアに寄稿、ゴルフ情報サイトも運営する。多くのゴルファーを見てきた経験や科学的根拠をもとに、論理的なハウツー系記事などを中心に執筆。ゴルフリテラシーを高める情報を発信している。ラジオドラマ脚本執筆歴もあり。

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