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第2戦の先発投手に菊池雄星を起用しないのは正解なのか。アストロズは敗れるとポストシーズン敗退

宇根夏樹ベースボール・ライター
ハンター・ブラウン(ヒューストン・アストロズ)Sep 11, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 10月1日、ヒューストン・アストロズは、ワイルドカード・シリーズの第1戦を落とした。1対3でデトロイト・タイガースに敗れた。

 10月2日に行われる第2戦にも敗れると、アストロズのポストシーズンは、そこで終了となる。第2戦の先発マウンドには、ハンター・ブラウンが上がる。菊池雄星は、第3戦があった場合の先発投手だ。あるいは、第2戦にリリーフとして投げる可能性もある。

 ブラウンは、26歳の右投手だ。今シーズンは、メジャーリーグ3年目。2019年のドラフトで、アストロズに5巡目・全体166位指名を受けた。

 レギュラーシーズン最後の登板は、菊池が9月25日、ブラウンは23日だ。2人とも、登板間隔は十分に空いている。

 菊池は、夏のトレードでトロント・ブルージェイズから移籍後、先発10登板で60.0イニングを投げ、奪三振率11.40と与四球率2.10、防御率2.70を記録した。一方、菊池の加入後、ブラウンは、9登板の54.0イニングで奪三振率8.83と与四球率2.67、防御率2.17だ。防御率を比べると、ブラウンのほうが低い。

 9月の各4登板は、菊池が防御率2.88、ブラウンは防御率3.13なので、菊池のほうが少し低いものの、その差は大きくない。

 また、今シーズン、初回の防御率は、菊池が3.94、ブラウンは6.37ながら、直近の10登板に限ると、菊池は初回に点を取られた登板が3度――いずれも被本塁打――あるのに対し、ブラウンの初回失点は1登板だけだ。

 こうして見てくると、第2戦の先発投手は、菊池でもおかしくないが、菊池でなくブラウンであることに違和感はない。むしろ、ブラウンが妥当、と言うべきかもしれない。

 ちなみに、2017年以降、アストロズはポストシーズン進出を逃したことはなく、過去7年(2017~23年)は、最初のシリーズで敗退も皆無だ。少なくとも、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズまで進んでいる。

 アストロズの相手であるタイガースについては、こちらで書いた。

「タイガースは第1戦にリリーフ登板の投手を「中0日」で先発マウンドへ。連勝なら次のシリーズ進出」

 これまでのワイルドカード・シリーズの結果については、こちら。

「黒星発進からワイルドカード・シリーズを勝ち上がったチームはあるのか。パドレスは3対0とリード中」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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