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渋野日向子が台湾開催の米女子ゴルフツアーに参戦する意味。日本と米国の優勝ポイント差は3倍もある!?

金明昱スポーツライター
10月31日から台湾で開催される米ツアーに推薦出場する渋野日向子(写真:REX/アフロ)

 渋野日向子のマネジメント事務所が7日に発表したのは、米女子ツアーの「スウィンギングスカートLPGA台湾選手権」に推薦で出場するというもの。

 渋野は同事務所を通じて、「この度、スウィンギングスカートLPGA台湾選手権より推薦を頂き、とても嬉しく思います。2回目のアメリカツアー参戦ですが、試合に出場するからには、良い結果を残せるように精一杯頑張ってきます。日本の皆様に良い報告ができるように頑張りますので、応援して頂けると嬉しいです」とコメントを発表している。

 渋野の米ツアー出場は8月の「AIG全英女子オープン」以来2度目となるが、同週の日本ツアーを辞退して、米ツアー出場を決めたのには、大きな理由がある。

 渋野は現在、日本ツアーの賞金ランキングで2位につけている。

 初の賞金女王も狙える位置にいるが、同週の日本ツアーを休んで米ツアー参戦を決めたのは、東京五輪に出場するためだ。

 東京五輪の代表は世界ランキングに基づいて算出される五輪ランキングで決まる。

 来年6月末に決まるのだが、渋野としてはそれまでに世界ランキングを一つでもあげておきたい。

 渋野の9月30日付の世界ランキングは11位。日本選手では6位の畑岡奈紗に次いで、2番目につけている。

 このまま2人の五輪出場といきたいところだが、渋野場合、国内ツアーの出場だけだと都合が悪い。

 それは日本ツアーの世界ランキングのポイントが、米ツアーに比べて極端に低いからだ。

 今年の米女子ツアー優勝者の平均獲得ポイントは約59。日本女子ツアーは約18と3倍近くも差がある。

 つまり、日本ツアーよりも米ツアーのほうが世界ランキングに反映されるポイントが高いため、台湾での試合出場を決めたわけだ。

 もちろん好成績を残せば、もちろん代表争いに有利になる。

 日本での賞金女王争いに加え、五輪出場も決めたい渋野の悩みや覚悟がここに見え隠れするが、自分を見失うことなくゴルフを続けていれば、おのずとその結果は見えてくるだろう。

スポーツライター

1977年7月27日生。大阪府出身の在日コリアン3世。朝鮮新報記者時代に社会、スポーツ、平壌での取材など幅広い分野で執筆。その後、編プロなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めたあと、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。11年からは女子プロゴルフトーナメントの取材も開始し、日韓の女子プロと親交を深める。現在はJリーグ、ACL、代表戦と女子ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。

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