幸運な天候の巡り合わせが生んだ、"傑出"したビンテージ 2022年のボジョレー・ヌーボー
いよいよ17日(木)午前0時、ボジョレー・ヌーボーが解禁されます。
今年は紛争・円安・原油高のトリプル打撃で、大幅な値上がりが発表されていますが、ワインの出来については、次のような明るい声が次々と届いています。
“喜びを与える味。グレートビンテージだった2009年、2015年、2018年と2020年と似ている、特別なワイン” (ボジョレーワイン委員会)
“質・量ともに豊かで、傑出したビンテージ” (Enoteca Online)
ボジョレー・ヌーボーといえば、いつも前向きなキャッチコピーで有名ですが、実際、今年の天候を振り返ってみても、美味しいブドウができないわけがないような、そんなラッキーな要素が連続して起きていました。
幸運続きの天候
いったい、フランスは今年どんな天候だったのでしょうか。
【1月~3月】
たびたびの寒波に襲われる。おかげでブドウの生育が遅れる。
【4月】
寒の戻りで広範に霜が降りる。しかし生育が遅かった分、萌芽も遅く、大部分が霜害を免れた。
【5月】
観測史上もっとも早い熱波に見舞われ、史上もっとも暖かい5月となる。日照量も多く、ブドウの生育が進んだ。
【6月】
フランスの国内最高気温記録となる45.9度が出る。低気圧もたびたび通過し、乾ききった大地が潤ってブドウがよく実った。
【7月】
観測史上2番目に雨の少ない月となり、ブドウに病害が発生しなかった。また記録的な猛暑も続き、糖度の高い、果実味の凝縮した実に成長した。
【8月】
猛暑の影響で、例年より1か月も早い8月中旬からブドウの収穫が行われた。その分、いつもより熟成時間も長くなった。また、収穫直前に雨が降ったことで、当初の予想よりもブドウの収穫量が増えた。
じっくりゆっくりと味わう
記録的な少雨と猛暑で糖度の高い美味しい実がなり、要所要所で恵みの雨が降って枯れなかったという、運にも恵まれた吉いっぱいの年といえます。こうした激しい気象の中で、振り回されながら努力された農家の方々の苦労がひしひしと伝わってきます。
値段は高いですが、味にもかなりの期待がもてそうなので、今年は例年にも増して、じっくりゆっくり味わいたいと思います。
※参考リンク※
"2022 Beaujolais Nouveau – as good as it gets!" (Burgandy Report)