サンタクロースが来ない子どもたちへ:チーム・サンタの皆さんへ
■サンタクロースが来ない子どもたちへ
今年のクリスマス、サンタクロースが来ない家があるかもしれません。
ごめんね。本当にごめん。サンタは、どの子どもにも一人残らずプレゼントを持っていきたいと、心から願っているのですが、間に合わないかもしれません。
どうしてかというと、これはナイショだけれど、サンタには協力者がいます。アメリカの航空宇宙防衛司令部(NORAD)が毎年サンタを追いかけて、世界にサンタ情報を届けているのは、有名だね。
実はその他にも、たくさんの協力者がいます。秘密だから決して話してはくれないけれど、あなたの家族やご近所さんかもしれないし、学校の先生かもしれないし、芸能人や政治家や会社の社長さんかもしれません。
そしてどうやらこの協力者たちの中で、トラブル発生中!のようです。
サンタクロースも、世界のサンタ協力隊(チーム・サンタ)も、問題を解決しようとがんばっています。でも、解決への道は険しい。
ただ忘れてほしくないのは、サンタは君のことが大好きだということです。サンタは、決して君のことを忘れてはいません。
人間の大人たちの問題で、サンタにも心配をかけています。解決は難しけれど、大人たちは、解決へ向かって一歩一歩進んでいます。
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■サンタクロースが来ない子どもたち
サンタが来ない子どもたちがいます。サンタクロースも、お父さんサンタもおかかさんサンタも来なくて、プレゼントもありません。クリスマスだけではなくて、誕生日も、お正月もお年玉もない子どもたちもいます。
この時期にスクールカウンセラーとして子どもと話すときには、楽しい冬休みのことををよく話題に出しますが、ただ子どもによっては傷つけてしまうこともあるので、要注意です。
ほとんどの子には、サンタが来ます。クリスマスツリーを飾り、イルミネーションまである家庭もあります。庭に、サンタのそりの跡がついている家まであります。フィンランドのサンタクロースから手紙が届く子もいます。
ところが、何もない子もいます。他の季節の行事もありません。誕生日が来ても、誰も祝ってはくれません。
必ずしも極貧家庭の子ではないでしょう。100円ケーキ、ヤキトリ1本、折り紙のツリーだって、心温まるクリスマスはできます。
子どもの貧困(相対的貧困)の話をすると、贅沢だという人がいます。他の子が持っているからといって、みんなが新型のゲーム機を持つ必要はないという人もいます。我慢も大切だという人もいます。
けれども、子どもはみんな愛される権利を持っています。子どもは愛されるために生まれて来ました。
「愛」は目に見えませんが、愛は行動で示せます。子どものために、ハグしてくれて、微笑んでくれて、努力してくれる人がいて、クリスマスやお正月や誕生日があって、子どもは愛を実感します。でも、愛を行動で表す余裕のない家庭があります。
子どもたちに贅沢な玩具はいらないかもしれないけれど、愛は届けなくてはなりません。
心理学の研究によれば、愛されている子は他の人にも愛を届けたいと考えます。愛されている子は、チャレンジできます。
親の愛を実感できない子にも、誰かが愛していると伝えるのは、私たちの役割です。サンタクロースは、世界が君を愛していることを伝える象徴なのです。
私たちにも、それぞれの役割があるでしょう。私たちも、サンタクロース協力隊、チーム・サンタの一員なのですから。