寒くなってきた。さあ、NEWな味噌ラーメンで温まろう
王道豚骨をはじめ革新的な醤油・塩ラーメン、さらに横浜家系、G系、スープOFFの台頭など、九州のラーメンシーンにおいても今年多数の新店がお目見えしたが、ジャンル別出店数で圧倒的に少ないのが実は味噌ラーメン。しかしながら、レアな新規味噌出店の成功例である2024年3月オープン「麺屋 金次郎」(福岡市・若宮)などの人気ぶりを見ると、福岡でも味噌ラーメンを潜在的に求めている人はとても多いように感じる。筆者のまわりでも特に寒くなってくると味噌ラーメンを欲する声は格段に増えるが、食べられる店が少ないというのが現状である。
そんな味噌ラーメン好きに朗報。今回は、2024年11月11日に開店したばかりの「麺食堂 みそべえ」(糸島市)を紹介する。
場所は糸島市神在。店前の国道202号は、NHK連続テレビ小説「おむすび」でさらに注目度が増した糸島半島へと最寄りの前原ICから向かう主要道路であり、唐津方面へのアクセスにも使われる。「ドライブイン鳥 糸島店」「牧のうどん加布里本店」「塚本鮮魚店」など糸島グルメの大御所も軒を連ねるエリアにオープンした。この「麺食堂 みそべえ」。看板を見ても分かるように濃厚豚骨で名を馳せる「ラーメン処 西谷家」(参考記事:特濃豚骨派は、福岡西エリア「ラーメン処 西谷家」を目指すべし)の姉妹店である。
2006年創業「ラーメン処 西谷家」は現在、野方本店と前原店の2店舗、さらに系列「元祖糸島ラーメン 銅鑼(どら)」も展開している。店主の富田一憲さん(昭和45年福岡糸島生まれ)は数々の弟子も輩出、直近では博多駅中央街「ラーメン博魂」のプロデュースも行うなど凄腕の職人。多ジャンルのラーメンを作る引き出しをもっているが、特に“味噌ラーメン”は時間をかけ味をブラッシュアップしてきた自信作だと語る。
「ウチらしく“濃厚豚骨をベースにした味噌ラーメン”これが第一の特徴。味噌ラーメンはこれまで銅鑼の限定麺としても出したことはありましたが、さらに濃く、パンチを効かせた博多流の一杯に仕上げています」。
スープの基本は、鶏ガラは一切使わず豚骨1本。濃度を高く、そして脂分は抑えてある。味の要となる味噌ダネは、主に仙台と福岡の味噌をブレンドし程よく焦がしを入れたもの。北海道の味噌ラーメンのようにあおりを入れて熱々ラードがスープに蓋をするようなタイプではなく、手鍋で加熱しながら味噌ダネを豚骨スープに溶かし込む手法。ただし、ボディの豚骨が濃厚、そして味噌が濃いため、かなりのどっしり感、とろみもある。自家製ネギ油、ショウガがいいアクセントに。
厨房奥にある巨大な寸胴で豚骨もガツンと店炊きし、合わせる中太麺ももちもち感のある自家製麺。丼をウォーマーで温め、チャーシューも鉄板で焼く、さらに1杯ずつ丁寧に手鍋仕立てに。味噌と合わせた時にスープが冷めないよう、ひと手間をしっかりとかける。
「味が濃いすぎる場合は割りスープを用意しているのでお申し付けください。味噌ラーメンだけでなく豚骨ラーメン、担々麺も用意しています」と富田さん。
富田さんは糸島市出身であり、現地の肉や野菜、調味料の生産者とも親交が深い。完全メイドイン糸島のラーメンの登場も遠くない日にきそうだ。
冒頭にも述べたが、NHK連続テレビ小説「おむすび」でさらに注目度が増す糸島はまさに今「牡蠣小屋」が旬。牡蠣を堪能し、冬のシーサイドドライブを楽しんだ帰り、味噌ラーメンでほっこりというのもいいだろう。
【麺食堂 みそべえ】
住所:福岡県糸島市神在西1-4-27
電話:なし
営業時間:11:00〜20:30(LO)
休み:なし
席数:25席(カウンター13、テーブル12)
駐車場:共用30台(無料)