米大統領選挙とイランで続く爆発(3)
こうした状況の6月末に、イランで爆発と火災の連鎖が起こった。7月に入っても、連鎖は続いている。『ニューヨーク・タイムズ』紙が、ある中東の国の諜報機関の情報として伝えたところによると、爆発した建物では新型の遠心分離機が組み立てられていた。その四分の三が破壊されたという。 この件に関しては、『祖国のチータ』を名乗る組織がイギリスのBBCのイランのペルシア語放送に対して犯行声明を送り付けた※5。しかもイラン政府が爆発を認める前にである。この組織は体制の中枢に存在する秘密組織だと主張している。 だが、その主張は懐疑の念をもって受け止められている※6。イランの体制内の組織であれば、自ら名乗り出るはずもない。祖国のチータなどの名称も、ピンク・パンサーほどの信ぴょう性を感じさせない。これまでは存在を知られていなかった組織である。さらにネット上で、この組織のロゴ・マークのようなものが確認できるが、専門家によれば、描かれている動物はチータではなく豹であるという。 残念ながら筆者の表情を区別する能力はない※7。
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