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「エムバペ騒動」の決着とマドリディスタが期待する新生レアル・マドリー。

森田泰史スポーツライター
移籍に近づくエムバペ(写真:ロイター/アフロ)

「エムバペ騒動」に、決着が着けられようとしている。

いま、レアル・マドリーに言及するとき、まずはキリアン・エムバペについて語らなければいけないだろう。今季終了時にパリ・サンジェルマンとの契約が満了を迎えるエムバペだが、すでにナセル・アル・ケライフィ会長に退団の意思を伝えたという。

■エムバペとパリの契約

繰り返し述べてきたところではあるが、少し状況を整理したい。

エムバペは2022年夏、パリと契約延長を行った。「2年+1年延長オプション」でサインしたが、この夏、その延長OPを行使しない旨をクラブに通達していた。

それでも、アル・ケライフィ会長は、エムバペと更なる契約延長に、自信をのぞかせていた。年俸7200万ユーロ(手取り3200万ユーロ)を準備できるクラブなど、到底ない。そのように高を括っていたところがある。

抜群の決定力を誇るエムバペ
抜群の決定力を誇るエムバペ写真:ロイター/アフロ

しかしながら、エムバペは移籍を決断した。スペイン『マルカ』や『アス』は、マドリーとエムバペがすでに合意に達したと報じている。

■準備を整えるレアル・マドリー

マドリーはエムバペに対して、年俸1500万ユーロから年俸2000万ユーロを準備。トニ・クロース、ルカ・モドリッチ、ダビド・アラバに並び、マドリーの「給与階級」ではトップクラスだが、パリで受け取っている額とは比べるべくもない。

また、マドリーは、フリートランスファーで加入するエムバペに対して、契約ボーナスを用意している。ただ、それも1億3000万ユーロ前後になる見込みだ。

シュートを打つヴィニシウス
シュートを打つヴィニシウス写真:ロイター/アフロ

ここからは、現状を踏まえつつ、新たなマドリーについて考えたい。

今季のマドリーは【4−4−2】を基本布陣にしている。カルロ・アンチェロッティ監督はプレシーズンの段階から、【4−3―3】から【4−4―2】へのシステムチェンジを試していた。ジュード・ベリンガムをトップ下のシステムで嵌めるためだった。

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スポーツライター

執筆業、通訳、解説。東京生まれ。スペイン在住歴10年。2007年に21歳で単身で渡西して、バルセロナを拠点に現地のフットボールを堪能。2011年から執筆業を開始すると同時に活動場所をスペイン北部に移す。2018年に完全帰国。日本有数のラ・リーガ分析と解説に定評。過去・現在の投稿媒体/出演メディアは『DAZN』『U-NEXT』『WOWOW』『J SPORTS』『エルゴラッソ』『Goal.com』『WSK』『サッカーキング』『サッカー批評』『フットボリスタ』『J-WAVE』『Foot! MARTES』等。2020年ラ・リーガのセミナー司会。

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