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ポストシーズンの通算本塁打トップ20に並ぶ選手のうち、この6人は今年ランクアップの可能性あり

宇根夏樹ベースボール・ライター
ホゼ・アルトゥーベ(ヒューストン・アストロズ)Sep 10, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ワイルドカード・シリーズが終わり、10月7日からディビジョン・シリーズが始まる。現時点でポストシーズンに残っているのは、8チームだ。半数の4チームはワイルドカード・シリーズを勝ち上がり、あとの4チームはワイルドカード・シリーズをスキップした。各リーグの地区優勝3チームのうち、レギュラーシーズンの勝率が高い2チームは、ディビジョン・シリーズからスタートする。

 ポストシーズンの通算本塁打トップ20に並ぶ27人のなかには、今年中にランクアップする可能性がある選手が6人いる。彼らの順位と本数は、それぞれ、ホゼ・アルトゥーベ(ヒューストン・アストロズ)が2位の23本塁打、カルロス・コレイア(ミネソタ・ツインズ)が7位タイの18本塁打、カイル・シュワーバー(フィラデルフィア・フィリーズ)とアレックス・ブレグマン(アストロズ)が14位タイの15本塁打、キーケー・ヘルナンデス(ロサンゼルス・ドジャース)とコリー・シーガー(テキサス・レンジャーズ)は19位タイの13本塁打だ。

筆者作成
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 もちろん、本数を増やしても、さらに多くのホームランを打った他の選手に追い抜かれ、ランクダウンすることもあり得る。また、ジョージ・スプリンガー(トロント・ブルージェイズ)は、5位タイの19本塁打を記録していて、今年のポストシーズンにも出場したが、すでにオフを迎えている。ブルージェイズは、ワイルドカード・シリーズでツインズにスウィープされた。スプリンガーは、2試合で9打数2安打。長打はなかった。

 アルトゥーベは、ここから6本のホームランを打つと、1位のマニー・ラミレスに並ぶ。7本塁打なら、マニーを抜いてトップに立つ。ハードルは低くないものの、不可能な本数ではない。

 昨年のポストシーズンは13試合で0本塁打ながら、2017年は18試合で7本塁打を記録している。他の年は、2015年が6試合で0本塁打、2018年が8試合で1本塁打、2019年が18試合で5本塁打、2020年が13試合で5本塁打、2021年は16試合で5本塁打だ。

 また、今シーズンは、9月4日と5日の2試合で5本塁打を含め、8月28日~9月10日の11試合で7本のホームランを打った。

 ディビジョン・シリーズでスウィープされると、3試合でポストシーズンから姿を消すが、最多なら、ここから19試合に出場する。ディビジョン・シリーズが3勝2敗(5試合)、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズが4勝3敗(7試合)、ワールドシリーズが4勝3敗あるいは3勝4敗(7試合)の場合がそうだ。

 1度のポストシーズンで打った本数は、2020年にランディ・アロザレイナ(タンパベイ・レイズ)が記録した10本塁打が最も多い。スプリンガーと同じく、アロザレイナも、すでに今年のポストシーズンを終えている。こちらは8打数3安打。二塁打1本とシングル・ヒット2本だ。

 アロザレイナに次ぐのは、8本塁打の4人。2002年のバリー・ボンズ、2004年のカルロス・ベルトラン、2011年のネルソン・クルーズ、2020年のシーガーだ。アロザレイナを含む、5人中4人は、17試合以上に出場した。アロザレイナが20試合、シーガーが18試合、ボンズとクルーズは17試合だ。あとの1人、ベルトランの出場は12試合だった。ワールドシリーズまで進んだ4人と違い、2004年にベルトランがプレーしていたアストロズ――6月下旬の三角トレードでカンザスシティ・ロイヤルズから移籍――は、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズ第7戦に敗れた。

 ちなみに、2021年のポストシーズンは、5本塁打が最多。アルトゥーベ、フレディ・フリーマン(当時アトランタ・ブレーブス/現ドジャース)、キーケー(当時ボストン・レッドソックス)、ラファエル・デバース(レッドソックス)の4人が記録した。昨年は、フィリーズの3人、シュワーバー、ブライス・ハーパーリース・ホスキンスの6本塁打が最も多かった。

 今年のワイルドカード・シリーズでホームランを打った10人については、こちらで書いた。

「ワイルドカード・シリーズは若手のパワーが炸裂!? 「25歳未満のホームラン」が過半数を占める」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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