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HSPは「笑顔うつ」に要注意!柔軟な「認知」を生み出すためのトレーニングとは?

精神科医しょう精神科医/メンタルドクター

こんにちは、精神科医しょうです。

職場でコツコツ努力し、功績を収めてきた真面目で勤勉な方の多くは「このようにしたら、上手く問題が解決できる」という必勝パターンを持っているものです。

職場などで起こる多くのトラブルは、この必勝パターンにより、上手に解決することができ、勤勉な人たちの自信を深めていくことができます。

しかし、この必勝パターン通りにやったのに上手くいかない事態に遭遇すると、いつまでもその必勝パターンにこだわり続けてしまい、結果的に失敗してしまうことがあります。

そして、今まで築き上げてきた自信が音を立てて崩れ落ち、強いストレスを感じることになり、うつ病の発症につながることが少なくありません。

HSPさんの多くは、勤勉で努力家で真面目な方がほとんどです。

おそらく、自分のこだわりやマイルールを持った人が多いのではないかと推測します。

しかし、時には柔軟な発想や認知を活用することで、ストレスを上手く対処し、窮地を潜り抜けていくような器用さが必要になることもあります。

そうすることで笑顔うつをはじめ、うつ病の発症を未然に防ぐことが可能になるかと思います。

そこで今回はHSPさんが柔軟な「認知」を生み出すにはどうすれば良いのか?について、笑顔うつやうつ病を防ぐ視点で考えてみたいと思います。

笑顔うつを防ぐ柔軟な「認知」を生み出すには?

解決できないような困難な状況が発生した時にもストレスと上手に付き合っていくには、ただたんにそのストレスの原因となっている状況を解消しようと、がむしゃらに努力し続けるだけではいけないと言えます。

また、いつまでも気分転換だと言って問題から逃げ続けているだけでもいけません。

しんどい状況を作らないためには、自分の認知を柔軟に働かせて、その状況を解決の方向に導いていくことが重要になります。

例えば、どう考えても今日中に終えることのできない仕事を依頼された時に、終わらないと思いながら必死に遅くまで残業をしたり、どうせ終わらないならと諦めてしまったりするだけではいけないでしょう。

そのような時こそ柔軟な認知が必要になります。

「本当に今日中にやらなければ、職場にとって取り返しのつかない事態になってしまうのか?」と再考してみたり、「何とか、60%は仕上げられるように頑張ろう!」と目標設定を改めたり、「本当に、自分一人でやらなければならないのだろうか?」と適切な援助を求め、ストレスの状況を緩和することが必要ではないでしょうか。

しかし、このような柔軟な認知は、日ごろから練習をしていなければ、切り替えが難しいと言えます。

柔軟な「認知」を生み出すトレーニングとは?

自分の習慣やクセ、経験によって凝り固まった認知を柔軟なものにするトレーニングをやってみましょう。

以下の2つの項目を考えてみてください。

・「自分のルール」
・「社会のルール」

どのようなことでも構わないので、自分の決まりごとにしている「自分のルール」をいくつか書き出してみましょう。

例えば「ニュースは必ずNHKで見ると決めている」「頼まれた仕事は断らない」「約束の5分前に集合」「電車内では携帯電話で通話しない」「食事中はテレビを見ない」などがあげられます。

その中で、一般的な「社会のルール」とされているものに「〇」を付け、それ以外は「×」を付けてみましょう。

「×」が付いたものは破っても構わない自分のルールですから、その中で自分が破ることができそうなものから順に順位付けしてみてください。

そして番号の順にルールを破ってみましょう。

効果としては、今までとは違う見方や自分が興味を持ったことがなかった情報などに触れることで、新たな知見を獲得できるようになるかもしれません。

また、今までは話が合わないと思っていた人とも意外な接点ができるかもしれません。

つまり、自分のルールには何か合理的な理由があるかのような「錯覚」に陥っていたことに気づくことで、自分の「とらわれ」を解消することができ、凝り固まった認知を柔軟なものにする足掛かりになるのです。

誰でも備わっている「心のメカニズム」とは?

誰でも多かれ少なかれ、日ごろから職場や家庭、学校において対人関係やノルマなど、さまざまな場面でストレスを受けています。

そのようなストレスを受けながらも、私たちが心身の健康を保っていけるのは、自分の中に自然と備わったストレスを対処する「心のメカニズム」があるからです。

どのようなものか見ていきましょう。

・ストレスを跳ね返す

我慢をして何とかストレスを押し返そうとする力のことで、我慢してやりきるなどが該当します。

・ストレスを逃がす

発想を転換するなどして、違う角度から見てみる、認知を変えることなどです。

・ストレスを発散させる

ストレスの原因となる問題が発生した時に、自分の趣味に没頭したり、友人に愚痴を言ったりしながらストレスを発散する方法です。

まとめ

今回は柔軟な「認知」を生み出すための方法を中心に解説しました。

普段から、場面に応じて柔軟に発想を転換させたり、気持ちを切り替えたりするなどの工夫をすることで、柔軟な認知を身に付けることができるかと思います。

笑顔うつやうつ病の予防のためにも、ぜひ普段から意識してトレーニングするようにしてみましょう。

私のブログのテーマは、「他人軸でなく自分軸で気楽に生きる」です。

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精神科医/メンタルドクター

HSP気質とメンタルヘルスについて発信している精神科医。精神科外来で診療を行い大学で研究も行っている。instagramのフォロワー7万人以上。著書:頑張り屋さんのための心が晴れる本(KADOKAWA)、新刊:精神科医が教える笑顔うつから抜け出す方法(2023年8月16日発売)。私のブログのテーマは、「他人軸でなく自分軸で気楽に生きる」です。あなたはこんな悩みをお持ちではありませんか?「他人の顔色ばかりみてクタクタ」「自分の意思で生きられない」「いつも後悔ばかりでグルグル一人反省会」こんな他人軸の悩みでクタクタなあなたは、上記の私の名前をクリックして公式ブログから自分軸を目指しましょう♪

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