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『M-1グランプリ2022』誰が漫才を塗り替えるのか、「史上最年少」「眼鏡コンビ」など快挙の可能性

田辺ユウキ芸能ライター
イメージイラスト:飛鳥時代

『M-1グランプリ2022』の決勝進出者が11月30日に発表され、ダイヤモンド、男性ブランコ、カベポスター、ロングコートダディ、さや香、真空ジェシカ、キュウ、ウエストランド、ヨネダ2000の9組がファイナリストとなった。

『M-1グランプリ2022』のキャッチコピーは「漫才を塗り替えろ。」。2021年大会のチャンピオンに輝いた錦鯉は史上最年長での優勝を飾ったが、今回の『M-1』は、どんな歴史が塗り替えられるのか。

ヨネダ2000は史上最年少優勝、『THE W』との2冠などに挑む

ヨネダ2000は、女性コンビとしては2009年のハリセンボン以来となるファイナリストに。優勝すれば女性コンビで初めてである。12月10日に開催される『女芸人No.1決定戦 THE W 2022』の決勝も控えており、両獲りとなればもちろん史上初の快挙。

また「史上最年少優勝」もかかっている。『M-1』の歴代最年少優勝者は、2018年王者の霜降り明星・粗品。当時25歳だった。ヨネダ2000は誠が現在23歳で、チャンピオンになれば記録更新となる。

「最年長」の次は「最年少」なのか。いずれにせよヨネダ2000は、「漫才を塗り替えろ。」というキャッチコピーにふさわしいふたりといえる。

『M-1』『キングオブコント』同年ファイナリストはロングコートダディで4組目

ロングコートダディは2022年、『M-1』と『キングオブコント』の両方で決勝進出を果たした。

同じ年に両大会でファイナリストとなったのは、これまでモンスターエンジン(2009年)、かまいたち(2017年)、ニューヨーク(2019年・2020年)の3組だけ。そのうち、かまいたちは『キングオブコント』を優勝、『M-1』は4位だった。

同じ年の両大会のファイナリストで、『M-1』の勝者は今までいない。それどころかファイナルステージへ駒を進めた芸人もゼロである。

ただ、決勝発表会見で堂前透が口にした「趣味は『決勝』と書こうかな」という冗談が、笑いにならないほど貫禄やスター性が出てきたロングコートダディであれば、いずれ前人未到の『M-1』『キングオブコント』の2冠を達成するかもしれない。

『ABC』勝者、『M-1』17回の歴史のなかで5組がチャンピオンに

歴史あるお笑いコンテスト『ABCお笑いグランプリ』の2022年の覇者、カベポスターも決勝に初進出。西の実力派がついに大舞台に立つ。

2021年にはオズワルドが『ABCお笑いグランプリ』を制し、同年『M-1』でも準優勝となった。ただ、前身である『ABCお笑い新人グランプリ』を含めて同じ年に両大会を勝ったコンビはいない。

一方で『ABCお笑いグランプリ』『ABCお笑い新人グランプリ』の勝者がのちに『M-1』でも優勝した前例は、ますだおかだ、中川家、フットボールアワー、とろサーモン、霜降り明星の5組。『M-1』過去17回の歴史のなかで、『ABC』王者が5度優勝しているのは勝率的に高いのではないだろうか。

タイタン所属が勝てば「事務所初」、男性ブランコは初めての「両方眼鏡」で優勝なるか

『M-1グランプリ2022』ファイナリストを所属事務所別でみると、吉本勢がダイヤモンド、男性ブランコ、カベポスター、ロングコートダディ、さや香、ヨネダ2000の6組、タイタンがキュウ、ウエストランドの2組、プロダクション人力舎が真空ジェシカの1組。キュウ、ウエストランドが勝てばタイタンとしては初めて。真空ジェシカが戴冠となれば、2004年のアンタッチャブル以来のプロダクション人力舎の優勝者となる。

ちなみにこれは遊びのようなデータだが、決勝戦でコンビのどちらかが眼鏡をかけていた優勝者は7組(アンタッチャブル、サンドウィッチマン、パンクブーブー、トレンディエンジェル、銀シャリ、とろサーモン、マヂカルラブリー)。しかし両方が眼鏡をかけていて優勝したコンビはいない。男性ブランコが眼鏡コンビとして“史上初”に挑戦する。

「笑神籤」導入以降、敗者復活組のファイナルステージ進出なし

決勝当日におこなわれる敗者復活枠も熱戦が予想される。

『キングオブコント2022』優勝者、ビスケットブラザーズは史上初の2冠をかけた舞台となる。『キングオブコント2013』優勝者、かもめんたるも同じく2冠の可能性をのこしている。前述した『ABCお笑いグランプリ』優勝経験者の利点は、オズワルド、コウテイにも強みとして働くのではないか。ハイツ友の会も女性コンビ初優勝を狙う。

ただ、ネタ披露順を決勝戦のその場で抽選で決めていく「笑神籤(えみくじ)」が2017年に導入されて以降、「10組目にネタが披露できる」という敗者復活枠の利がなくなったためか、この5年では1度もファイナルステージへ進むことができていない。

2022年はどのような形で『M-1』が塗り替えられるのか。さまざまなデータで勝者を予想するのも、楽しみ方のひとつである。

芸能ライター

大阪を拠点に芸能ライターとして活動。お笑い、テレビ、映像、音楽、アイドル、書籍などについて独自視点で取材&考察の記事を書いています。主な執筆メディアは、Yahoo!ニュース、Lmaga.jp、Real Sound、Surfvote、SPICE、ぴあ関西版、サイゾー、gooランキング、文春オンライン、週刊新潮、週刊女性PRIME、ほか。ご依頼は yuuking_3@yahoo.co.jp

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