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藤井聡太七段(17)史上最年少戴冠か? 渡辺明棋聖(36)カド番しのぐか? 7月9日、棋聖戦第3局

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 7月9日。東京都千代田区・都市センターホテルにおいて第91期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負第3局▲藤井聡太七段(17歳)-△渡辺明棋聖(36歳)戦がおこなわれます。

 五番勝負はここまで藤井挑戦者が2連勝。もし第3局で勝つと17歳11か月20日での戴冠で、タイトル獲得の史上最年少記録更新となります。

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 当たるべからざる勢いの藤井七段。木村一基王位に挑戦中の王位戦七番勝負では、第1局を勝っています。

 休む間もなく4日には銀河戦本戦Cブロック、稲葉陽八段戦が収録されました。その対局の模様は昨日7日に放映されています。

 6日にはB級2組2回戦、橋本崇載八段戦でも勝利を収めました。

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 渡辺棋聖(棋王・王将)は棋聖戦五番勝負では藤井七段、名人戦七番勝負では豊島将之名人に黒星が重なりました。しかし直近の7月4日、王座戦本戦準々決勝では行方尚史九段に勝っています。

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 王座戦準決勝でも豊島竜王・名人-渡辺三冠戦が実現することになりました。勝ち続ける棋士同士はとことん当たり続けるという一例でしょう。

 囲碁、将棋界では番勝負であとがない状況を「カド番」と言います。

 渡辺棋聖は2連敗でカド番に追い込まれました。しかし渡辺棋聖が過去、ストレート勝ちをすることは何度もあっても、ストレート負けを喫したことは一度もありません。

 五番勝負では2連敗から3連勝した例は、過去に少なくありません。

 また2008年の竜王戦七番勝負。渡辺竜王は羽生善治挑戦者を相手に、タイトル戦史上初めて、3連敗から4連勝を達成した棋士でもあります。

 今期棋聖戦五番勝負。筆者が目にした限りでは、戦前の予想は藤井挑戦者乗りの声が多かったように思います。

 しかし渡辺棋聖はこれまで、そうした下馬評を何度も覆してきました。そう簡単に終わるようにも思われません。

 注目の大一番は9日9時から始まります。これまで同様、朝から対局が気になって、仕事や学業が手につかないという方も多いことでしょう。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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