中川翔子 人生に欠かせない3曲を“幸せセッション” 「20年経ち、今の自分で宝物の曲を歌えて幸せ」
毎回一組のアーティストと、日本を代表する編曲家・ミュージシャン達が、生演奏にこだわり、その日限りのアレンジでセッション。上質なサウンドを追求し続けている音楽番組『Sound Inn S』(BS-TBS)の7月16日(土)放送回に中川翔子が登場。今年デビュー20周年を迎えた彼女が「人生に欠かせない」3曲を披露した。
人生を変えてくれ、さらに心の支えになっている松田聖子の歌
1曲目は中川が尊敬する松田聖子の「瞳はダイアモンド」を、十川ともじのアレンジで披露。13歳の時、松田聖子の歌に出会い人生が変わったという中川が、松本隆が紡いだ歌詞ひと言ひと言を慈しむように歌う。原曲のアレンジの薫りを残しながらも、そこにさらに輝きをプラスしたような十川のアレンジが歌に寄り添い、切なさと感動が膨らんでいく。昨年色々なことが重なり、心がすり減っていた時、松田聖子に会う機会に恵まれ、優しい言葉をかけられたことで立ち直れたと語る中川は、この曲を多幸感を感じさせてくれるアレンジに乗せ「幸せを噛みしめながら歌った」。
「この曲(『空色デイズ』)があったから20年続けることができた」
2曲目は自身最大のヒットを記録し、転機になった「空色デイズ」をギタリスト佐々木“コジロー”貴之のアレンジで歌った。「この曲があったから20年間続けてくることができたと感じる大好きな曲」と語る大切な曲を、「無茶苦茶カッコよくてシビレました。宇宙にいるみたいな感覚になりました」と絶賛するアレンジでセッション。分厚いストリングスが曲を引っ張る推進力になり、彩りにもなっていて、ミュージシャンそれぞれのプレイにもスポット当てた、ライヴのようなグルーヴを感じさせてくれる。
女優、声優、歌手、イラストレーターとしてマルチな活躍で注目を集め続けている中川。しかし「何をやっている人?」という声に、時に不安になりながらも活動を続けてきたと吐露していた。この日は胸を張って「歌手です」といえる、満足がいくパフォーマンスを見せることができたようだ。アレンジャーの佐々木が「中川さんが普段使っている言葉のチョイス、センスが素晴らしくて、みんなが幸せになる感じ」と語っていたが、まさに彼女は全ての活動を通して、多くの人に“幸せ”を届けることができるアーティストだ。
「父に手紙を綴るように歌詞を書いた『RAY OF LIGHT』」
ラストは2010年にリリースした「RAY OF LIGHT」を坂本昌之のアレンジで、万感の思いを込めて歌った。この曲は初めて自身が作詞を手がけた楽曲で、中川が9歳の時に亡くなった父・中川勝彦さんへの思いを素直に綴っている。「歌っている時は空にいる父、家族とつながることができる特別な時間。だから歌詞を、手紙を書くように書きました」と語っていた。そんな曲に坂本が強さと切なさを感じさせるアレンジを施し、中川の歌がエモーショナルに響き渡る。中川が「すごくかっこいい音で、絶対に(父、家族にも)届いていると感じて、ゾクゾクしました」と語ると、坂本も「本当に光が射してくるような歌でした」とその歌を絶賛していた。
“RAY OF LIGHTに寄せて”
『Sound Inn S』は、“Music with Art”というコンセプトの元、毎月注目のクリエイタ―とコラボし、番組のロゴを制作している。7月は画家の桃田有加里が描き下ろした。桃田はこの制作に入る直前に父親を亡くし「中川翔子さんが亡きお父様のことを思って作られた『RAY OF LIGHT』を歌われると伺い、何という巡り合わせなんだろうという思いと、父に『頑張れ』と背中を押されているように思え制作に取り組むことができました」とコメントしている。今回のロゴのタイトルは“RAY OF LIGHTに寄せて”だ。
「歌は生きた証」
中川は「生きた証を残したい」という思いが強い。それは亡き父・勝彦氏がマルチに活躍し、様々なところに「生きた証」を残し、それによってファンの心にいつまでも残る存在になり、中川自身も救われ、励まされているからだ。そして自分もマルチな活動でその「証」を残し、それに触れた人に少しでも歓びを感じて欲しいという思いからだ。
この日も「宝物のような歌を、これまで積み重ねてきた“今”の自分が歌うことができて幸せ」と、今を生きる“証”として歌を残せたことに幸せを感じていた。「死ぬまで歌い続けるんだと改めて思った」という中川翔子の“幸せセッション”は、7月16日(土)オンエアの『Sound Inn S』(BS-TBS/18時30分~)で楽しむことができる。さらに番組放送終了と同時に「Paravi」で未公開映像と共に独占配信される。