「自閉症か」「脳に障害出ちゃう」ストリートファイターのプロゲーミング業界で差別発言が問題に
カプコンの人気格闘ゲーム『ストリートファイター』シリーズのプロゲーミング業界において、障害者に対する差別発言が問題となっています。
特定のキャラクターを使う人間は「脳に障害が出てくる」
7月6日、プロゲーミングチーム魚群は『ストリートファイター』シリーズで活躍している同チーム所属のマゴ選手が過去に不適切な発言をしたと騒ぎになっていることを受けて、本人に確認を取ったところ事実と認めたため厳重注意をしたと『Twitter』で発表しました。
どのような不適切な発言をしたのかは明らかにされていませんが、拡散している動画では「(特定のキャラクター名)を使うとちょっと脳に障害が出てくるのかな」と発言していたことが確認できています。
プロゲーミングチーム魚群はこうした発言は「社会的に不適切かつ重大なコンプライアンス違反」であると判断しており、厳重注意とともに再発防止に向けての指導を行ったとのことです。
この発表後、マゴ選手は自身のTwitterアカウントにて「不快にさせてしまった方々、ご心配をかけてしまった方々、申し訳ございませんでした。以後プロゲーマーとしての意識を高め、気をつけて活動していきます」と謝罪しました。
返事をしなかった相手に「自閉症か」
同日、CAPCOM eSportsは『ストリートファイター6』の公式リーグ『ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2023』で実況を担当する予定だったesportsキャスターのアール氏が、過去の番組配信で不適切な表現の発言をしていたことを受けて厳重注意し、7月7日の試合の実況を別の人物に変更すると発表しました。
こちらも“不適切な表現の発言”については明らかにされていませんが、拡散している動画では同乗者に話を振ったところ、返事がなかったため「おめえんとこの選手は自閉症かオラァ!なんも喋んねえぞ(話を)振ってんのによ」と発言していたことを確認しました。
アール氏はこの発言について自身のTwitterアカウントにて「この度、私の不適切な発言により不快な思いをさせてしまったことを深くお詫び申し上げます。申し訳ございませんでした。言葉を扱う者として、深く反省して邁進してまいります」と謝罪しました。
障害者をネタにして笑うのはもうやめるべき
格闘ゲームに限らず、若年層が多いeスポーツ界隈では障害そのものや障害者をネタにして笑いを取ったり、相手を批判したりする行為が多く見受けられます。
『Twitter』で障害者やそのように見える人物を揶揄する言葉である「ガイジ」で検索すると、ゲームのプレイ動画とともに自分や対戦相手の動きのことを「ガイジ」と呼ぶ投稿がたくさん出てきます。
それだけ一般化してしまったワードとも言えるのでしょうが、当たり前ですが許される言葉ではありません。
少なくともプロとして活動を始める、もしくは業界人としてeスポーツにかかわることになった後は「そうした言葉を使ってはいけない」と自分の意識を改める必要があります。
また、できればそうした発言を見かけた際には「ダメだ」と視聴者にも働きかけて欲しいものです。
というのもトッププレイヤーや著名人が「ガイジ」という言葉を使えば使うほど、周りのファンは「使っても問題のない言葉なんだ」と認識してしまうからです。
プロゲーミング業界は今回の件を個人の問題にとどめるのではなく、業界全体が抱える問題として認識し、対応を続けて欲しいものです。