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ノーヒッターの最後はルーキーにご用心? 9回2死から阻んだのは、今年の新人王シーガーだけではなかった

宇根夏樹ベースボール・ライター
コリー・シーガー(ロサンゼルス・ドジャース)August 6, 2016(写真:USA TODAY Sports/アフロ)

ロサンゼルス・ドジャースのコリー・シーガーは、新人王投票で30人全員から1位票を得た。そのことからもわかるように、ルーキーのなかでは抜きん出ていて、ハイライト・シーンも数多くあった。

8月25日のサンフランシスコ・ジャイアンツ戦も、その一つに挙げていいだろう。シーガ―は9回裏2死からヒットを打ち、あと1アウトに迫っていたマット・ムーアのノーヒッターを阻止した。

イライアス・スポーツ・ビューローによると、9回2死からノーヒッターを阻んだのは、ここ3度ともルーキーだという。2015年5月17日のジャスティン・ボーア(マイアミ・マーリンズ)、2015年7月1日のジョーイ・バトラー(タンパベイ・レイズ/現クリーブランド・インディアンス)、そしてシーガーだ。ボーアはシェルビー・ミラー(アトランタ・ブレーブス/現アリゾナ・ダイヤモンドバックス)、バトラーはカルロス・カラスコ(インディアンス)のノーヒッターを打ち砕いた。

シーガーは22歳だが、ボーアは当時すでに27歳になっていて、バトラーは29歳だった。また、シーガーがドジャースの生え抜きであるのに対し、ボーアは2013年のルール5ドラフトでシカゴ・カブスからマーリンズへ移った。バトラーに至ってはレイズが3球団目。2014年はオリックス・バファローズでもプレーした。しかし、3人ともルーキーという点は共通している。ボーアは新人王投票で5位に入った。

9回2死まではいかないものの、シーガーの翌月にも、ルーキーによるノーヒッター阻止はあった。9月12日、セントルイス・カーディナルスのジェレミー・ヘイゼルベイカー(現ダイヤモンドバックス)が、9回裏に先頭打者として本塁打を放ち、カイル・ヘンドリクス(カブス)のノーヒッターにピリオドを打った。

ただ、バトラーとシーガーの間には、ノーヒッターを阻めなかったルーキーもいる。2015年7月25日にコール・ハメルズ(フィラデルフィア・フィリーズ/現テキサス・レンジャーズ)がノーヒッターを達成した際、クリス・ブライアント(カブス)は最後の打者となった。ブライアントはこの3ヵ月前にメジャーデビューし、今年のシーガーと同じく、満票で新人王に選ばれた。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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