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【いい風呂の日】だから試してほしい! 温泉ライターが実践する「体の芯まで温まる自宅入浴法」

高橋一喜温泉ライター/編集者

本日11月26日(日)は、「いい風呂の日」である。日本浴用剤工業会が「1126(イイフロ)」の語呂合わせにちなみ制定したものだ。

冷え込みが厳しくなってきた今の時期こそ温泉などに出かけたいものだが、近くに温泉施設がないと気軽に楽しめない。だが、「風呂」は自宅にもある。多くの家庭に湯船を備えた浴室があるのは、日本人の特権ともいえる。

そこで、自宅の「風呂」を再評価する意味でも、今回は温泉ではなく、家の風呂にスポットを当てたい。

あなたはシャワー派? 湯船派?

最近は若い世代を中心に、入浴をシャワーで済ませてしまう人が多いようだ。仕事などで忙しい現代人にとって、「風呂を沸かして湯船につかる」という行為は、面倒に感じるのかもしれない。だが、湯船につからないのは、とてももったいない。

なにより湯船につかる行為は、リフレッシュ効果がある。一日の終わりに入る風呂は気分転換になる。シャワー派の人は、ぜひ湯船につかってみてほしい。入浴の気持ちよさを再認識できるはずだ。

湯を張るときには、湯の温度も工夫したい。日本人が最も気持ちよく感じるのは42度だといわれる。少し熱いくらいで、シャキッとする感覚があるが、42度以上の湯は精神と緊張を高ぶらせる「交感神経」という自律神経を刺激する。朝、元気に一日のスタートを切りたいときにはいいが、就寝前に入浴するならおすすめできない。

夜の入浴には、37~39度のぬるめの湯が向いている。脳と体をリラックスさせる「副交感神経」を刺激する。就寝前にぬるめのお風呂にゆっくりつかると、快適な睡眠ができるといわれている。

37~39度の湯だと、「ぬるくて風呂に入った気がしない」と感じる人もいるだろうが、ゆっくりと20分ほどつかっていると、じんわりと額に汗が浮かび、体の芯まで温まってくる。熱い風呂に数分入るよりも湯冷めしにくいのもメリットだ。冬でも少しぬるめの湯に長く入ったほうが体が温まる。

なにかと緊張や不安を感じているときは、心をリラックスさせるのも大切なこと。いつもよりぬるめの湯に長くつかって、ざわつく心を鎮めてみよう。

半身浴で読書も

長湯が苦にならない人には半身浴もおすすめ。湯船に座った状態で、みぞおちのラインまで湯を張り、ゆっくりと湯につかる入浴法だ。このときも37~39度に温度設定しておくと、リラックスできる。

半身浴は体が温まらないイメージがあるが、下半身からゆっくり温まり、血液循環も活発になるため、しだいに上半身も温まってくる。もし寒く感じるようであれば、ときどき肩までつかったり、湯をしみこませたタオルを肩などにかけたりしてもいいだろう。

そもそも長湯や半身浴は退屈……という人もいるかもしれない。半身浴なら読書をしてもいいだろう。筆者は濡れてもかまわない週刊誌を持ち込んでいる。

なかには、スマートフォンを持ち込んで、映画を観たり、音楽やラジオを聞いたりする達人もいるとか。ジップロックのような食料保存袋にスマートフォンを入れれば、水没させることなく、画面操作もできるそうだ。

基本的に入浴で体を温めることは、基礎体温の上昇を促し、免疫力を高めることにもつながる。季節の変わり目に体調を崩さないためにも、入浴を上手に活用したい。

ただし、いくらぬる湯や半身浴でも長湯が過ぎるのは禁物。自分の体調と相談しながら、無理だけはしないようにしよう。入浴前の水分補給も忘れずに。

温泉ライター/編集者

温泉好きが高じて、会社を辞めて日本一周3016湯をめぐる旅を敢行。これまで入浴した温泉は3800超。ぬる湯とモール泉をこよなく愛する。気軽なひとり温泉旅(ソロ温泉)と温泉地でのワーケーションを好む。著書に『日本一周3016湯』『絶景温泉100』(幻冬舎)、『ソロ温泉』(インプレス)などがある。『マツコの知らない世界』(紅葉温泉の世界)のほか、『有吉ゼミ』『ヒルナンデス!』『マツコ&有吉かりそめ天国』『ミヤネ屋』などメディア出演多数。2021年に東京から札幌に移住。

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