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【保育園の選び方】ここだけは抑えて!我が子に合う園選びで注意したいこと3選

ちあき先生保育士/webクリエイター

子育てに奮闘中の全国のママさん、今日も子育てお疲れ様です。

保育士歴19年目、ママさんの子育てがちょっぴり楽になる方法を発信をしているちあき先生です。

さぁ、今年もやってきました保育園選びの季節!
来年の入園にむけて少しずつ通わせる園の候補選びをしているママさんもいらっしゃると思います。認可保育園や私立幼稚園なども、10〜12月に自治体や直接園に申し込みをするところが多いですよね。

そう思うとこの6月〜7月くらいから園選びを始めたいところ。実際に現場でもこの時期から園見学にくる親子が増える印象です。

みなさん、どのように園選びをしているのでしょうか?

乳幼児期の大切な数年間を後悔しない園に入園するために今回は、園の選び方について3つのポイントをお伝えします。ぜひ、園選びの参考にしていただけたら嬉しいです。

【ここだけは抑えて】保育園の選び方で絶対外してはいけないこと

保育園選びで絶対に外してはいけない大前提があります。それは、「保育園のスペックではなく我が子にとって合う園を選ぶこと」です。

私たち大人も、「人と一緒にチームで身体を動かしながら活動することが好きなAタイプ」もいるし、「黙々と研究したい個人プレイが好きなBタイプ」もいますよね。チームで一緒に活動しながら色々な世界を見るのが好きなAタイプの人が、Bタイプの仕事に行ったらどうでしょうか?

その人の能力を発揮できるどころか毎日苦痛でストレスが溜まってしまいますよね。Bタイプの人がAタイプの職場に行っても同じくストレスでやられてしまうかもしれません。

園選びも実は同じことが言えます。

大人でもタイプがあるように子どもにもそれぞれタイプあります。大切なことは「保育園のスペックではなく、我が子にとって合う園を選ぶこと」なんです。

保育園のスペックだけで選んではいけない理由

「跳び箱7段跳べます!」「日常生活は全て英会話で過ごしています」「スポーツ選手を輩出させました!」「プログラミング学習しています」など、魅力的な特色を掲げている園があります。

これらの園に通えば、スキルは習得できると思います。吸収力の高い乳幼児であれば尚更。我が子が、「Thank you!」なんて言った時には「うちの子は英語が話せる!」なんて感激してしまうのも頷けます。

しかし、私自身、行事ばかりの忙しい園にいたときには”この子はもっと少人数でのびのびした保育環境でいた方が伸びそう〟と思うこともありました。

例を出してみましょう。

ゆっくりマイペースなアリの観察が好きなKくん。

Kくんは、毎日園庭のアリをじっくり観察することが大好き。アリの観察をしている時は気持ちも落ち着くようです。アリの観察はずっと続きます。

しかし、一斉保育が始まる時間になればもちろんアリの観察を中断しなければいけません。こちらとしても”もっと観察させてあげたいなぁ、、〟と思いながらも、毎日の保育カリキュラムが決まっているので、Kくん1人を園庭に残すことも難しく、そこまでのフォロー環境も整っていません。

”ただのアリの観察〟と思われそうですが、Kくんにとっては1番の遊び場であり学習できる環境です。また、そこには観察力、「なぜ?」という問題提起力、プレゼン能力など、1人の人間として大切なスキルが育まれます。

決して、英会話のような目に見える特別なスキルではないですが、乳幼児にはこういった原体験が何よりも大切です。子どもの興味を持ったことに対して、最後まで寄り添った環境が本当に大切なんだと思います。

そういった意味でいうと、Kくんはもっとのんびり保育ができる園の方が良かったのかもしれません。”Kくんの興味を持ったアリを納得できるところまで観察させ、発見や歓びを体験させてあげられる環境であれば、どう成長していたんだろう…?〟と今でも考えるところがあります。

私は、自分が担任した子どもが18歳以降になったタイミングで会う機会があるのですが、子どもが大きくなってその子らしい才能を開花できている子の保護者の共通点は、スペックや世間体ばかりに目を向けず「その子の特性にあった環境を用意してあげられること」だったのです。

決してスペックが高い園に入ることやたくさんの塾に通うのが悪いと言っているわけではなく、「我が子にとって合う園を選ぶこと」が子どもにとっては1番いい環境だということです。

【チェックポイント!】園選びで注意したいこと3選

まずは、園を選ぶ時は直接足を運んで見に行ってください。ネットなどの情報だけではわからないことばかりです。ましてや我が子にあう園なんて、実際に行ってみないとわかりません。

〝バス通園があった方がいいのか?家から近いところの方がいいのか?〟などいろいろ悩むところがあるかと思いますが、それは今からお伝えする3つのポイントのあと考えてほしい!

または、A園かB園かで悩んだら判断材料にしてほしい「園見学に行ったらここを見てね!」というポイントを3つに絞りました。

1、子どもの心と身体が安全な環境か?
2、思いっきり子どもが遊ぶ時間が確保されているか?
3、受身型の保育ではないか?

一つずつ解説します。

1、子どもの心と身体の安全が確保されてる環境か?

子どもたちが本来の能力を発揮するには、そもそも環境作りが整っていなければいけません。子どもの心と身体が安心して伸び伸び生活できる環境づくりが必要になります。

例えば、

・遊具やおもちゃをチェック!遊具のロープがボロボロになって今にも解けそうな状態であるのにそのままの状態になっていないか?

・掃除が行き届いているか?

・園内、近所に危ない箇所がないか?

ハード面でそういったところはないか?見ておきましょう。

ソフト面では、やはり先生と子どもの表情をチェック!

・先生が作り笑顔になっていないか?
・先生の顔色は歩くないか?

・子どもの表情は固くないか?
・イキイキ楽しそうにしているか?

・子どもは落ちついているか?

子どもも先生の表情は日常生活を積み重ね。人間の表情は嘘をつきません。その中でも若い先生や子どもの表情は顕著に現れます。

上下関係の厳しい園であるなら、おそらく若い先生の表情は少し曇りがちか、作り笑顔になっている可能性があります。その表情が保育に反映されるので、子どもにも影響があることは想像できますよね。

心も身体も安心安全な状態であるとき、子どもは落ちついています。特にこの1学期の後半である時期ならばなおさら。

2、思いっきり子どもが遊ぶ時間と物が確保されているか?

子どもの仕事はまさしく「遊ぶこと」

”自分の興味を持った遊びを納得できるまで遊べる〟こんな環境があれば、子どもは自分の没頭できる遊びをする中で、頭と心と身体をフル活用し、自然と集中力、想像力やコミュニケーション能力も養っていけます。

その遊ぶ時間がないということは、頭と心と身体を使う機会もないということです。

子どもたち一人ひとりが思いっきり遊べる時間が確保されるということも大切です。20分という短い時間では、集中力が高まってきた頃にお片付けです。それでは集中力も育ちません。

そして、おもちゃなどの遊べる物も大事です。おもちゃでも廃材でも絵本でも良いので、子どもたちはお気に入りの遊びで一人ひとりが熱中できるだけの数は一定数必要になってきます。

極端ですが、子ども20人に対してブロック20個だとすれば、1人で使えるブロックはたったの1つだけ。みんなで協力して何かを作るという発達段階までいっていればいいのですが、小さい年齢の子であれば、一人でブロックを使いたいお年頃。

ブロックで何かものを作るというところまでいかず、取り合いのケンカになったまま遊ぶ時間終了という切ない時間になってしまうかもしれません。

子どもが納得できるところまで思いっきり遊ぶ時間と環境は大切ですよね。

3、受身型の保育ではないか?

今の時代は、従来のような「暗記してテストの点数が高ければいい」というスキルはもう不必要になってきています。それよりも、自分たちで考えて何かを生み出す力や解決能力、コミュニケーション能力などの人間しかできないスキルを幼少期から高めていきたいですよね。

そのためには「先生1人が黒板に立って生徒に教える」といった一斉教育は少し古いと思いませんか?

先生の言われたことをそのまま言われたとおりに行うカリキュラム制の受身型の保育ではなく、子ども自らが自発的に遊び学べる保育環境であることがおすすめです。

まとめ

今回は「園選びで注意したいこと」をお伝えしました。乳幼児期にどんな環境で過ごし、どんな人に触れ合うか?は子どもの人生にとって大切な1ページです。

そのスタートである保育園選びは、ママさんにとって悩みどころ満載だと思いますが、保育士ならではの視点で書いた今回の内容が何かヒントになれば嬉しいです。

お子様がお子さまらしく過ごせる園に出会えますように。

今日も最後までご覧いただき、ありがとうございました。

保育士/webクリエイター

フィンランド好き保育士。素敵に見えるあのママも、悩み事なんてまるで無さそうなあの人も、実はみんなみんな子育てで悩んでいます。そんな毎日子育てを奮闘しているママさんたちが、少しでも肩の力が抜けて、笑顔になって、一歩踏み出せますように...という想いを込めて、ママさんひとりひとりの気持ちに寄り添う、まるでラブレターのような記事をお届けします。記事の内容は、保育士19年の経験、日々受けているお悩み相談からの気付き、そして、子育てで絶賛お悩み中のママへのインタビューを参考にしています。

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