横浜家系名店がカップ麺で集合!吉村家・環2家・寿々喜家・武蔵家食べ比べ
「横浜家系ラーメン」名店の味がカップ麺で楽しめる!
今回は、全国的に人気の「横浜家系ラーメン」の味を再現した名店再現系のカップ麺を4品レビューします。
家系ラーメンの発祥のお店であり「家系総本山」を謳う「吉村家」をはじめ、吉村家から暖簾分けされた「環2家」、横浜で根強い人気を誇る「寿々喜家」、東京・吉祥寺の「武蔵家」の4つのお店の味を再現したそれぞれ本格的なカップ麺となっています。
ローソン限定「家系総本山吉村家 横浜豚骨醤油ラーメン」
まずはローソン限定のカップ麺、「家系総本山吉村家 横浜豚骨醤油ラーメン」。横浜家系ラーメンの発祥のお店である横浜の「吉村家」の味を再現しています。製造は明星食品系。
全国に無数にある家系ラーメンのお店の元祖で、有名ラーメン店の中でもピラミッドの頂点に立つお店と言って過言ではないでしょう。
鶏油をたっぷり浮かせた豚骨醤油味のスープに、中太で縮れのついたノンフライ麺と、チャーシュー、ほうれん草、大きな焼海苔3枚などの具が合わせられています。
さすが元祖のカップ麺だけあって、家系ラーメンの特徴であるスープ表面の鶏油、ほうれん草、焼海苔といった特徴をしっかり揃えています。
「吉村家」のラーメンといえば、ライスが必須と言われるキレのある濃い醤油味が特徴的ですが、カップ麺のスープでもその醤油のキレが忠実に再現されており、ライスを用意した方が楽しめそう。
黄色い鶏油の量も多く、尖った醤油味をマイルドな鶏油が多少丸くしていました。筆者はお店でもやりますが、鶏油にくぐらせた焼海苔をライスに巻いて食べるのがオススメ。
家系ラーメンの多くの要素を高レベルで詰め込んだこれぞ「吉村家」という味で、吉村家ファンだけではなく、家系ラーメン初挑戦の人にもまず最初に薦めたい一杯です。
東洋水産「推しの一杯 ラーメン環2家 横浜家系醤油豚骨」
2つめは、東洋水産の「推しの一杯 ラーメン環2家 横浜家系醤油豚骨」。こちらも横浜にある家系ラーメン店「環2家」の味を再現。
「環2家」は、元祖の「吉村家」から暖簾分けされた数少ない存在で、「吉村家」に負けない吉村家直系の人気店です。
「推しの一杯」シリーズは他に札幌の「麺屋彩未」や京都の「ラーメン横綱」といった名店の味が再現されています。
鶏油を浮かせた豚骨醤油味のスープに、中太で緩やかに縮れたノンフライ麺と、チャーシュー、ほうれん草、焼海苔2枚といった具が合わせられています。
「吉村家」カップ麺と同様、こちらも家系ラーメンの多くの要素をしっかり踏まえていますが、スープの色味や具も大きく異なっています。
スープはかなり濃厚で、豚骨の太い味と醤油の塩気の強さが特徴的。「吉村家」に負けないかなり力強いスープとなっています。
豚骨が太く塩気が強力な一方で、醤油や鶏油の香りは「吉村家」ほど強くはなく、同じグループ店でも味作りが異なるのが面白いです。
具のほうれん草や焼海苔2枚は、「吉村家」に比べると少なめでした。
ファミマル「寿々喜家 横浜家系 豚骨醤油ラーメン」
続いては、ファミリーマートのプライベートブランド「ファミマル」の「寿々喜家 横浜家系 豚骨醤油ラーメン」。製造は日清食品。横浜の人気ラーメン店「寿々喜家」の味を再現したカップ麺となっています。
かつて「吉村家」と、その吉村家から分離独立した「本牧家」と「六角家」が「家系御三家」と呼ばれ、横浜家系ラーメンの普及に大きく寄与しました。「寿々喜家」は御三家のうち「本牧家」から独立したお店で、「寿々喜家」も多くのお店を輩出しています。
油脂を浮かせたまろやかな豚骨醤油味のスープに、中太のノンフライ麺と、チャーシュー、ほうれん草、焼海苔が3枚合わせられています。
家系ラーメンの中でも吉村家直系のお店は醤油が濃いのに対し、「本牧家」や「六角家」系統のお店は醤油だけではなく豚骨や鶏油とのバランスが重視される傾向にありますが、今回のスープはマイルドな豚骨が際立ち、醤油の塩気が刺さってきません。上の直系2品とは対極にあるような味でした。
一方で、鶏油の存在感が希薄な上、焼海苔は大きいのが3枚入っているものの、チャーシューやほうれん草はボリュームなく物足りなかったです。
すべてを高レベルで揃えるのはなかなか難しそう。
寿がきや食品「吉祥寺武蔵家 家系MAX 豚骨醤油ラーメン」
最後に紹介するのは、寿がきや食品の「吉祥寺武蔵家 家系MAX 豚骨醤油ラーメン」。東京・吉祥寺にある家系ラーメン店「吉祥寺武蔵家」の味が再現されています。
コンビニやスーパーで手に入れやすい上の3品に比べると多少手に入れ難い商品かもしれませんが、メガドンキなど大きなドン・キホーテの店で見かけることが多かったです。
「吉祥寺武蔵家」はもともと家系御三家の「六角家」系譜のお店でしたが、現在はむしろ直系の味に近いと言われています。
「家系MAX」とは、お店で注文できる味のうち「アジコメ アブラオオメ カタメ」すなわち「味濃いめ 脂多め 麺硬め」という、まるで二郎系ラーメンのような注文で出てくる濃い一杯の呼び名。上3品に比べると元になっているラーメンがドーピング気味。
鶏油を浮かせた豚骨醤油味の超濃厚なスープに、中太で縮れのついたノンフライ麺と、チャーシュー、ほうれん草、焼海苔が3枚入っています。
醤油のキレや豚骨の太さは今回の4品で最も力強く、強化版の家系MAXの再現とはいえ、特に醤油のキレは本家「吉村家」をも上回っており、ライスを何杯でもいけてしまいそう。
筆者はこれまでに数多くのカップ麺を食べてきましたが、その中でもこのスープは稀に見る飯泥棒ぶりです。
ただ、鶏油の主張がおとなしい上に、他3品に比べて家系ラーメンの麺の再現はあまり芳しくなく、チャーシューも小さめでした。醤油のキレに特化した商品と言えるかもしれません。
どれを食べても満足できそう
「横浜家系ラーメン」名店の味を再現したカップ麺4品をレビューしましたが、キレのある醤油味だけではなく、鶏油や具など総合力で優れる「吉村家」、醤油や豚骨の濃厚さが特徴の「環2家」や「吉祥寺武蔵家」、他とは対極的にキレよりも豚骨のマイルドさが目立つ「寿々喜家」とそれぞれに良さがあり、どれを食べてもきちんと満足できそうです。
最もおすすめしたいのは「吉村家」ですが、スープのキレで一芸に秀でた「吉祥寺武蔵家」も存在感が光っていて捨がたい。
カップ麺を並べて食べ比べてみたり、お店の味と比較したり、家系初心者から上級者まで色々楽しめそうです。