SUPER EIGHT(旧関ジャニ∞)のロゴマークネタバレ問題に見る商標登録出願の最適なタイミング
関ジャニ∞がSUPER EIGHTに改名したことは周知と思います(ちなみに、なかなかナイスなネーミングセンスだと思います)。これに関連して通称「クチビルくん」と呼ばれているロゴマークも変更されたのですが、その内容が、ミュージックステーションにおける正式発表前にネットで公開され、ネタバレになってしまった件が話題になっています(参照記事 「"Mステで、初出ししようとワクワクしてたのに…" 大倉忠義、SUPER EIGHTの“新ロゴ”流出に嘆き」)。
ひと言で言うと、この問題は商標登録出願のタイミングが早すぎたことによるものです。この話は以前も書いています(関連記事1、関連記事2)が大事な話なので再度まとめます。
まず、商標権によって保護したい重要な名称やマークを出願する場合には、正式発表の前日以前に出願することが重要です。そうしないと発表を見た商標ゴロに勝手出願されるリスクが生じます。なお、発表と同日の発表前の時刻に出願しても、商標の先後願の判断は時刻ではなく日付ベースなのでやはり勝手出願のリスクは生じます。
かと言って、あまり早く出願しすぎると、商標出願公開により正式発表前に商標が公開されることで(今回のように)ネタバレ問題が生じます。
商標登録出願を行うと、その内容が自動的に(強制的に)公開されます。これは、法律で定まっており、公開を避けることはできません。およそ出願日の1週間から2週間後に公開されます(今回のケースでは2月3日に出願され2月13日に公開されています)。なお、特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)で検索可能になるまでには、さらに1週間から2週間程度かかります。
最近は、特許庁からファイルで提供される商標公開公報を、特許情報プラットフォーム掲載前にほぼリアルタイムでXにフィードしたり、ウェブサイトで公開したりするサイトがありますので、昔よりも早く世間の目に商標出願の内容が公表されてしまいます。なお、そもそも商標出願は公開されるべきものと法律で定められているので、これらのサイトに違法性・反社会性はありません。
ということで、商標登録出願のタイミングは早すぎても遅すぎても好ましくなく、以前よりも厳密に「商標登録出願は正式発表の前日」というベストプラクティスを守る必要があります。今回は外部からはわからない事情(たとえば、もっと前に正式発表する予定だったが変更になった等)があったのかもしれませんが。
この件については、YouTube動画も作っていますのでご参照ください。