”北朝鮮の発射” ソウルでも「スマホにアラート」「市内にサイレン」 これに大ブーイングが起きたワケ
31日早朝、日本でも「Jアラート」が発令されるなど緊張感を与えた北朝鮮の「弾道ミサイルの可能性があるもの」の発射。
今回はソウルでも「アラート騒動」が起きた。日本よりも2分遅い6時32分、ソウル市から発信されたのだ。
毎度、韓国での北朝鮮の軍事挑発系に対するアラートといえば「日本で騒いでいるらしいよ」という点が問題になる。
ただ、今回は違った。
韓国の全人口の4分の1が暮らすソウル市では、市民向けにこんなメッセージがスマホに発令されたのだ。
危急災難メッセージ
[ソウル特別市]今日6時32分ソウル地域に警戒情報発令。国民の皆様におかれましては避難の準備をしていただき、子どもや高齢者が優先的に避難できるよう準備してください。
しかし、9分後にソウル市が発令した情報について、韓国政府が間違いであったと訂正した。
[行政安全部]06:41 ソウル特別市で発令した警戒警報は誤発進であったことをお知らせいたします。
これに韓国内で大ブーイングが起きた。Twitterでは一気に下記のようなキーワードがトレンド入りしたのだ。
北風が吹く
9,975件のツイート
誤発信 使えない
11,675件のツイート
ソウル市長
6,422件のツイート
恐怖感の形成
10,513件のツイート
狂ったやつら
6,586件のツイート
警戒警報
92,417件のツイート
サイレンの音
11,930件のツイート
緊急発射のメッセージ
17,190件のツイート
ソウルの人々
9,934件のツイート
このほか「戦争が起きたらただ」「メガホンの放送」もトレンド入りした。
韓国では「北が公式発表していればそう慌てるものでない」という認識
何が問題だったのか。地上波「SBS」は今朝の騒動をこう伝えている。
「警戒情報を流すだけで、具体的に何の情報か記されていなかった」
これにより早朝から「何が起きたのか」という疑問からソウル災難安全ポータルサイトへのアクセスが集中。サーバーがダウンする事態となった。
トレンドに入った「狂ったやつら」「警戒警報」「サイレンの音」「緊急発射のメッセージ」「ソウルの人々」「戦争が起きたらただ」「メガホンの放送」「誤発信 使えない」「ソウル市長」といったキーワードはこれに対するものだ。
いっぽうこういった大ブーイングのなかで「韓国らしいな」という反応がリツイート1100超えとなっていた。
「サイレンの音&警戒警報...何日か前から北朝鮮が発射すると行っていた宇宙発射体を撃ったんだって…」
北朝鮮が発射の日程やコースを発表しているのであれば、それほど慌てることはない、という考え方だ。これ、ソウルの人たちと関連の会話を交わしていてもよく出てくる話だ。
実際に今回も政府の「訂正メッセージ」後に韓国軍合同参謀本部がこう発信している。
「北朝鮮は黄海に向けて宇宙発射体を発射すると発表しており、ソウルは関係ない」
だとしたら「ソウル以外の地域に発令すべきだったのではないか」という意見も今回の大ブーイングのなかに見受けられた。
また「尹錫悦政権が来年の総選挙を控え”北風”を吹かせようとしている」という意見も。恐怖を煽り、「北朝鮮に強く対処できるのは保守系」という印象を与えるためという「陰謀論」だ。