美しいサッカーの解釈は人それぞれだが、個人的には”方向性”だと思うその理由
今季を最後に現役生活にピリオドを打つシャビ・アロンソ。レアル・マドリーから、バイエルンに移籍してきたのは3シーズン前の14−15で、それはグアルディオラ監督の就任2シーズン目にあたる。両者はつまり2シーズン、選手と監督の関係にあった。
年の差は10歳。シャビ・アロンソはレアル・ソシエダ時代、大学にも通う学士プロとして知られていた。だからというわけではないが、プレイも見るからに賢そうだった。非力ながらパスセンスに溢れ、下がり目の位置から、長短のパスでチームをよい流れに導く、まさにグアルディオラ2世。全体の動きに気を配るオーケストラの指揮者のようにチームを操った。
欧州で味わったカルチャーショックは数あれど、選手では、グアルディオラがいちばんと言いたくなるぐらい、その広角な展開力は日本にはないものとして、新鮮に映った。カンプノウの記者席は、ピッチを俯瞰するにはもってこいの特等席。ピッチ上の選手より見えているよい環境で、試合と向き合うことができる。相手の陣にどう攻め入れば有効か、浮き彫りになるのだが、そうした中で、こちらの想像を超えるルートをピッチ上に見いだすのがグアルディオラだった。
その手があったかと唸らせることたびたび。見る目を養う環境として、そこはまたとない場所だった。瞬間、どこに進むべきか。グアルディオラはその方向性に優れていた。簡単にサイドを変えられる選手だった。
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