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久保建英を客寄せパンダにしてはならない理由

杉山茂樹スポーツライター
(写真:田村翔/アフロスポーツ)

U−20W杯対イタリア戦で2ゴールの活躍を演じた堂安律選手は現在18歳。間もなく19歳になる。西野朗技術委員長が、イタリア戦のプレイを「メッシ、マラドーナ級」と、絶賛したそうだが、将来どれほどの選手になるかは闇の中。難しい問題だと思う。期待されながら失速していった選手は、これまでいくらでもいる。むしろ大成した選手の方が少ないぐらいだ。悪くてもA代表の域には達すると思いたいが、こればっかりは謎。法則はない。

15歳の久保建英選手の場合は、それ以上に謎めいている。15歳にしては超ハイレベル。年上の大型外国人選手に、物怖じすることなく向かっていく姿勢に、今後さらに伸びる要素を垣間見る。とはいえ、そのマックス値は見えない。日本代表レベルに到達する姿は何となく想像できるが、超日本級になれるか否かは不明だ。将来、日本代表として何試合に出場するか。チャンピオンズリーグには何試合ぐらい出場しそうか。それらにブックメーカーが倍率をつけるとすればどれほどか。分析結果を知りたくなる。

数年後が待ち遠しい、夢のある話ではある。サッカーの競技性に迫るテーマでもある。どういう選手が伸びて、どういうタイプが伸びないか。基本的なことさえ明確になっていない、例外だらけなのがサッカーだ。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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