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「同じ試合に両チームの選手として出場」は史上初だが、過去には「同じ日に2チームの選手として出場」も

宇根夏樹ベースボール・ライター
ドールトン・バーショー(左)とダニー・ジャンセン Aug 26, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ダニー・ジャンセンは、同じ試合に両チームの選手として出場した。これは、メジャーリーグ史上、初めてのことだ。

 6月26日に始まったトロント・ブルージェイズとボストン・レッドソックスの試合に、ジャンセンは、ブルージェイズの「7番・捕手」として出場した。2回表にジャンセンが打席に立ち、初球をファウルにしたところで、試合は雨によって中断された。

 その日、試合は再開されず、続きは、8月26日にダブルヘッダーの1試合目として行われることになった。ジャンセンは、7月27日のトレードで、ブルージェイズからレッドソックスへ移籍した。試合が再び始まった時、ジャンセンはレッドソックスのユニフォームを着てマスクをかぶった。ブルージェイズは、ジャンセンの代打に、ドールトン・バーショーを起用した。上の写真は、その時の2人だ。

 ただ、過去には、同じ日に対戦した両チームの選手として出場した例がある。1922年5月30日のことだ。

 この日、セントルイス・カーディナルスとシカゴ・カブスは、ダブルヘッダーを行った。その1試合目に、クリフ・ヒースコートはカーディナルスの「7番・センター」、マックス・フラックはカブスの「5番・ライト」として出場した。

 1試合目と2試合目の間に、1対1のトレードが成立し、2人はチームを入れ替わった。2試合目は、ヒースコートがカブスの「5番・ライト」、フラックはカーディナルスの「1番・ライト」として出場した。

 また、ジョエル・ヤングブラッドは、1982年8月4日に、ニューヨーク・メッツの「3番・センター」としてデー・ゲームに出場し、試合中に成立したトレードにより、モントリオール・エクスポズへ移籍した。ヤングブラッドは、4回裏の守備にはつかず、シカゴのリグリー・フィールドからフィラデルフィアのベテランズ・スタジアムへ向かった。そして、ナイト・ゲームの6回裏から、エクスポズの選手としてライトの守備についた。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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