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Amazonプライムデー「値引き」だけじゃない? ポイントも強化

山口健太ITジャーナリスト
プライムデーで値引きされた商品(アマゾンのWebサイトより、筆者撮影)

今年もアマゾンの有料会員向けセール「プライムデー」の季節になりました。7月11日から始まった先行セールがさっそく盛り上がっているようです。

アマゾンのセールは特に値引きが期待されているが、ポイントの強化も見どころになってきています。

独自ポイントに加えてdポイントも

今年のプライムデーは7月16日・17日の2日間ですが、7月11日からは先行セールが始まっています。ここで売り切れになると本番セールでも買えない場合があるとのことから、実質的にはもうセールは始まっているといえそうです。

アマゾンのセールの特徴といえば「値引き」です。たとえばスマートスピーカーの新製品「Echo Spot」は、48%引きのセール価格でプライムデーに投入されています。

一般にセールという言葉では値引きを期待する人が多いと思われるものの、楽天市場やYahoo!ショッピングのセールは値引きよりも「ポイント還元」が主体となっていることが多く、アマゾンとの違いが際立っています。

この点について、プライム事業を統括するアマゾンの鈴木浩司氏は「他社の動きではなく、お客様が何を求めているかから逆算し、どういうイベントやディスカウントをするか考えている」と語っており、あくまでユーザーに向き合う姿勢を強調しています。

アマゾンジャパン バイスプレジデント プライム・マーケティング事業統括本部の鈴木浩司氏(アマゾン提供写真より)
アマゾンジャパン バイスプレジデント プライム・マーケティング事業統括本部の鈴木浩司氏(アマゾン提供写真より)

その中で、日本のアマゾンはポイントを強化してきていることもたしかです。2007年には日本独自の仕組みとして「Amazonポイント」を導入し、いまでは多くの商品の購入時にポイントがもらえるようになっています。

アマゾンで商品を購入すると「Amazonポイント」が付与されるようになっている(アマゾンのWebサイトより、筆者作成)
アマゾンで商品を購入すると「Amazonポイント」が付与されるようになっている(アマゾンのWebサイトより、筆者作成)

プライムデーのキャンペーンとしては、昨年に続き今年も最大15%のポイント還元を実施しています。還元率が最大になる場合は限られるものの、プライム会員なら3%還元となることから、確実におトク感が増しています。

最大15%のポイントアップキャンペーンを実施(アマゾン提供資料より)
最大15%のポイントアップキャンペーンを実施(アマゾン提供資料より)

2024年からは新たにNTTドコモとの協業が始まりました。dアカウントを連携すると、アマゾンのポイントに加えてdポイントも付与されます。これもプライムデーでポイント増量のキャンペーンが用意されています。

dアカウントの連携でもポイント増量のキャンペーン(アマゾン提供資料より)
dアカウントの連携でもポイント増量のキャンペーン(アマゾン提供資料より)

値引きか、それともポイント還元かという議論はさまざまな分野に広がっており、アマゾンに対してもポイントよりシンプルで分かりやすい値引きを期待する人が一定数いると考えられます。

ただ、日本においては値引きだけでなくポイントを併用したほうがプラスになるというのがアマゾンの判断といえそうです。「値引き」と「ポイント還元」のバランスに変化は起きるか、引き続き注目していきたいところです。

プライベートブランドは「量」でおトクさをアピール

値引きか、それともポイント還元かという議論とはまた違った観点として、アマゾンはプライベートブランド「by Amazon」の活用も進めています。

このプライベートブランドは2023年にリニューアルしたもので、今年のプライムデーでは「パックご飯」や「スパゲティ」などの食料品、「ペットシーツ」などの日用品がセール対象になっています。

プライベートブランド「by Amazon」もセール対象に(アマゾンのWebサイトより、筆者作成)
プライベートブランド「by Amazon」もセール対象に(アマゾンのWebサイトより、筆者作成)

たとえば「そうめん」なら4袋で合計4キログラムなど、いずれの商品もやや量が多い印象があります。この点についてアマゾンは、「単体での単価が安い物というより、容量を増やして単価を下げてほしいというお客様からの要望がある」(鈴木氏)と狙いを語っています。

プライムデー全体としても、食料品や日用品のセールで家計を応援するというのがテーマになっているとのこと。値引きやポイント還元と組み合わせた節約の機会になりそうです。

ITジャーナリスト

(やまぐち けんた)1979年生まれ。10年間のプログラマー経験を経て、フリーランスのITジャーナリストとして2012年に独立。主な執筆媒体は日経クロステック(xTECH)、ASCII.jpなど。取材を兼ねて欧州方面によく出かけます。

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