在庫処分? ワイモバイル「Pixel 8」が廉価モデルより安いと話題に
ワイモバイルがグーグルのAndroidスマホ「Pixel 8」と「Pixel 8a」を7月18日に発売しました。
発売当日から話題になったのが価格設定です。オンラインストアでは、上位モデルのPixel 8のほうが廉価モデルのPixel 8aよりも安いという逆転現象が起きています。
Pixel 8のほうが安い?
Pixelシリーズのスマホは人気が高まっており、国内の市場シェアでも2位または3位を占めるようになりつつあります。
現行のハイエンドモデルは2023年10月に発売されたPixel 8で、グーグルの直販価格は11万2900円。2024年5月にはその基本性能を受け継いだ廉価モデルのPixel 8aが発売され、こちらは7万2600円とやや低めに設定されています。
しかしワイモバイルの場合、オンラインストアの機種代金はPixel 8が5万9472円、Pixel 8aは7万7760円と、価格設定が逆転しています。Pixel 8が5万円台というのは中古品よりも安い水準です。
他社から乗り換えるMNPの場合、一定の条件付きで割引が適用され一括2万9800円になります。返却などをする必要はない通常の一括購入時の価格としては、かなり安い印象を受けます。
価格設定が間違いではないかと思うほどですが、同日からソフトバンクでの価格も5万9472円に改定されています。確認したところ、ワイモバイルからの発売にあわせてオンラインショップの価格を引き下げたとのことです。
ソフトバンクではストレージ容量が256GBのモデルも扱っていますが、オンラインショップの価格は12万6000円のまま変わっておらず、128GB版とは約2倍の差になっています。
価格改定を実施した理由について、ソフトバンクでは「調達状況やお客さまニーズなどに鑑みて設定した」(広報)と説明しています。
人気商品を安く売ってくれること自体は消費者にとって喜ばしいことですが、やや気になるのは携帯電話の値引きには法規制があるという点です。
2023年12月末に施行された改正電気通信事業法では、端末の値引きが税別4万円までに制限されています。これは携帯料金を原資に端末を値引きすると不公平が生じるという考えに基づいています。
Pixel 8のグーグル直販価格は11万2900円で、ワイモバイルやソフトバンクの5万9472円とは5万円以上の開きがあるものの、ソフトバンクでは「電気通信事業法を踏まえて設定している」(広報)といいます。
この価格を実現できた詳細な経緯は明かしていないものの、事業法が規制する値引きにあたらないとすれば、ソフトバンクはPixel 8をかなり安い価格で調達できた可能性がありそうです。
7月23日時点でワイモバイルのオンラインストアでは在庫僅少となっており、Hazal色は在庫なし、Obsidian色はときどき在庫が復活してはすぐになくなるといった状況が続いています。店頭の在庫を含めて注目したいところです。
まもなくPixel 9登場 在庫処分か
すでにグーグルのWebサイトには新機種として「Pixel 9 Pro」と「Pixel 9 Pro Fold」が掲載されており、8月14日に発表すると予告しています。
Pixel 8世代の発表は2023年10月だったことから、Pixel 9世代は約2か月前倒しで発表されることになり、例年よりも早くPixel 8の在庫処分が始まった可能性があります。
Pixel 9世代ではAIを用いた新機能の搭載が期待される一方、日本での価格については為替相場の影響もあり、Pixel 8世代より安くなることはなかなか考えにくい状況です。
最新AIがPixel 8世代にも提供されるかどうかは分からないものの、OSとセキュリティのアップデートは2030年10月まで提供される予定となっており、安心して利用できます。
これらをあわせて考えると、今回のワイモバイルとソフトバンクによるPixel 8の価格改定は、ハイエンドのAndroidスマホをおトクに入手できるチャンスといえそうです。