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トランプ氏銃撃 テック企業からの反応は

山口健太ITジャーナリスト
トランプ氏の当選確率が上昇(PolymarketのWebサイトより、筆者撮影)

7月13日夜(米国時間)、トランプ前大統領が銃撃されたとの報道が話題になっています。この事件を受け、テック企業の経営者からは一斉にコメントが投稿されています。

トランプ氏の回復を祈るコメントが相次ぐ

トランプ氏自身は、事件発生から約2時間半後、自身が運営するSNS「Truth Social」に投稿。いいねの数は21万6000件(7月14日17時時点)と、普段の10倍以上に達しており、大きく注目されていることがうかがえます。

テック業界の中で、素早く反応した人物の1人がイーロン・マスク氏です。トランプ氏の安全が確保された直後の7時45分(日本時間)にトランプ氏への支持を表明。その後も精力的に投稿を続けています。

(グーグル翻訳:私はトランプ大統領を全面的に支持し、彼の早期回復を願っています)

以下、投稿時間順に大手テック企業の経営者や創業者からの投稿をピックアップしました。

■スンダー・ピチャイ氏(アルファベット/グーグルCEO)

(グーグル翻訳:トランプ大統領の一日も早い回復を祈っています。今日の銃撃と命の損失にショックを受けています。政治的暴力は容認できないものであり、私たちは団結してこれに強く反対しなければなりません)

■ティム・クック氏(アップルCEO)

(グーグル翻訳:トランプ大統領の一日も早い回復を祈ります。 私の思いは彼、他の犠牲者、そしてトランプ一家とともにある。私はこの暴力を強く非難します)

■サティア・ナデラ氏(マイクロソフトCEO)

(グーグル翻訳:私たちの社会には、いかなる種類の暴力も許される余地はありません。トランプ大統領と今日の恐ろしい出来事の影響を受けたすべての人々の早期回復をお祈りします)

マーク・ザッカーバーグ氏(メタCEO)

マーク・ザッカーバーグ氏の投稿(Threadsのアプリより)
マーク・ザッカーバーグ氏の投稿(Threadsのアプリより)

(グーグル翻訳:トランプ大統領の一日も早い回復を祈ります。今日は私たちの国にとってとても悲しい日です。政治的暴力は民主主義を損なうものであり、常に非難されなければなりません)

■ジェフ・ベゾス氏(アマゾン創業者)

(グーグル翻訳:我が国の元大統領は今夜、文字通りの銃撃の下で途方もない優雅さと勇気を示しました。彼の無事に感謝するとともに、犠牲者とその家族はとても悲しいです)

■アンディ・ジャシー氏(アマゾンCEO)

(グーグル翻訳:今日ペンシルベニアで何が起こったのかを理解するのは難しい。ただひどい。被害者のご家族の方々に思いを馳せます。トランプ大統領の無事を嬉しく思い、早く回復することを願っています)

こうした米国の主要テック企業が本拠地を置くカリフォルニア州やワシントン州は、民主党が強い「青い州」として知られてきました。大手テック企業の関係者にも民主党支持者は多いとみられます。

共和党のトランプ氏とは政治的立場が異なる部分もあるはずですが、発表されたコメントはそうした立場を超えて同氏の回復を祈り、犠牲になった人への哀悼の意を表すとともに、民主主義に対する暴力を非難するものになっており、この点は筆者も同意するところです。

またSNSには引き続きショッキングな映像や真偽不明の内容を含め、多数の投稿が流れています。情報を追うことに疲れを感じたら、いったんSNSから離れてみることをおすすめします。

予測市場では確率上昇、ビットコインは上昇の動き

将来のイベントに賭けができるサイトとして知られるPolymarketでは、大統領選についての予想も盛り上がっています。

前日まで60%と優勢だったトランプ氏の当選確率は、事件を受けて70%に上昇。現大統領のジョー・バイデン氏(17%)や副大統領のカマラ・ハリス氏(8%)との差を広げています。

トランプ氏の当選確率は70%に上昇(PolymarketのWebサイトより)
トランプ氏の当選確率は70%に上昇(PolymarketのWebサイトより)

この仕組みはブロックチェーン技術を用いて構築されています。事件が起きたのは米国東部時間で土曜の18時過ぎ、日本は日曜の朝7時過ぎと、多くのマーケットが閉まっている時間帯ですが、24時間365日取引できるシステムの強みが活かされている印象です。

同じく取引時間に制限のないビットコインの相場にも動きがありました。銃撃が報じられた直後には安否が不明だったこともあり、価格はやや下落したものの、トランプ氏の無事が報じられたことで価格は上昇に転じています。

事件前後のビットコイン価格の動き(TradingViewのWebサイトより、筆者作成)
事件前後のビットコイン価格の動き(TradingViewのWebサイトより、筆者作成)

なお、大統領選挙の投票日である11月5日までまだ4か月を残しており、単純に相場が上がっていくとは予想できないことに注意が必要です。その中で、トランプ氏の当選を見越した動きに備えていくことになりそうです。

ITジャーナリスト

(やまぐち けんた)1979年生まれ。10年間のプログラマー経験を経て、フリーランスのITジャーナリストとして2012年に独立。主な執筆媒体は日経クロステック(xTECH)、ASCII.jpなど。取材を兼ねて欧州方面によく出かけます。

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