中国を襲う"最強"熱波は、どれほどすごいのか
上海のビルは明かりを消し、人は涼を求めて地下壕に逃げる。長江は過去最低水位を記録して、川底からは600年前の仏様がお出ましになってーー。
空前絶後の高温と大干ばつに襲われる中国では、電力不足に水枯れなど、異常事態が起きています。
この熱波は、1961年に統計が始まって以来「最悪」であると中国気象局は発表しました。6月中旬から、のべ数百か所で高温記録が塗り替えられ、日中の気温が40度を超えた地点の数は観測史上最多、またその合計面積も約137万平方キロメートルと、過去の記録を大幅に更新しました。これは、日本3.6個分、もしくは中国全体の14%に匹敵します。
気候学者のマキシミリアノ・エレーラ氏は、このように言っています。
この夏に記録された高温は下記の通りです。
<日最高気温>
・北碚(重慶市):45度(新疆ウイグル自治区を除くと、8月の国内最高記録)
・竹山(湖北省):44.6度
・奉節県(重慶市):44.4度
・トルファン(新疆ウイグル自治区):44.8度
・上海:40.9度(観測史上最高)
<日最低気温>
重慶:34.9度(中国における最低気温の最高記録である可能性)
この異常高温の理由について気象局は、①高気圧が覆ったこと、②ラニーニャ現象と③気候変動の影響を挙げています。
重慶の気温と雨量
詳しく天候の様子を見てみましょう。下の図は、中国内陸部にある重慶の今年6月中旬から8月下旬までの気温と雨の記録です。
まず気温ですが、8月は8日(月)から毎日、40度を超えています。本来、真夏の最高気温の平年値は32度ですから、連日10度近く高いことになります。
この炎暑で、人々は意外なところに逃げこんでいるようです。第二次大戦中に、日本軍の空襲に備えるために作られた大規模な地下トンネルが、クーリングセンターとして利用されています。
7月下旬からは1ミリも雨が降っていない状況です。ちなみに8月の月間降水量の平均は130ミリです。
秋の収穫時期を前にして、当局は空にタネを撒いて雨を降らせる、人工降雨作戦に打って出ています。
しかし暑さは、まだまだ続きます。たとえば重慶では、ピークは越したものの、40度前後の高温が来週頭まで続く見込みです。異常な事態はしばらく続きそうです。