Apple 918億ドルの最高益 しかし研究開発費は4.7%だけ Amazonの半額NETFLIX並
KNNポール神田です。
5四半期ぶりに好調な売上を示した。Appleは9月末決算のため、10月〜12月が新年度の第1四半期となる。例年、新製品発売でこの時期が年間を通して一番売上が上がる傾向にある。今回は3眼や2眼を搭載したiPhone11やApple WATCH AirPodsProなどの製品がリリースされた。
PDFデータも公開されている。
https://www.apple.com/newsroom/pdfs/Q1%20FY20%20Consolidated%20Financial%20Statements.pdf
■売上の86.1%はハードウェア製品に依存、研究開発費はAmazonの半額 NETFLIXとほぼ同額
Appleの決算発表資料を見ると、前年同期比(2018年12月末)を見ると売上で108%のアップで、純利益111%と5四半期ぶりの好調な結果となった。しかしながら、売上の86.1%はハードウェア製品に依存している体質は変わらない。原価率が35.4%という低さのサービス部門の売上は、117%の伸び率だが、まだ売上比率では13.8%のインパクトでしかない。
Appleの課題としてはサービス部門の成長が最大の課題であるだろう。また、AppleTV+のようなサブスクリプションもスタートしたが、実際いは買い替え需要のiPhone11には1年間のサブスクリプションのサービスがついているため、4億8,000万人の会員には無料のサブスクライバーが含まれると考えたほうがよいだろう。
そして、研究開発費(前年比114%)を見ると、44億ドルと、対売上比率でいうと、4.7%という低さも気になるところだ。年間を通しても、amazonの研究開発費の半額でしかない。ハードウェアプロダクト売上が86.1%の時価総額1.3兆ドルで世界ナンバーワン企業のAppleにしては低すぎるのではないだろうか?
NETFLIXの2020年の年間投資額は173億ドルと予測されており、四半期ベースでは43.2億ドルとなる。NETFLIXは、コンテンツ製作だけでAppleの製品開発費用とほぼ変わらない金額を投資している。
NETFLIXの四半期売上(2019年12月)は54.6億ドルなので、Appleの5.9%の売上規模でしかないにもかかわらずだ。
■影響が薄くなる日本の売上と、iPhone依存度が60.8%になったApple
かつて、日本といえば、Apple製品の米国に継ぐ巨大なマーケットであり、世界の売上比率でも、20%を超えていた時期もあったが、前年同期比は8.1%あったシェアが今期は6.7%へと低下している。
また、iPhoneの依存度は前年同期比が61.6%から、60.8%と依存比率を落としている。これは、ウェアラブルホームアクセサリ製品群が前年同月比が8.6%から10.8%へと伸びたApple WATCH Series5やノイズキャンセルが搭載されたAirPodsProなどの売上が貢献していると考えられる。
■低廉化したiPhoneSEの次世代機種と新型ウィルスへの不安
アップルは早ければ『(2020年)3月に4.7インチの新モデルを正式発表』と噂されている。これは、数年前から人気のある今では小型となった『iPhone SE』関連の後継機種である。しかし、3月に発売となると現在は、絶賛大量製造中であるはずだが、中国は現在、旧正月の春節期間に入り、しかも新型コロナウィルスの影響で、鴻海の中国工場などの稼働が気にかかるところだ。いずれにせよ、Apple製品は、常に、供給が需要に追いつかず、当初は品薄状態からスタートするのが常なのでそれほどの危機的状況ではなさそうだと考えている。たとえ、発売時期を第2四半期でなく、第3や第4にしたとしても、既存のiPhone11ユーザー以外が購入することを考えれば、うまくモデル別の棲み分けができそうに思われるからだ。
むしろ、NETFLIXなどの膨大な投資比率やDisney+の拡大の中で、AppleTV+は、まだまだ本腰を入れているように思えない部分がとても気になる。一応、iPhone11の無料期間で、AppleTV+を視聴しているが、オリジナル作品の本数がまだまだ少なすぎる…。ゴールデングローブ賞に『The Morning Show』がノミネートされたが受賞は逃している…。
2007年のiPhone誕生から13年、2010年のiPad誕生から10年…。2015年のAppleWATCHから5年経由している。
リプレースだけでも十二分に食いつないでいけるのかもしれないが、熱狂的な信者を集めるようなプロダクトやサービスをずっと期待している。AirPodsProが進化してグラスやAR、AppleWATCHからの進化してのファイナンスやスーパーアプリなど、もっと研究開発費を、湯水のごとくつぎ込んでほしいと願うばかりだ。