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昨年のサイ・ヤング賞投手が目覚めた!? 前半は防御率6点台ながら、直近2登板はどちらも被安打1本

宇根夏樹ベースボール・ライター
ブレイク・スネル(サンフランシスコ・ジャイアンツ)Jul 14, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 昨シーズン、ブレイク・スネルは、5年ぶり2度目のサイ・ヤング賞を受賞した。リーグを問わず、162イニング以上の44人中、与四球率4.95はワーストながら、奪三振率11.70は2番目に高く、防御率2.25は最も低かった。

 サンディエゴ・パドレスからFAになったスネルは、なかなか球団が決まらず、3月中旬にサンフランシスコ・ジャイアンツと2年6200万ドルの契約を交わした。契約金1700万ドルと今シーズンの年俸1500万ドルに、来シーズンは年俸3000万ドルの選手オプションだ。

 今シーズンの前半は、故障者リストに2度入り、8登板で防御率6.31に終わった。ただ、直近の2登板は、5イニング無失点と7イニング無失点。どちらも、被安打は、シングルが1本しかなかった。奪三振と与四球は、7月9日が3ずつ、14日は8と0だ。それまでの6登板は、いずれも、5イニング未満&自責点3以上だった。

 昨シーズンも、出足は鈍かった。最初の9登板に自責点2未満はなく、防御率は5.40。その後の23登板中、自責点2以上は6登板。このスパンは、防御率1.20を記録した。

 ここから快投を続け、オフに選手オプションを破棄し、再びFA市場に出ても、長期契約を手にすることができるかどうかは、わからない。12月初旬には、32歳の誕生日を迎える。

 けれども、スネルが本領を発揮すれば、ジャイアンツには大きなプラスとなる。前半は47勝50敗と負け越し、ナ・リーグ西地区首位のロサンゼルス・ドジャースに9ゲーム差をつけられているが、ワイルドカードの3番手に位置するニューヨーク・メッツとの差は、まだ3ゲームだ。

 また、ジャイアンツでは、3年前のサイ・ヤング賞投手、ロビー・レイの復帰が近づいている。レイは、昨年5月にトミー・ジョン手術を受け、今年1月のトレードにより、シアトル・マリナーズからジャイアンツへ移籍した。昨年10月に腰の手術を受けたアレックス・カッブも、順調にいけば、今月中に復帰する。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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