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【オートバイのあれこれ】ネイキッドブームを盛り立てた「平成のインパルス」。

Rotti.モトエンスー(moto enthusiast)

全国1,000万人のバイクファンへ送るこのコーナー。

今日は「ネイキッドブームを盛り立てた“平成のインパルス”。」をテーマにお送りします。

’90年代のネイキッドブーム下において、各メーカーからいろいろとネイキッドモデルが出てきたわけですが、そのうちの一つがスズキの『GSX400インパルス』です。

▲ゼファー、XJR、CBが出揃った後、ブームの中では最後発として登場
▲ゼファー、XJR、CBが出揃った後、ブームの中では最後発として登場

「インパルス」…、’80年代以前に青春を過ごしたバイクファンなら、『GSX400FSインパルス』(’82年発売)や『GSX400Xインパルス』(’86年発売)を想起する人も少なくないでしょう。

▲1980年代初めの「400マルチ」ブームを沸かせたGSX400FSインパルス
▲1980年代初めの「400マルチ」ブームを沸かせたGSX400FSインパルス

ネイキッドブームを引き起こしたカワサキ『ゼファー』がかつての空冷Z系モデルにオーバーラップする雰囲気をまとい、また’93年に登場したヤマハ『XJR400』も、’81年に現れた「ペケジェー」こと『XJ400』を思い出させる存在で、こういった“昭和の過去モデル”へのオマージュ的要素をはらんだ他社モデルが現れてくるなか、スズキも’80年代に使った「インパルス」のネーミングを復刻したのかもしれません。

余談はさておき、GSX400インパルスは’94年(平成6年)にデビュー。

並列4気筒エンジン、ダブルクレードルフレーム、2本タイプのリヤショックユニットなど、当時のライバルモデルと同様のトラディショナルな構成となっていました。

▲奇をてらわないオーソドックスなスタイルながら、個性も感じられる佇まいだ
▲奇をてらわないオーソドックスなスタイルながら、個性も感じられる佇まいだ

スタイリングに関しては、比較的シャープな印象の強いゼファー/XJRと、ボリューム感のあるホンダ『CB400SF』の間をいくようなデザインで、インパルスならではの個性がしっかり演出されていたと言えるのではないでしょうか。

パワーユニットは、空冷風の外観に仕立てられた水冷4バルブDOHCエンジン。

’92年に登場した『GSX400Sカタナ』のエンジンをベースに、低速トルクが増強され搭載されました。

ちなみにインパルスのエンジンは、最大トルクの点でライバルを凌駕。

ゼファー:3.1kg-m/10,500rpm

XJR:3.5kg-m/9,500rpm

CB400SF:3.7kg-m/10,000rpm

インパルス:3.8kg-m/9,500rpm

※全て初期モデルの値

で、インパルスは最もトルクフルな400ネイキッドだったのです。

そして、GSX400インパルスの話でぜひ触れておきたいのが、デビューの少し後にタイプSが用意されたこと。

▲ビキニカウルを備えた『タイプS』も追加ラインナップされた
▲ビキニカウルを備えた『タイプS』も追加ラインナップされた

古風なデザインのビキニカウルが装着され、またホワイトとブルーの2トーンで塗られた車体は、往年の名車『GS1000S』を思わせるものでした。

▲1979年に登場したGS1000S。レーシングマシンとの関わりから「クーリーレプリカ」と呼ばれていた
▲1979年に登場したGS1000S。レーシングマシンとの関わりから「クーリーレプリカ」と呼ばれていた

世間では「クーリーカラー」などと呼ばれ、このタイプSがインパルスの人気に拍車をかけたのは間違いないでしょう。

インパルスはライバルとともに’90年代のバイク市場を盛り立てて’99年まで生産が続き、ここで一旦カタログから消えたものの、2004年に『インパルス400』へと車名を変えて復活。

▲数年のブランクの後、『インパルス400』の名で再登場した
▲数年のブランクの後、『インパルス400』の名で再登場した

空白期間はありましたが、「平成のインパルス」は長く支持を集め続けたモデルだと言っていいでしょう。

画像引用元:スズキ

モトエンスー(moto enthusiast)

バイクを楽しむライター。バイク歴15年で乗り継いだ愛車は10台以上。ツーリング/モータースポーツ、オンロード/オフロード、最新バイク/絶版バイク問わず、バイクにまつわることは全部好き。

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