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トラウトは再び膝を痛め、シーズンを終える。10本塁打に到達したのは誰よりも早かったが…

宇根夏樹ベースボール・ライター
マイク・トラウト(ロサンゼルス・エンジェルス)Jun 19, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 マイク・トラウト(ロサンゼルス・エンジェルス)の復帰は、来シーズンになる。

 ジ・アスレティックのサム・ブラムらによると、ペリー・ミアシアンGMは、左膝の半月板に損傷が見つかり、今シーズンはもうプレーしない、と語ったという。

 トラウト自身も、声明を発表した。そのなかには、再び手術が必要だろう、と記してある。

 今シーズン、トラウトは、開幕から29試合に出場し――そこまでの欠場は1試合もなく――打率.220(109打数24安打)と出塁率.325、10本塁打と6盗塁、OPS.867を記録した。10本目のホームランを打ったのは、25試合目の4月24日だ。この時点で二桁本塁打は、トラウトしかいなかった。

 だが、左膝の半月板を損傷し、4月30日以降は欠場。5月3日に手術を受け、先月23日にAAAでリハビリ出場を開始したが、最初の打席で見逃し三振を喫し、2イニングを守ったところで交代した。

 トラウトは、2010年代最高の野手だった。このディケイド(2010~19年)に200本塁打以上&200盗塁以上は、トラウトだけだ。メジャーデビューは2011年なので、2010年代にプレーしたのは10シーズンではなく9シーズンだが、285本塁打は5位タイ、200盗塁は15位に位置する。2000打席以上の329人のなかで、出塁率.419はジョーイ・ボトー(当時シンシナティ・レッズ/現トロント・ブルージェイズ)の.428に次ぐ。OPS1.000は最も高く、あとの328人は.950に達していない。ポジションは、センターだ。

 2012~19年の8シーズン中、MVPは3度を数える。2014年、2016年、2019年に受賞した。あとの5シーズンは、2位が4度と4位が1度だ。

 一方、2021年以降の出場、計266試合にとどまる。今シーズンの残りを含むエンジェルスの計648試合中、59.0%の382試合は欠場、ということになる。

 今シーズン序盤のアーチ量産から窺えるとおり、パワーは失われていない。けれども、試合に出場しなければ、パワーを発揮することはできない。

 数日後には、33歳の誕生日を迎える。来シーズンは、センターから外れるだけでなく、DHとしてプレーすべきではないだろうか。守備につかなければ、怪我のリスクは軽減できる。盗塁を試みることも、避けたほうがいいかもしれない。

 12年4億2650万ドル(2019~30年)の契約は、まだ半分が残っている。

 なお、ここまでの14シーズンの通算スタッツは、打率.299と出塁率.410、378本塁打と212盗塁、OPS.991だ。ポストシーズン出場は、2014年の1度きり。ディビジョン・シリーズの3試合で15打席に立ち、12打数1安打、1本塁打を記録している。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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