Yahoo!ニュース

日本代表リーチ マイケル、指揮官不在でも志高く。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
写真は昨年11月のニュージーランド代表戦時(写真:つのだよしお/アフロ)

 9月開幕のラグビーワールドカップ日本大会に向け、日本代表候補による「ラグビーワールドカップトレーニングスコッド(RWCTS)キャンプ」が東京・町田キヤノンスポーツパークでおこなわれている。本格的な練習を始めた2月4日、本番でキャプテンを務めそうなリーチ マイケルが意気込みを明かした。

 リーチは2015年のイングランド大会でも日本代表のキャプテンを務め、南アフリカ代表などから歴史的3勝を挙げている。

 ジェイミー・ジョセフ率いる現体制の日本代表は今年、RWCTSキャンプとサンウルブズ(国際リーグのスーパーラグビーに日本から参戦)というふたつのチャンネルを駆使して選手の強化をおこなう。リーチはサンウルブズとも契約している。

 以下、共同取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――いまおこなっていること。

「ワールドカップでいい試合ができるようにここでベースを作る。スキルを磨いて、身体をステップアップさせて、サンウルブズのシーズンに入る(現在RWCTSキャンプに参加する選手は、早ければ3月にサンウルブズへ合流)。まずはベース作りです。個人のベースを作る」

――皆の顔を見て感じたことは。

「いつもと同じです。皆と会うのは嬉しい。日和佐(篤)、堀江(翔太)も、2人が来ていて安心しました(日和佐は久々の復帰を、堀江は疲労骨折からの回復を目指す。ともにワールドカップ経験者)」

――12月中旬から今度のキャンプインまで、約6週間の休暇を得ました。フィジー、ニュージーランドで過ごされたようです。

「ラグビー人生で初めての6週間の休み。家族の時間もしっかり取りました。エネルギーがたまった。(フィジーでは)川で遊んだり、(現地に住む)お父さんの家を作るのを手伝ったり。ニュージーランドに帰ってからは海に行ったり、娘の自転車の練習をしたり。家の外にトレーニングのジムを作ったんですが、それには奥さんが怒った。何しにニュージーランドに帰ってきたんだ、って(一同、笑い)」

――現在、キャンプにジョセフヘッドコーチが合流していません。

「正直、ピリピリ感はない。ただ、リーダー陣はそういう空気に流されないようにしたい。高いスタンダードを持ってやる。監督が来たから練習の質が上がるというのは、とても低いレベル。(スタンダードは)自分たちで作らないといけないです」

――2015年と2019年の違いは。

「全部、違います。前回はスーパーラグビーもなかった。前回に比べたら今回のほうが全然いい準備ができています。前回はチャレンジャーでしたが、いまは全大会で3回勝っている、強いメンタリティーを持ったチームです。楽しみですし、責任感はある。こんな大きなチャンスは2度とこない」

――ワールドカップでも主将を務めるのか。

「自分はそのつもりでいます」

 15歳で来日しこの国に不可欠な存在となった30歳。本番での目標については「プール戦を突破することだけを目標にはしない」といった旨で語り、「ここ(今回のキャンプ)でベスト4以上のスキル、スタンダードを作らないといけない」と続ける。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

すぐ人に話したくなるラグビー余話

税込550円/月初月無料投稿頻度:週1回程度(不定期)

有力選手やコーチのエピソードから、知る人ぞ知るあの人のインタビューまで。「ラグビーが好きでよかった」と思える話を伝えます。仕事や学業に置き換えられる話もある、かもしれません。もちろん、いわゆる「書くべきこと」からも逃げません。

※すでに購入済みの方はログインしてください。

※ご購入や初月無料の適用には条件がございます。購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。

向風見也の最近の記事