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ドラフト史上最高順位の親子となった遊撃手が、史上2番目に高額な契約金をゲット

宇根夏樹ベースボール・ライター
カンザスシティ・ロイヤルズの本拠地、コーフマン・スタジアム Mar29,2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月12日、カンザスシティ・ロイヤルズが、ボビー・ウィットJr.の入団を発表した。ウィットJr.は今年のドラフト全体2位。父のボビー・ウィットは1985年の全体3位だ。どちらも全体10位以内の親子は3組目だが、トムベン・グリーブは全体6位(1966年)と全体2位(1994年)、ジェフショーン・バロウズは全体1位(1969年)と全体9位(1998年)。これまでは、全体3位以内どころか、全体5位以内の親子さえいなかった。

 MLBパイプラインのジム・キャリスによると、ウィットJr.の契約金はスロット・バリューどおりの778万9900ドルだという。これは、ドラフト指名&入団の契約金としては、ゲリット・コール(現ヒューストン・アストロズ)の800万ドルに次ぐ。今から8年前、コールはピッツバーグ・パイレーツから全体1位指名を受けた。

 ウィットJr.の前に、ボルティモア・オリオールズから指名されたアドリー・ラッチマンは、まだ契約に至っていない。今年の場合、全体1位のスロット・バリューは841万5300ドルなので、ラッチマンがコール以上の契約金を手にするかどうかはともかく、ウィットJr.を上回る可能性は高い。ただ、コール(ドラフト当時)とラッチマンが大学生であるのに対し、ウィットJr.は高校生だ。

 父のウィットは、エースとまではいかなかったものの、メジャーリーグで16シーズンを過ごした。ロイヤルズを含まない7チームで投げ、142勝157敗、防御率4.83。ラストシーズンの2001年は、ワールドシリーズ優勝を味わった。一方、息子のウィットJr.は遊撃手だ。610スポーツ・ラジオのコディ・タップによると、ロイヤルズのデイトン・ムーアGMはウィットJr.について、トロイ・トゥロウィツキ(現ニューヨーク・ヤンキース)に似ていてスピードは勝ると語ったという。

 また、ウィットJr.の姉の夫は、今シーズンから埼玉西武ライオンズで投げているザック・ニールだ。ちなみに、ニールのドラフト指名は、2010年の17巡目・全体527位だった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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