韓国軍が潜水艦からのSLBM水中発射に成功
9月15日、韓国国防部はADD(国防科学研究所)が開発したSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)が潜水艦からの発射試験に初めて成功したことを報告しました。
韓国国防部公式動画より「ADD、SLBM潜水艦初発射試験成功」
韓国国防部の公開した新しい動画にはSLBMを含む各種兵器の発射の様子が映っています。SLBMは最初の方になります。潜水艦からガスを用いたコールドランチで海面に出た直後に先端の保護キャップをロケット噴射でやや横に飛ばして外し、ミサイルのロケットモーターに点火すると底部の保護カバーを噴射で吹き飛ばしています。
韓国型SLBMの発射の様子
韓国型SLBM「玄武4-4」は玄武2系の地上発射型短距離弾道ミサイルを基にしている改良型とされていますが、形状は大きく変更されているように見えます。玄武2系より細長く、操舵翼は折り畳み式となりミサイルの最後部ではなく少し上に位置が変更されています。
推定になりますが、底部カバーを吹き飛ばす際に操舵翼に破片が当たらないように距離を取ったのかもしれません。インドのSLBM「サガリカ」も操舵翼が最後部にはありませんが、小型のブースターが最後部に付いており使い切ったら投棄して、結果的に後から操舵翼がミサイルの最後部になります。もしかすると韓国型SLBMも同様の設計なのかもしれません。
インド型SLBM(左)と韓国型SLBM(右)の比較
※韓国型SLBMの最後部がブースターかどうかは現時点では不明。
なお韓国国防部のこの動画では新開発のSLBMの後に、新型の空中発射式巡航ミサイル(対地用、長射程)、地上発射式巡航ミサイル(対艦用、超音速)、ロケットエンジン地上燃焼試験、地上発射式短距離弾道ミサイル(貫通型の玄武4?)の映像が映っています。
最後の地上発射式短距離弾道ミサイルが玄武4だとすると、玄武2Aや玄武2Bと形状的な変化はほとんど無く、センサー類の追加なども確認できませんでした。
※2021年9月27日追記:朝鮮日報の報道によると玄武4ではなく玄武2だったことが判明「いかほどの極秘事項であれば…韓国軍公開「玄武-4」映像は別のミサイルだった」
韓国軍の地上発射式の新型短距離弾道ミサイル(玄武4と推定)
韓国軍の新型空対地巡航ミサイル(亜音速)
韓国軍の新型地対艦巡航ミサイル(超音速)
韓国軍の新型超音速巡航ミサイル(対艦用)の形状はロシア軍のオーニクス超音速巡航ミサイルに非常によく似ています。機首先端の空気吸入孔がそうで、ロシア式の設計の特徴が見えます。