ビジネスで限界突破する方法 ~「やりすぎる習慣」を身につけよう
私は企業の現場に入って目標を絶対達成させるコンサルタントです。経営者や中間管理職が掲げた目標を、1年間かけて達成させることが本業です。難しい仕事ですが、この発想を受け入れることは簡単です。繰り返しますが、経営者や幹部が考えた目標を絶対達成させる、というだけの話です。オリンピックで金メダルを獲れとか、サッカーワールドカップで優勝しろと要求しているわけではありません。身近で働いている同僚や、他の組織が達成していることをやれと言っているだけですので、どのようにそれを実現すればいいかわからなくても、その発想は受け入れられるはずです。
「そうだな。会社から言われている目標ぐらいは達成しないとダメだな」
と。
ところが、過去に未達成の経験があったり、他の同僚が口癖のように「無理」「難しい」と言っていると、ついつい何も考えずに、
「無理です」「難しいです」「目標を絶対達成しろと言われても、できないときもあります」「逆立ちしてもこんな目標は達成できません」「目標はあくまでも目標であって、絶対達成しろという押し付けみたいな言い方は良くないと思います」「どのようにこの目標が出てきたのか理解できない。納得できない目標をやれと言われるとモチベーションが落ちる」
などと言ってしまうものです。新入社員として会社に入ったころは、決して口にしなかった言葉が、平然と出てきます。達成するかどうかは別にして、一年間の目標を一瞬で否定する思考を持つべきではありません。自分で勝手に限界を設定するということは、自分が本来持っているポテンシャルに「蓋」をしてしまう行為だからです。
このような思考パターンをメンテナンスするためには、まず身近なことから「限界突破」を味わっていくことです。私が強くお勧めするのは、自己研鑽につながる「限界突破」です。自分に甘い人は思い切ってお金を支払い、少し厳しめのセミナーや研修に通うことです。講師から出る宿題をやっていくうちに、「無理だと思っていたが、意外とできた」「時間がないと思っていたが、作ろうと思えば意外と時間は作れる」と認識することでしょう。
運動でもかまいません。たとえば運動不足の人がウォーキングをはじめた。ジョギングをはじめた。最初は10分、20分のウォーキングだったのが、次第に30分や1時間のウォーキングやジョギングに変化していきます。「最初は15分のウォーキングが限界だと思ったが、意外に30分のジョギングもすぐできるようになってきた」「健康のためにスタートしたが、意外に楽しい。はまりそうだ」
読書でもかまいません。1ヶ月に1冊ぐらいしか読まなかったが、1週間に1冊、1週間に3冊読めるようになると「意外に読める」「だらだら読んでいると頭に残らないが、速く読むと意外と頭に入る」という気付きを得られるでしょう。
自分が認識していた限界が限界でなくなると、必ず口にするのが「意外に」という言葉です。
「意外に自分って行動できるんだな」「意外に自分って能力あるかも」「意外に自分って何やってもできる人間かも」
行動の限界を超えれば、能力の限界も超え、自分というアイデンティティの限界も超えていきます。この思考が、ビジネスにも生かされてきます。まずは身近なことを「やりすぎかな?」と思えるぐらいにやってみましょう。「このぐらいがちょうどいいかな?」ではなく「こんなにやったらやりすぎかな?」でいいのです。「やりすぎる習慣」を手にすることで、限界突破のクセがついていきます。