362本塁打の一塁手を1年1250万ドルで迎え入れたヤンキースは、341本塁打の三塁手も獲得するのか
来シーズン、ポール・ゴールドシュミットは、ニューヨーク・ヤンキースでプレーするようだ。YESネットワークのジャック・カリーやUSAトゥディのボブ・ナイテンゲールらが、1年1250万ドルの契約で合意、と報じている。
37歳のゴールドシュミットは、これまで、アリゾナ・ダイヤモンドバックス(2011~18年)とセントルイス・カーディナルス(2019~24年)でプレーしてきた。通算362本のホームランを打ち、14シーズン中7シーズンは30本塁打以上。20本塁打に届かなかったのは、出場110試合未満の3シーズンしかない。出塁率が.345を下回ったシーズンも、1年目(.333)と14年目(.302)だけだ。一塁を守り、ゴールドグラブを4度受賞。一塁手としては盗塁も多く、2016年の32盗塁を筆頭に、二桁盗塁のシーズンは8度を数える。
2024年は、打率.245と出塁率.302、22本塁打と11盗塁、OPS.716を記録した。これらのスタッツのうち、ホームランと盗塁以外は自己ワーストながら、その前の2023年は、打率.268と出塁率.363、25本塁打と11盗塁、OPS.810だ。2年前の2022年は、MVPを受賞している。
2024年にヤンキースでプレーした選手が一塁出場時に記録した合計スタッツは、打率.216と出塁率.284、16本塁打と0盗塁、OPS.619だった。全盛期を過ぎているとはいえ、2025年にゴールドシュミットがこれらのすべてを上回る可能性は、かなり高い。
また、ゴールドシュミットの加入により、ヤンキースのレギュラー野手は、9人中8人が確定したと見ていいだろう。
外野には、左から、トップ・プロスペクトのジェイソン・ドミンゲス、今オフのトレードでシカゴ・カブスから移籍したコディ・ベリンジャー、キャプテンのアーロン・ジャッジが並ぶ。スタメンマスクはオースティン・ウェルズがかぶり、DHはジャンカルロ・スタントンが務める。内野は、一塁がゴールドシュミット、二塁が今夏のトレードでマイアミ・マーリンズから移籍したジャズ・チザムJr.、遊撃がアンソニー・ボルピー……空いているのは三塁だ。
ヤンキースは、ゴールドシュミットとチームメイトだったノーラン・アレナード(カーディナルス)を手に入れようとしているらしい。来年4月に34歳となるアレナードは、2024年こそ16本塁打――打率.272と出塁率.325、OPS.719――にとどまったものの、12シーズンに341本のホームランを打ち、ゴールドグラブを10度受賞している。
MLB.comのマーク・フェインサンド、ジョン・デントン、ブライアン・ホックによると、アレナードの交換要員として、ヤンキースは先発投手のマーカス・ストローマンを提案し、カーディナルスに断られたという。もっとも、ヤンキースも、カーディナルスが了承するとは思っていなかったのではないだろうか。アレナードとストローマンの年齢は、半月しか違わない。2025年のシーズン年齢(6月30日時点)は、ともに34歳だ。
ヤンキースがもっと若い選手を差し出し、アレナードを獲得する可能性は、まだ残っているはずだ。例えば、ストローマンと同じ先発投手でも、2024年の新人王、来年6月で27歳のルイス・ヒールなら、カーディナルスがトレードに応じてもおかしくない気がする。なお、アレナードがトレード拒否権を行使しない6球団に、ヤンキースは含まれていないようだが(「341本塁打の三塁手がトレード拒否権を行使しない6球団のなかには、9年連続負け越しのエンジェルスも」)、6球団以外は拒否と決まっているわけではない。